ちっぽけな世界
歩道橋の上からは世界が見渡せた。
いつもの公園と団栗の森、時計台に図書館にあの子の家の赤い屋根。
それが僕の世界の全てで、大人になればもっと色んなものが見えると信じていた。
歳を重ねる程見えなくなるものもあるなんて知らずに。
歩道橋に上るたび想う。
錆ついた手摺はまだ、そこにあるだろうか。
歩道橋の上からは世界が見渡せた。
いつもの公園と団栗の森、時計台に図書館にあの子の家の赤い屋根。
それが僕の世界の全てで、大人になればもっと色んなものが見えると信じていた。
歳を重ねる程見えなくなるものもあるなんて知らずに。
歩道橋に上るたび想う。
錆ついた手摺はまだ、そこにあるだろうか。