ヨルゴスランティモス監督の映画を見ると体調が悪くなります。アリーアスター監督もそうです。似ています。 それでも見たくなるほどの中毒性があるのは、やはり彼らが評価されている映画監督だからでしょう。 ヨルゴスランティモス監督の映画は、「哀れなるものたち」が一番好きです。 これは原作の小説をもとに作られた映画です。 絵本の世界かのような美しい街並みやドレス。 魚眼レンズで撮影されるシーンもあり、さらに独特な世界観を醸し出しています。 エマストーンの圧倒される演技力により、一層ヨル
「◯◯先生学校辞めたんだって。」 高校を卒業してから一年が経とうとしていた。 定期的に妹と電話をする。 互いの近況報告をしていた時のことだった。 先生は違う学校に行くのだろうか、辞めた理由を考えていた。 「中2の子が親に『◯◯先生にセクハラ行為をされた。』と伝えて、親が学校に電話して◯◯先生辞めさせられたんだって。」 私は開いた口が塞がらなかった。 先生は決して中学生に性的な動機で触れることはしない。 そもそも教育においてボディタッチをするような先生ではなかった。 私立の女子
彼女が居候してもう1週間はとうに経っている。 彼女と私はアルバイト先も一緒なので、この1週間はずっと彼女と過ごしていた。 「振られた。」 電話越しで泣きながらそう伝えられた。 幾度となく「意味がわからない。」と吐き捨てるように呟いていた。 励ます言葉をかけることができず、むしろ腹の中では、「一度くらい大失恋を経験できてよかじゃないか。」と思っていたのは彼女へ口が裂けても言えない。 一年ちょっとの関係だったらしい。 ほぼ同棲をしていた。 「一緒にいすぎたのかもね。」 「好き
あの人はよく、私から海の香りがすると言いました。 潮の匂いなんて臭いに決まっている、と思い、私は自分の体臭を気にしています。 中学1年生の時に私のことを好きでいてくれた女の子がいました。 私は、他人に友達以上の感情を強く強く抱かれると、反射的に突き放してしまいます。 ですから、彼女の好意を拒絶しました。 ある日を境に彼女は私のことを酷く嫌うようになりました。 態度でも言葉でもそれを表してきました。 中学1年生ながら、彼女は好きの裏返しで嫌いを表しているんだなあ、と思っていま
私は自分のことをどうしても好きになれないから、何かに自分を投影して愛でる。 私は自分の歌声が嫌いではないから、1人でカラオケに行って歌うことが自分への愛情表現なのである。 彼女とカラオケに行くのが1番好きで、彼女が歌った曲を1人で歌ってみては、そのときを回想する。 彼女はおもむろに歌うのをやめて音楽に耳を傾けていた。 「ごめん、ちょっとあまりにも音楽が良すぎて歌えへんかったわ。」 理由があまりにも格好が良くて、その反面、たかが20の女が音楽について語っているその歯がゆい感じ
それはまるでアルバムをめくるように。 写真を一枚一枚なぞりながら見るように。 記憶を掘り返して写真と照らし合わせるように。 人との会話を何故か鮮明に覚えていることがある。 ふと、あの会話面白かったな、と懐古する。 それは形に残らない私の過去の記憶。 もし相手にその瞬間の記憶がなかったら、その会話がなされた証拠はもはや無いに等しい。 けれども重要なのはその会話があったか否かではなく、私が独りよがりにその瞬間を大切にしているという部分にあるわけで。 相手の言葉が残像のように浮
こんにちは。ぱるむです。 今回は濱口竜介監督の「悪は存在しない」の感想を書いていこうと思います。 長野県、水挽町。自然が豊かな高原に位置し、東京からも近く、移住者は増加傾向でごく緩やかに発展している。代々そこで暮らす巧(大美賀均)とその娘・花(西川玲)の暮らしは水を汲み、薪を割るような、自然に囲まれた慎ましいものだ。 しかしある日、彼らの住む近くにグランピング場を作る計画が持ち上がる。コロナ禍のあおりを受けた芸能事務所が政府からの補助金を得て計画したものだったが、森の環境や
こんにちは。ぱるむです。 私は喫茶店巡りが大好きです。 今回は京都の喫茶店を紹介していきます。 1. スマート珈琲店 一店舗目はスマート珈琲店。 店内はシックで落ち着いています。 珈琲の香りが充満しており、内装、家具なども暗めの色で統一されています。 紅茶の香りは特出した特徴は無く、飲みやすいと思います。 スコーンなどの甘いものとよく合う味に感じる。 次来た時はスイーツも頼んでみようかな。 〒604-8081 京都府京都市中京区天性寺前町537 寺町専門店会商店街 京
