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今日の買物#8 季節を感じる買物

残暑厳しい中、秋のビール
8月お盆過ぎると夏の暑さは残暑と言いますが、最近も35度超えの真夏のような暑さが続きます。そんな中、近所スーパーマーケットで秋シーズンのビールが発売されていました。ビールのとなりを見ると、秋リンゴ、秋ぶどう、秋梨の秋シーズンの果物系のチューハイも売っています。「えー、まだこんなに暑いのに、お酒売り場は秋なのか!」とギャップを感じてしまいます。スーパーマーケットの売り場は、果物などの季節の移り変わりで季節を感じることはあります。年初から3月頃までのイチゴ、その後チェリーやオレンジ、ぶどう、びわ、6月頃から桃、そしてスイカ、夏の終わりが見え始めると梨、そしてまたぶどう、秋のはじめ頃からりんごが登場し、冬に向けてみかんと、売場の移り替わりから季節を感じることができます。これは自然の流れそのものですが、残暑厳しい折に、秋ビール、秋果物チューハイは、ガツンと強烈な意識転換を迫ってきます。

季節の先取りマーケティング
秋ビール、秋果物チューハイは、季節の先取りということなのでしょう。季節の先取りは、ファッション、アパレルにもあります。秋ビールが出る頃に、ファッション売り場は、夏物から秋物に様変わりしています。まだまだ暑いからもう一枚Tシャツを買っておこうと思っても、夏の盛りの売り場と違って、種類も品数も減っていて秋物に押されています。「あー、ちょっと遅かったか」と買物をあきらめることもあります。季節の先取りはマーケティングのオーソドックスな方法だと思いますが、行き過ぎもどうなんだろうと思ってしまいます。特に昨今の季節感の実態とはちょっとずれているように買物していると感じてしまいます。果物や野菜などの自然物との違いを感じてしまうのです。

都市生活で季節を感じる買物
豊かな自然の中で暮らしていれば、季節の移り変わりは自然が教えてくれます。草木の葉が生い茂る様子、鳥や虫の声、吹く風の温かさや冷たさ、雨の降り方など。しかし、都市で生活していると、自然は身体で感じることが難しい。気温の上がり下がりはわかりますが、「身体」というより、TVやインターネットの気象情報などの「情報」を得て知ることが多いのではないでしょうか。そんな中で、買物は「身体」で季節を感じる数少ない手段なのではないかと思います。スーパーマーケットの果物や野菜売り場で、一年を通して買物を続けていれば、売りモノの移り変わりから、季節の移り変わりを「身体」で感じることができます。

都市生活の中で、「季節の移り変わりを教えてくれる」という買物が果たしている役割を考えたとき、ビールもファッション、アパレルも、できることがあるように思います。買物の場で、自然物のように季節の移り変わりを感じてもらうためのコンセプト開発、商品開発、シーズン商品の売り出しのタイミングに焦点を置いたロジスティック体制など、自然に近づくための生産や販売の仕組みや体制が構築できれば、都市生活の買物はもっと豊かなものになると思います。現代の大量生産、全国流通、大量販売の仕組みの中では厳しいのかもしれません。特定エリアの地産地消の仕組みの中であれば可能かもしれません。どこかに絶妙に季節の移り替わりを教えてくれる買物ができるところがあれば知りたいと思います。そんなところあるのかな?なければ作ってしまいたいと、買物しながら思いました。

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