#12「コンビニ外国人」
「Naoto's Library」にお越しいただきありがとうございます。
週に3冊程度、多いときで4冊程度の本を読んでいる僕の気づきや学びをぽつらぽつらとこぼしていきつつ、「誰かのためになればいいな」という想いで「Naoto's Library」を運営しております、なおとです。
また、「Library」ということで、こちらの記事を読んでいただき「実際に読んでみたい!」という方は、無料でお貸しいたします。
無料配送でのレンタルも承っています。
詳細は最後に記載しているので、そちらをチェックしてください。
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普段何気なく、接している「コンビニで勤めている外国人の方々」。
そんな彼らが、
・どんな思いで日本にやってきたのか?
・どんな生活を強いられているのか?
・どんな不安を抱えているのか?
について、リアルに描かれた一冊です。
私自身この本を読み終わった時に、もっと彼らに対して「『ありがとう』という感謝の気持ちを持たなくては」という気持ちに駆られました。
そんな「コンビニ外国人の方々」のリアルな現状を描く、一冊をご紹介します。
1.内容
「グローバル化、ダイバーシティ推進が進んだとはいえ、まだまだ私たちは、外国人のことを理解していない。」
全国の大手コンビニで働く外国人店員はすでに4万人超であり、実に20人に1人の割合。ある者は東大の大学院に通いながら、ある者は8人で共同生活をしながら、日本で生活をしている。
そのような事実があります。
丹念な取材で知られざる隣人たちと日本の切ない現実と向き合い、そのリアルを垣間見ることのできる1冊です。
2.読もうと思ったきっかけ・目的
・私自身、外国人雇用への興味関心が高く、深く理解してみたいと思ったため
・普段何気なく接している、コンビニで働いている外国人の方々について更に理解を深めたいと思ったため。
3.ナレッジ
・全国のコンビニで働く外国人は2017年に4万人を超えた
・留学生の場合、出入国管理法により就業時間は「原則的に週に28時間まで」と労働条件の上限が決められている
・日本にいる約27万人の外国人留学生のうち、「アルバイト」をしているのは、約26万人。ほぼすべての外国人留学生がアルバイトをしている。
・全247万人の外国人のうち、1位は71万人の中国人、2位に45万人の韓国人、3位に25万人のフィリピン人、そして4位には近年その数値が急上昇しているベトナム人
引用元:芹澤健介(2018年)『コンビニ外国人』新潮社(P.35)
・技能実習制度では、これまで最長3年間だった実習期間が2017年に、5年間に変更された。
4.気づきや学び
・外国人の方が日本に留学に来る理由「学びながら働ける」
→というのも、アメリカやイギリスは「学生ビザでのアルバイトが禁止」であり、カナダやフランスもアルバイトは20時間まで、韓国は就学後半年以降からなど、規則が割と厳しいのに対して、日本では「週に28時間(夏休みなどは40時間までOK)」という比較的緩い規則がある。こうした背景から、「学びながら働ける」という点において、日本を選ぶ外国人留学生が多いようだ。
・身近なもののほとんどが外国人に頼っている(おにぎりの例)
→おにぎりを買ったレジのスタッフ、その数時間前に工場から運ばれてきたおにぎりを検品して棚に並べたのも別の外国人スタッフ。さらに数時間前、おにぎりの製造工場で働いていたのも、60%~70%が外国人。日本語がほとんど話せない彼らをまとめて、工場長や各部署のリーダーからその日の業務内容を伝えるスタッフも別の会社から派遣された外国人通訳である。そして、「いくら」や「おかか」や「海苔」の加工工場でも多くの技能実習生が働いている。さらにその先の米農家やカツオ漁船でも技能実習生が働いている可能性が高い。
これはほんの一例だが、外国人の方々に頼っている生活をしていてもそれがなかなか可視化されない部分もあるのだ。
引用元:芹澤健介(2018年)『コンビニ外国人』新潮社(P.31)
・外国人留学生は大変な生活を強いられている