大雨で午後の講義が無くなるらしい。 当時仲良くしていた友人から電話がかかってきた。 今すぐに大阪へ行かなければいけないらしい。 JR琵琶湖線、京都線は姫路から米原までを結ぶ非常に長い路線であり、人身事故や災害の際にしょっちゅう遅延する。 返事一つでレンタカーを予約した。 彼らをどこに降ろしたのか記憶がない。 気がつくと大阪をすっ飛ばして尼崎へ来ていた。 大学に行きたくなかった。 大学とは真逆の方向へとひたすら車を走らせた。 尼崎ではラーメンを食べた。 後に河原町にもあるチ
こんにちは。ぱるむです。 6月下旬の遅い梅雨入りにともなって心が鬱々としてきました。 そんなときは家にこもって言葉にするのみです。 もはや普段の鬱々よりも一層鬱々としているので、々をいくつつけてあげればいいのか分からないほどです。 私は外的環境の影響を受けやすい。 天気、部屋の綺麗さ、人間関係、人の言動など、色々なものに影響を受けて考えを巡らせてしまいます。 最近は雨だから雲が重たくて仕方ない。家の中にいるときの雨は大好きなのに。 夜、雨が地面を静かに打ち付ける音でぼーっと
こんにちは。ぱるむです。 2月末に毛皮のマリーズに出会い、ボーカル志磨遼平に魅せられました。 今回はその莫大な愛を自己満足で文字に起こしていきます。 2010年にリリースされた4枚目のアルバムであり、毛皮のマリーズがデビューする際にリリースされたアルバム「毛皮のマリーズ」について話していきます。 毛皮のマリーズとは 2003年に結成され、2011年12月31日をもって解散した日本のロックバンド。ファンはマリーズメイニア(MARIES MANIA)と呼ばれる。志磨遼平(ボーカ
こんにちは。ぱるむです。 私は「九月」という芸人が好きです。 Twitterの「九月の『読む』ラジオ」というアカウントで彼を知りました。 質問箱に寄せられた悩みや相談を、華麗にさばいていくスタイルです。 まさに読むラジオ。 彼は日本語がとても上手なので、読んでいてとても爽快です。 先日、彼のもとに寄せられたお便りがとても印象的でした。 私は12年間女子校に通っていたこともあり、大学生になって初めて男性がいる場で戸惑うこともありました。 そして、女として生まれてきた自分につ
こんにちは。ぱるむです。 今回は映画「GUNDA」の感想を書きます。 本映画はビクトル・コサコフスキー監督、そしてエグゼクティブプロデューサーにホアキン・フェニックスであり、国内外100以上の賞を受賞した作品です。 農場の動物たちの映像をモノクロで90分堪能できる映画。音楽もナレーションも無い。ただただ彼らを眺めるだけなのだが食い入るように見てしまった。 本当のことを言うと深夜だったこともあり、後半10分ほどは軽い睡魔に襲われてしまった。 それでも素敵な映画であることは間
こんにちは。ぱるむです。 今回は映画「C'mon C'mon」を鑑賞した感想を書きます。 殴り書きで読みづらい部分があると思いますがご笑納ください。 ネタばれアリです。 この映画は、2021年のドラマ映画。マイク・ミルズ監督、出演はホアキン・フェニックス主演。全編白黒で撮影されている。 ジョニーの感情を上手に表すことができないその態度に共感した。自分の後ろめたいことを見つめたり、自分が悪いと素直に認めたりすることを大人は子どもに強要する。「人を傷つける大人にならないでね
こんにちは。ぱるむです。 今回はイエール大学哲学教授のシェリー・ケーガンより「死」について考えていきます。 彼の講義は大学内で23年連続で「最高の講義」に選ばれています。 また、本書より抜粋し第10章と第12章の内容をふまえて考えていこうと思います。 「死」はなぜ悪いのか 一般に、「死」は悪だとされています。人間が死ぬとういうことは、単にその人の人格が入った器が壊れることであり、多くの複雑な機能をやってのける身体が動かなくなることです。 その人が自分の身体の死後も存在し
こんにちは。ぱるむです。 年末年始は人間関係がうまくいかず、全く関係のない方々へも多大な迷惑をかけてしまったことを深く反省しております。本当に申し訳ありませんでした。 社会人になると、例外を除いて仕事に私情を持ち込むことが許されません。 もう子供ではないので、24年は自分を鼓舞していきたいとおもいます。 本当に申し訳ございませんでした。 人と深い関係を築くとき、といってもほとんどの場合無自覚なので「築くとき」という表現がしっくりこないのですが、両者は大きな信頼によって結ばれ