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「死にたい」は「生きたい。でも、どうやって生きていけばいいのかわからなくて、つらい」だからこそ、寄り添う
2025年のお正月は、小5の次男が「死にたい」「つらい」と言いながら過ごしました。こんなお正月は初めてです。祖父母の前では言いませんでしたが。でも、息子が生きていること、サポートする子どもが目の前にいることにいることに感謝して、一緒に乗りきることを覚悟した年明けでした。正月早々暗いテーマで書くのを一瞬ためらいましたが、「命にかかわる大切なこと」だと思い書いています。
我が家の明るいニュースといえば、不登校歴3年半の中3長男の進学先が決まったことです。自分で見学に行っていいと思った、単位制通信高校です。もっとうれしいのは、弟をフォローできるまでエネルギーが戻ったことで、今回の弟の件でかなり助けられています。
次男の話に戻りますが、みなさんは「死にたい」と思ったことがありますか?私自身は思ったことがなく、子育ての中で「死にたい」という気持ちを受けとる立場になりました。次男の「死にたい」という状況は1ヵ月ほど前から続いています。
次男の背景としては、4年前に起こった長男の不登校が原因で、次男も調子がくるってしまい、低空飛行が続いていました。まる1学期間全く学校に行かないこともありました。小4は1年間別室登校です。小5の7月に自分の教室に行けるようになって「やっと戻ってきた!」と思っていたんです。
つづく夏休みに、友達が所属するチームでソフトボールを始めたのですが、土日とも練習や試合があるチームで、がんばりすぎていたのでしょう。急に糸が切れたようにおかしくなってしまいました。
次男は大谷翔平選手に憧れて、夫にグローブを買ってほしいとお願いして、親子でキャッチボールをすることがありました。好きなことを仲間とできることがうれしいようでした。チームメンバーも監督もコーチもス素敵で、誰も何も悪くない。しかし、メンタルダウンしてしまいました。
ふり返ると、私のコミュニケーションがきっかけで息子の調子が狂い、試合に行けなかったことが一度ありましたが、初めて「死ぬ、死ぬ。おれ、絶対に死ぬから」と言ったのは、日曜日に2時間の練習予定が4時間に延長されて帰ってきた日の夜でした。家を出る前に「帰ってきてから宿題やるわ!」と言っていましたが、予定が変わり、調子が狂ったのでしょう。
また、私が「ソフトボールはチームプレイだから簡単にやめられないよ」というスタンスだったので、本人が頑張りすぎていることに、気づいてあげられなかったと思っています。
冬休みにゆったり過ごしたら死神が去っていくと思いきや、今までになく重症の様子。いまだに毎日「死ぬ」と言うし、小学校に入って以来初めて、お正月明けにもかかわらず冬休みの宿題を一切していません。
子育ての一幕として、記録に残したいと思い筆を執っています。この1カ月間、「死ぬ」という次男に対して私が本能的にやってきたことをご紹介します。
また、別の記事でご紹介したいと思いますが、休み明けに病院が開いたら、児童精神科医に相談をして、次男を「死にたい」から救い出すサポートについて話しを聞いてこようと思っています。
1.「死にたい」と言う息子を放置しない
まず最初に「つらい」「死にたい」と言われたら、放ったらかしにしないことにしています。「つらい」「死にたい」気持ちでいることを受け取ります。多いときは1日1000回くらい言われましたが、言葉と態度で返しています。回数は多い日も少ない日もあります。
どんな言葉をかけるのか。次男に「イエス!」と言われたら、「エヌ・オー ノー」(と言って腕でバッテンする)「〇〇に死なれたら悲しくて生きていけない」「〇〇が生まれてきてくれて、出会えて本当によかった」「今日も死にたい気分なんだね。いつか分からないけど、つらい気持ちから抜けだすときが来ると思う。一緒にいるから。支えるから」などと、ひとりではないことを感じてもらい、生きる世界に引き戻すようにしています。
2.「死にたい」気持ちを忘れる時間をつくる
死神を息子から追い払うために私がやっていることは、子どもと一緒に遊ぶこと。外に出たがらないので、本人に何をしたいか聞いて、トランプやUNO(カードゲーム)や室内でキャッチボールなどをしています。年末に1泊2日で大阪から名古屋まで次男とふたりでグルメ旅に出かけましたが、何かやっていると気が紛れていいですね。
一番救われるのは、オンラインで友達とゲームを以前と同じように続けていること。扉の向こうからおしゃべりや笑い声が聞こえてきます。仲のいい友達です。ひとりはクラスの友達で、ふたりは保育所からの友達です。不登校でも「友達」がいるのはありがたいことです。我が家はずっとゲームや動画は時間制限していません。没頭している間は、「死にたい」という気持ちを忘れていると思います。
3.評価やアドバイスはしない
そもそも次男はこちらがしてほしいことを言うと「指図せんといて!」とはっきり言ってくる性格で、大切なことを気づかせてくれました。評価やアドバイスは親目線で、一番大切な子どもの気持ちを汲んでいません。色々な言葉がけを試みてきましたが、アドバイスは言葉が届かないどころか、事態を悪化させ、解決までの時間を延ばすように感じました。
今は、本人の今の気持ちを受けとるコミュニケーションを心がけています。ついついアドバイスをしそうになりますが、現状や今後のことについて、口に出さないでおこうと決めました。そして、一日のうち心も空間も一緒にいる時間を作ることで、「死ぬ」気持ちが和らげばと願っています。
「死にたいと思うくらい、つらいんだね」
「今日もまだつらい気持ちがつづいているんだね」
「〇〇が決めたらいいから。ママはどっちでもいいよ(3学期に登校するかどうか、ソフトボールの継続について)」
というような言葉をかけています。
4.相談できる人に相談する
さすがに私も、次男の「死にたい」が続くとしんどいので、来週はじめて児童精神科医の先生にお会いして、相談してこようと思っています。次男を救いたいのはもちろん、「死にたい」と思う人への理解が深まり、年齢に関係なく「死にたい」と思っている人へ適切な声掛けができる人になりたいと思っています。
また、夫とは毎日色々話をするようになりました。この1ヵ月の間、結婚してから一番夫と話をしているように思います。話すことで、事態を客観視できることが大きいと思います。次男の心に寄り添うコミュニケーションを始めてから、夫にも長男にも他の誰にも、心に寄り添おうとするようになったのは、良かったと思います。
書くことや話すことにはストレス解消というか、セラピー効果があると感じています。私自身が心身のストレスを貯めこまないようにしたい。2025年は今まで以上に書いて人と交流して、ストレス耐性が強い人になりたいと思います!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
本年もよろしくお願いいたします!
(参考:子どもに「つらい」「 死にたい」と言われたら 専門家が解説https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/R7Y6NGLJ6G/blog/bl/pkEldmVQ6R/bp/pNlEJogr6y/)
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