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定食屋「雑」~Audible53冊目
定食屋「雑」 原田ひ香 ☆☆☆☆
しょうゆ、めんつゆ すき焼きのタレを駆使して???営む雑な定食屋「雑」
ただこの店の「雑」は「雑のざつ」が語源ではなく、ちゃんとした名字からとっていたんだけど、そのうちに一文字が看板から消えて、「雑」と呼ばれるようになったという、地元民に愛されている定食屋だった。
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今年は原田ひ香さんの作品を沢山読んでいる。
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料理小説が好きなのもあるけど、心の中でこういう作品を渇望している自分がいることも事実。
でなければ、好んで作品を選ばないだろう。
もっと美味しそうに、品良く、美しく描く小説家は他にもたくさんいるだろう???
原田ひ香さんの作品はそういう感じではない。
誰にでも作れそうで、でもそこには愛があって、ホッコリとした料理を描く。
この作風で勝負している小説家も少ないのではないか???
この定食屋「雑」もそういう原田ひ香作品の真骨頂といってもいいだろう。
出てくる人々やその描写が、出てくる料理のスパイスや隠し味となっているのだ。
一昔前は小説家の「原田」といえば「原田マハ」さんだったのだけど、今年、それもAudibleに変えてから、すっかり小説家の原田さんは、マハさんからひ香さんに変わってしまった。
さて、5月からAudible53冊目を聴了した。
年内に54冊目が読めるか微妙な状況になってきたが、目標の50冊は超えたので、もうどっちでも良い。
実に豊かなAudible生活が定着したことが、何よりも良かったし、生活の潤いとなっているのだから。