最後の住人たち
戦時下のフランスで逃げ遅れる、"最後の住人たち" の立場は、どの国でもいつの時代でも変わらない気がする。
遠藤周作の「海と毒薬」で未婚の看護師は
戦時下、ひとりで部屋に寝転んで
本当に戦争が起きているのかどうか考える
彼女と戦争は、まるでまったく関係がないみたいに。
人は、自分がこの "最後の住人たち" になるのを恐れる。
本当に怖いのは持っているものを失うことなのか。
だけど自分がこの"最後の住人たち"なら
戦争などまったく怖くないだろう。
※引用、Anthony Doerrの本作は2015年ピュリッツァー賞受賞作。第二次世界大戦下のドイツとフランスを描く。