地獄の底で見たものは~Audibleに思う
Audible37冊目読了(聴了)
地獄の底で見たものは 桂望実 ☆☆☆
平凡な50代の主婦が平凡な夫に「好きな人ができたから」と離婚を告げられる。
新規事業を軌道に乗せて、出世も考えていたアラフィフ主婦が仕事ぶりを全否定されて、やむなく独立を目指す。
元水泳選手の女性がコーチとなったが、教え子に逃げられ、職を失う・・・。
長年続けたラジオ番組を突然降板されて、収入ゼロになったアラフィフ女性フリーアナウンサー
などなど、地獄を見た女性たちの起死回生の4作の短編集。
終わり方が爽快といえば爽快だが、この4作は男女問わず、よくある話だ。
同僚の裏切りやアラフィフの突然の離婚、訳ありの降板など、ネットで探せば嫌ってほど出てくる。
かくいう私もいくつか思い当たる事もある。
長年生きていれば、誰でも何度か地獄は見る。
要はその後、どうやって這い上がり、どういうプロセスで修復、再建していくかの部分を問われるわけで、そのプロセスの部分が丁寧に描かれていた。
が・・・
この小説も「読み手」の女性の声が入ってこなかった。
ググってみるとこの読み手の方は、有名な声優さんらしくて、かなり評価も高い。
何度も書いているけど、落語家と同じで、聞き手の好みの部分も大きく、その辺がAudibleの課題なのだ。
36冊目に読んだ、ツバキ文具店の読み手だった、多部未華子さんについて、私は絶賛していたのだが、これも好みで、きっと合わない人もいるんだろう。
通常の読書と決定的に違うジャンルと感じるのは、やはりココなのだと思う。
ただ、私は今後もAudible生活を続ける。
なぜなら、こんなに時間を有効活用できるエンターテイメントはないと思うから。