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28:最終目標と現在の活動

 Bonjour!

 日本は寒くなって来た頃だと思いますが、ベナンは日に日に日差しが強く暑くなってきました。

 よって土日は家から出ても夕方の買い出しのみ。以下の写真たちは最近の買い物時に撮影したものです。

巨大トラックの袋の中は「ガリ」=キャッサバの粉
キャッサバはベナンの主食の一つ


 いろいろ投稿してきましたが、現在どんな活動をしているか記載していなかったので、要請内容と任期中の目標を含めてここに残しておきます。

 ①要請内容

 「ベナンでは、2007年の初等教育無償化により就学率が大幅に改善されたが、教員の質や指導技術にはまだまだ課題があり、児童の学力向上が思うように進んでいない。近年では、幼児・初等教育省とJICAとの間で締結した覚書に基づき、情操教育(図工・体育・音楽)や算数・理科の授業改善に取り組む隊員が派遣されてきた。その成果として、隊員が作成した図工指導書が教育省に認可され、教員向けの研修会で活用されるなど好評を得ている。またJICAの教育プロジェクトで作成された算数ドリルの導入による学力向上にも期待が高まっている。今回、初代隊員として教員向けに研修を実施する隊員の要請が挙がっている。」

 上記が私の要請内容です。

 調整員さん(日本人のJICAベナン支所スタッフ)が調査して隊員が派遣されるまでに2年ほど時間を要します。

 派遣前訓練では「要請内容はあってないものだから好きなように活動すればいい」「ちゃんと要請を調べられずに過去のものを丸写ししている場合もある」と教えられました。

 実際行ってみると要請内容と求められていることが全く違うこともよくあるようです。

コートジボワール料理のアチェケ🇨🇮
ガリ、マメ、パスタ+魚
これで100円!魚も美味しくて嬉しい!


 
 ②任期中の目標

 「小学生の算数の基礎学力の向上」です!

 任期が終わってからも先生方に「続けたい」と思ってもらえるような授業=持続的な活動をしないと意味がありません。

 よって先生たちが学校を移動してもそこの学校に技術を受け継いでもらえるようなシステムを作ることが最終目標です。

 また、教育省に表敬訪問に行った際「情操教育に力を入れたい」と言われました。

 体育や図工、音楽などの教科は行われていないことが多いため、国の意見も理解できます。

 しかし、高学年でも手を使わないと2+5が出来なかったり、2の段までしか九九が言えなかったりという現実を目の当たりにする中で、「情操教育よりも最低限の基礎学力が大事」だと考え、算数の授業に絞ることにしました。

アチェケ屋さんはこんな感じ
お客さんがいるお店は基本お腹壊さない!


 ③現在の活動

 どんな活動をするにしても、ベナンの学校や子どもたちの学力を知る必要があるため、現在は複数の小学校を巡回しています。

 私の任地のKétou市はとても広く、200校ほどの小学校がありますが、ナイジェリアとの国境付近やブードゥー教(ベナン発祥の宗教)の森に近づく事は危険とされており、私が1人で巡回できるのは街の中心部=直径4キロにある4校のみです。

 小学校では授業中は机間指導を行い、授業後は先生にお礼と授業の感想を伝えています。

市場じゃない日の市場は誰もいないし何もない

 
 また、協力隊にはCP(カウンターパート)といって活動を共にする現地人のパートナーがいます。

 しかし私にはCPがいないため(ベナンの教育隊員はみんないない)、一緒に活動をしてくれる先生を探している段階です。

 どの先生も「現地語が複数あるから」「物がないから」と子どもの学力を自分以外のせいにしている方が多いです。

 確かにそれも学力低下の理由の一つです。

 一方で「この先生の授業いいな!」と思うクラスの学力は高い傾向にあります。

※高いと言っても4年生で3の段が言えるレベル

 だからこそ、先生たちにやる気になってもらうためにも、楽しくてすぐ結果に結びつくような授業を提案しないといけないなと思っています。

 今のところ
・10の合成(10は1と9、2と8...)
・10のまとまり(30は10が3つ)
・繰り上がり無しの足し算
・九九

 この4つを中心に活動していくつもりです。といいつつもいつから授業できるのか…。

 派遣前訓練では「焦っても空回りするだけ。基本最初の半年は何もできない。」と言われたこともあり、今は少しずつゆっくり活動が進んだらいい方だなと考えています。

 彼らに伝えたいことはたくさんありますが「彼らから学ぶ」という姿勢はこれからも持ち続けていきます。


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