五島美術館(東京都世田谷区・上野毛駅/近代の日本画展)
もはや個人的には常連のような気持ちになっている五島美術館。最寄駅の上野毛駅からの順路も一通りの行き方を網羅するまでに道を覚えてしまった。今回の五島美術館では収蔵している日本画の企画展として「近代の日本画展」を開催。横山大観、下村観山、川端龍子、前田青邨といった代表的な近代日本画家の作品が展示されている。
建物入口から正面に庭園への入口を見て右側が展示室1。こちらでは人物表現を中心として明治から昭和にかけての画家の日本画を紹介している。荒木寛畝にはじまり、富岡鉄斎、小川芋銭などが紹介されている。横山大観と安田靫彦のそれぞれの『達磨』を見比べてみるのも面白いかもしれない。川合玉堂『焚火』の煙感もさることながら、鏑木清方『雪』のちらつく雪の美しさ、寺崎広業『夏のひととき』の色気など見どころはたくさん。上村松園も『月下佳人』など安定して美しい和装の女性を描いている。中心にあるガラスケースでは宇野雪村が所有していた硯や墨のコレクションが揃っている。あまりにも造形が美しい硯や墨の数々、どうやって墨を摺るのか、もったいない気持ちにさえなる。
入口へ戻ってもう片翼、左側にあるのが展示室2で、こちらでは棟方志功をはじめとした民藝運動の人物たちにスポットを当てた作品を紹介している。五島美術館の五島慶太が友人の紹介により棟方志功の作品を見ると一気に一目惚れ。そこから棟方の創作活動のために援助を惜しまず、また棟方も多くの作品を五島のために作っている。また併せて民藝運動では絵を主に描いた棟方に対し、陶器を手がけていたのが河井寛次郎と濱田庄司の作品も紹介されている。
トイレはウォシュレット式。前回の庭園でしばらく治らないほど壮大に転倒したことがあるので今回は非常に慎重に庭園を歩く。少し地面が濡れており、また二の舞になるのを防ぐため今回は庭園散策はほどほどに。またいつか近いうちに来る日を誓うのであった。なお本館および限定公開されている庭園の茶室「富士見亭」「古経楼」が国の登録有形文化財として指定されている。昨年だったか茶室もなかなか眺めが良く見応えがある。この時期に1日だけ公開されるようなのでチェックしてみると良いかもしれない。
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