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【放送概論風味】2021八月テレビ
8月は毎年、終戦に合わせた番組が数多く放送される。新聞や雑誌などの特集も合わせこれを「八月ジャーナリズム」と呼ぶこともある。
8月はまず、ヒロシマ・ナガサキにはじまり、815の終戦記念日を迎える。と同時に多くの地方では月遅れのお盆。テレビでも追悼の意味も含めた番組が多くなる。
コロナ禍の2021は、さらにオリパラの開催もあって、かなり特殊な8月であった。7月後半から8月前半はそもそも実施するのか
【社会現象の解読風味】デマと不安と安心と
2020、2月。おそらくそれは「コロナウイルス」という名前と共にかなり長く記憶されることになるのだろう。その月末には、社会学者としてはなんとも腑に落ちないコトバ「善意のデマ」なるコトバが流行している。
善意であろうが悪意であろうが故意ではあるので、デマはデマだろうと僕は思うのだが。
この瞬間に最も問題となっているのは「ティッシュやトイレットペーパーは、現在不足しているマスクと同じ原料であり、中国
【放送概論風味】::イチローの引退記者会見から見えた気がするもの
まずは視聴率
2019年3/21深夜。日付も変わろうかという時間帯のことだった。日本テレビ系列『news zero』(23:00~23:59)は、記者会見冒頭で放送終了したが、番組平均視聴率は10.9%だった(ビデオリサーチ発表以下同じ)。『FNNプライムニュースα』(23:45~24:30)は番組平均視聴率6.1%をマークし、これはこの番組最高記録だったとのこと。絶好調と言われる深夜ドラマ「家政
【放送概論風味】::NHK「のぞき見ドキュメント 100カメ」第1弾:ジャンプ編集部
カメラ100台を、撮影期間4日にわたり、漢18人の週刊少年ジャンプ編集部に設置した。撮影スタッフはその場にはいない。通常(というのか、いままでの)ドキュメンタリーとはかなり異なる手法でのアプローチ。
NHKが近年開発した定点観測型ドキュメンタリの「72時間」をいわば空間的に拡張した、と考えてもいいのかもしれない。あるテーマを持って取材し構成するというのではなく、その場で起きていることを映像から発見
【放送概論風味】::小さな手でおしゃべりする子どもたち ETV特集「静かで、にぎやかな世界 ~手話で生きる子どもたち~」
おそらく、いやかなり確実に、2018年に作られたドキュメンタリーの中では5本の指に入る作品だ。文化庁芸術祭ではテレビ・ドキュメンタリー部門の大賞となったが、それだけの力はあると思う。
テレビである。テレビ・ドキュメンタリーである。しかしナレーションの声がほとんどない。取材対象者のしゃべる声もない。なぜなら彼らは「手話」でしゃべるから。ところが題名の通り、本当ににぎやかなのである。子供たちだけではな