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根っこにあるもの
作品を読んでいて、ときおり、こんなにも、感情がゆさぶられるーーというより、涙が出てくることがあるのは、なんなのであろう。
何かに、共感をしたのであろうか。
何かに、反応をしたのであろうか。
自分の根っこにも、そんな気持ちや心があるのだ、と。正直に驚く。
きっと、根っこにあるそんな何かが引っ張られて、涙につながるのだ、と。
こんなに、涙が出たのは久しぶりであった。自然とこぼれるなんてものではなく、感情が抑えられず、止められなかった。わなわなふるえているのがわかり、溢れてくるものに声が漏れ、顔が歪む。思わず、その本を閉じて、置いて、しばらくそれに身を委ねた。
何に、そんなに、引っかかったのかは、正直わからない。けれど、理性とか頭とかではなく、心が、魂が、その表現を受けた結果、感動、したのだ。
あぁ、やっぱり、本って、おもしろいなぁ、と。
そんなとき、そんな出会いに、より強く、そう思う。
そんな表現に出会うたび、私も、私にも、それを感じる心があるのだ、と。それもまた、安心する。
冷たい、無機質なだけではなく、その熱、温かな、流出が生まれてくるのだ、と。
生きている、まだ、生きている、と。
そう思える。
そんな表現たちに感謝もし、そんな表現が伝えられたら、と。
そんなことを、思う。
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