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改善のコツは「面倒くさい」を本能としてあつかうことだと思う。

 組織で何か改善しようとする時、「面倒くさい」を勘定にいれておかないと痛い目をみる。たった数個の入力、たった数歩、これを読むだけ、これが面倒くさい。そもそも自分がやりたいわけじゃないし……、新しいことが、面倒くさい。

 改善する人は「その後」の世界を見据えている。「良くなる」と思えばこその改善である。しかし現場は思ったようには動かない。「たった、これだけなのに、やってくれない」。腐ってるように映る。怠惰、怠惰、怠惰。そうして改善する人も心が折れていく……。

 運動が人生の改善になると、知識はあるのにやらない。まさに自分のようである。たぶん、面倒くさいは本能なのである。

 だから、改善の一番の難所は「現場の面倒くさい」になる。

 人は見たいものしか見えないし、聞きたいことしか聞かない。これは「仕様」であるらしい。だから、興味を湧かせることができないのなら、見もしないし、聞いてもいない。

 人は自分を重要人物として扱って欲しい欲求をもっている。これも「仕様」らしい。だから、事前に知らせておかないと「俺は聞いていない」とヘソを曲げる。

 さて、彼らは今までずっと怠惰だったのだろうか。話を聞いていくと「出る杭は打たれる」、「手を挙げたら負け」、どうせ、どうせ、どうせ。無駄、無駄、無駄。どこかで心を折られた形跡がある。

これを「学習性無気力」というらしい。なんと悲しい学びなのか。

学習性無気力」は、繰り返しの失敗やストレスに直面した結果、自分が状況を改善する力を持っていないと感じる心理的状態を指します。この概念は、マーティン・セリグマンの実験に基づいており、犬が避けられない電気ショックを受け続けた結果、後に避けられる状況でも無力感を示すようになったことから提唱されました。人間でも、持続的な困難や失敗経験により、挑戦や改善の努力を放棄し、受動的な態度を取ることがあり、これが「学習性無気力」と呼ばれます。

chatGPT解説

 だから、「改善」という上からの目線ではなく、現場の面倒くさいを取り除く視点が重要だと思う。「もっと楽に仕事しましょう」「こんな面倒くさいこと止めてしまいましょう」。上昇志向ではなく、下降志向に見せかける。

 実際のところ、現場は面倒くさい事を数多くやっている。概ね、上にあげる報告書の類である。それらを紐解き、全体像を描く。新しいことだけを始めるのではなく、無駄になったものを止める。「2を止めて、1を始める」このイメージ。1度目で楽になる実感をつくり。2度目で楽になった経験則をつくる。楽を積み重ねる。

 つまり、変化に慣れさせる。「変化=良いかも」に認知をズラしていく。そして「自分たちでも、できるかもしれない」を呼び覚ましていく。

 だから、改善する人は当面の間は手柄を放棄しないといけない。華を現場に。そんな心構えが必要になってくる。忍耐できるように、より大きな目標をもつ必要もでてくるだろう。

面倒くさいを本能としてあつかう。
楽になる、やりたくなる、自分たちでもできるかも、やりたい、やろう。

改善のコツは「2を止めて、1を始める」。
まずは、面倒くさいを味方にしよう。


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