子どもの体力どう伸ばす?
本業
元教員視点からの記事が多いのだけど,本業の視点からも記事を書いてみる。
子どもの運動に関する記事もあるのでそちらも参照
現在子どもの体力レベルは過去最低レベルになっているが,ボクが思う原因は単純に身体を動かす時間が少ないことである。
一昔前は川で遊んだり,山で遊んだり,木の枝を道具にしたり,ボール遊びをしたり,様々な方法で身体を動かしていた。
現在は様々な遊び方が増え,または場所が減り,そういった身体を動かすことが少なくなってきているのが原因なのは明らかである。
では,そんな現代の子どもたちの体力を伸ばすにはどうすれば良いのだろう。
元教員から,現在はヘルスクリエイターとして健康を届ける仕事をしているが,そのなかに子どもたちに対してトレーニングを行うレッスンなどもある。
子ども向けのトレーニングレッスンで行うことは主にコーディネーショントレーニングと言われるものである。
子どもの体力を伸ばすにはコーディネーショントレーニングを行うことが大切である。
コーディネーショントレーニング
コーディネーショントレーニングとは,神経に刺激を与えるトレーニングのことを指し,脳と身体を連係させて身体を思い通りに操作する能力を身に付けるトレーニングである。
俗にいう「運動神経が良い悪い」と言われるものである。
そういった能力をコーディネーション能力という。
以下のような能力を身に付け,お互いの能力が協同することで思い通りに身体を操作することが可能になる。
定位能力
相手や味方,ボールなどと自分の位置関係や距離を把握する能力
反応能力
合図に対してすばやく正確に対応するの能力
連結能力
いくつかの異なる動作をスムーズにつなげる能力
識別(分化)能力
用具を操作する能力
リズム化能力
目で見た動きを真似したり,イメージを表現したりする能力
バランス能力
体勢が崩れたときに立て直したり,姿勢を保持したりする能力
変換能力
状況に合わせてすばやく動作を切り替える能力
こういった能力は,神経系の発達する幼児期や児童期に様々な動きを経験することで身に付く。
トップアスリートのうち約6割は幼少期に2時間以上外で遊んでいたといわれている。
もちろん大人でもコーディネーショントレーニングを行うことで日常の動作が楽になったり,怪我の予防になったりする。
しかし,12歳くらいまでの間に様々な動きを経験させることでコーディネーション能力を身に付けることが子どもの能力を最大限に引き出すことにつながる。
すべての土台はコーディネーション能力
つまり,こういったすべての運動の土台となるようなコーディネーション能力が身に付いていないのに,いきなり技術は身に付かないということである。
例えば「逆上がり」という技は,
・鉄棒にぶら下がった状態で肘をまげて身体を支える筋力
・足を持ち上げる腹筋
・回るための回転感覚
・逆さになる逆さ感覚
・最後に身体を起こす背筋。
こういった能力が必要になってくる。
学校の体育の授業では,逆上がりのような技や技術を習得させようと取り組んでいるが,上記のような土台ができていないのに身に付くわけがない。
算数や国語は土台をつくる取り組みをするのに,体育に関してはそういった土台作りをしないで技術を教えようとしている。
九九ができない子に因数分解はできないのと同じである。
(極端な例だが・・・)
学校の体育
しかし,学校の体育の授業にもこういったコーディネーション能力を養う単元が実は存在している。
それが「体つくり運動」である。
「体つくり運動」で行う運動は,主にコーディネーショントレーニングである。
学習指導要領でもきちんと定められているにも関わらず,各学校はスポーツテストや,持久走,なわとび,レクリエーションなどを「体つくり運動」に置き換えてしまい,多くの学校できちんとした単元として行われていないのが現状である。
※持久走やなわとびも内容には入っているがそればかりやれば良いわけではない。
主に多くの先生方が,「体つくり運動」の内容を理解していないのが原因かもしれない。
コーディネーション能力が身に付いていなければ,ただ出来ないことにひたすら取り組む授業になってしまう。
それでは運動嫌いはますます増える一方である。
そして,子どもの体力レベルはますます下がる一方である。
まとめ
子どもの体力を伸ばすにはコーディネーショントレーニングを行うことが大切である。
コーディネーション能力を身に付け,身体を思い通りに操ることでさまざまな技術を身に付けることができる。
学校体育,スポーツ少年団,さまざまな団体,保護者のみなさん,
コーディネーショントレーニングで子どもの体力伸ばしてあげましょう。
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