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いつか月夜~Audible58冊目
いつか月夜 寺地はるな ☆☆☆☆☆
父を亡くし、不安で眠れない夜を過ごしてた實成は夜に散歩をはじめる、そこで会社の同僚の塩田さんと塩田さんの「元娘」と出会い、用心棒代わりに3人で歩くことがルーティンになる。
夜の散歩を続けていると實成の元カノ、元カノのマンションの管理人と散歩のグループは5人になっていた。
「夜に歩く」という事により、それぞれの歩く理由がほどかれていく。
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実は私も13年ほど前に不安な事があって、夜の公園を走っていたことがある。
その前は早朝に走っていたので、夜に走るという行為は何だったんだろうか???と、今さらながら考えてみた。
眠れないから歩いたり、走ったりして、気を紛らわせていたのかもしれない。
夜の公園にはいろんな人がいた。
それぞれの人が悩みや気を紛らわすという事だけで歩いたり、走っていたわけではないと思うが、この作者の書きたかった事が、聴き初めて30分くらいでわかった。
物語は関西弁で、實成はとてもマジメで好感度の高い青年だ、そんな實成を中心に、ただ夜に歩くということで、みんながそれぞれの悩みや心の疲れを癒やしていく。
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何か、おおきな展開があるわけではなく、その辺の公園に、本当に存在してそうな人々が淡々と日常を送っている風景を描いているんだけど、その淡々とした姿がなぜか心に刺さった。
☆5つ付けたが、この小説で何か大きな展開が起きるようなら、☆4つにしたかもしれない。
メリハリだけが良い文章ではないのだから。