→上にあげた通り、週に28時間のアルバイトの収入で、高い授業料や高い家賃を支払わなくてはならない現状がある。実態として、8人で家賃12万円程度の家を借り、シェアハウスをしたりするなどといった生活を強いられているケースも多い。
・ベトナムは空前の日本語ブーム
→2016年からは日本語を第一外国語として教える小学校ができたほど。
この背景には、ベトナム政府の「日本語を話せる人材を増やすことで、日本との経済的なつながりを強固にすることや現地の日本企業での雇用拡大を促進する狙い」があるとされる。
・日本政府の外国人の受け入れ制度
⑴経済連携協定(EPA)による看護師・介護福祉士の受け入れ
→協定を結ぶ東南アジア諸国から介護や看護の人材を受け入れ、国家試験に合格すると日本に定住できる制度。
⑵外国人技能実習制度
→外国人が日本企業や農家などで働いて習得した技術を「母国の経済発展に役立ててもらう」という目的で創設された公的制度。つまり日本が国際貢献するために作られた制度である。
しかし、政府が介護に関して、技能実習生が介護福祉士に合格した場合は無期限で働けるルールを定め、本来の「母国の経済発展に役立ててもらう」という技能実習制度の目的から逸脱しているとして批判を集めている。
⑶高度外国人材ポイント制
→外国人のホワイトカラー人材に対して、年収や職歴などからポイントを設けて、それが70点以上であれば、出入国管理上の優遇処置を与える制度。
⑷国家戦略特区による外国人の受け入れ
⑸留学生30万人計画
・沖縄で外国人留学生、特にネパール人留学生が増えている
→理由「⑴東京などに比べて授業料が安い⑵のんびりできるイメージがある⑶英語が通じやすい(米軍基地が多いため)」
・外国人留学生の多くは日本での就職を望むがそれがかなう人は少ない
→日本学生支援機構によると、外国人留学生の64%がそのまま日本での就職を望むのに対し、実際に仕事が見つかるのは約30%程度に過ぎないという。
考えうる理由として、「⑴SPIや面接での質問が難しい⑵エントリーシートを手書きで書くのが難しい⑶スーツや革靴、交通費などにお金がかかる」が挙げられる。
・実習生の失踪問題について
→昨今テレビなどでも話題になるこの失踪問題について。
「⑴現地で背負った借金を返すことができず、より単価のいい仕事を求めて疾走してしまう⑵日本語がうまく話せないこと」が主な理由のようです。
・日本語学学校の教員の給与問題
→あまりクローズアップされていないこの話題。日本語学学校の日本語教師の割合は、業界全体で非常勤が約70%、専任(常勤)が30%と言われている。給与面では、専任の方でも手取りで20万円程度の人も多く、また、非常勤講師の方だと1コマ1600円~1800円程度で1日平均3コマ、週に15コマ程度持つのがやっとのため、生活が苦しい状況に陥るケースが多い。
※ST比:教員(T)1人あたりの学生(S)の数のこと。この数が少ないほど、きめ細やかな教育ができているとされる。
法務省はこのST比が40以下になるように求めているが、2017年時点で100を超える学校もあるのが現状。
・留学生ビジネスは儲かる、だからこそ横行が発生しやすい
→上にあげたように留学生から高い学費を取り、日本語教師を使い捨てのように雇い、一部の経営者だけが甘い蜜を吸っている状況。
・近い将来、日本に来る外国人は減っていく。
→なぜなら、「学びながら働ける国」として魅力的だった日本の経済が後退すれば、当然コンビニでアルバイトしていたような留学希望者が日本を目指す理由がなくなるから。同時に、「外国人技能実習制度」を使って入国していた人たちはもっと景気のいい国を選択するからだ。
5.さいごに
冒頭でご紹介した通り、『Library』ということで、こちらでご紹介した本は無料でレンタルいたします(無料配達も承っております)。
お貸しする本の文中には、大量のマーカーとメモが記されています。
そんな世界に1つしかない本を通じて、希少性の高い気づきを与えられることでしょう。
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