今日、私は「こづち」を手に入れた。【こころをDIYするnote】
今日の午後、私は「こづち」を手に入れた。約30cmほどある。ちなみにロールプレイングゲームの話ではない。
持っているだけで「開運招福」しそうな「縁起物」。
そう、今日初めて自分のために「十日恵比寿神社」で参拝に出かけて、「縁起物」が大当たりしたのだ。
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福岡の「十日恵比寿神社」では、1月8日~11日まで「正月大祭」が行われて、一年間の商売繁昌、家内安全、交通安全、漁業繁栄などを願う人々が訪れる。
今日は1月13日。分散参拝を意識して少し遅めに出かけたら、屋台もなく、人も少なめの「十日恵比寿神社」でゆっくり参拝することができた。
今年は相方と仕事の予定を合わせられたので一緒にでかけることになった。思い出してみれば、去年は私の仕事が毎日23時までだったので気がつけば1月が終わっていて、一昨年は付き合いで極寒の中の大行列に並んで、足の感覚がなくなった思い出がある。
でも今年は自分のためにお参りをする。なんだか少し誇らしい気持ち。
参拝を待つ5,6組の後に並んで、ソーシャルディスタンスを守って前に進んでいく。全員が当たり前のようにマスクをしていて、お賽銭箱からも1mほどの離れたところに、立ち位置のテープが引かれている。去年の今頃はまだ、こんな光景は想像もしていなかった。
順番がきて、二礼二拍手をして、お願いすることは「仕事がうまくいきますように」。そして一礼。今年も一生懸命頑張ります。
そして今年は1月末まで「福引」ができるようになっていたので、初穂料を納めてくじを引く。
そして、引いた棒の先には「こづち」の文字。その棒をみた巫女さんが大きな声で「おめでとうございます!大当たりです!」と言ってくれて、こづちを渡してくれた。縁起物なので「大当たり」している人は多めのようだけれど、やっぱり素直にうれしい。
こづちは大きめでバッグには入らなかったので、しばらく手で抱きかかえるように持って歩いていて、すれ違う人の視線を感じた。
そのうち、自分がエコバッグを持っていることに気がついて、入れたのだけれど私のエコバッグはメッシュなので、こづちはほとんど丸見え。まだすれ違う人の視線は私の斜め下を見ている。
行きは電車だったのだけれど、一緒に来ていた相方が歩いて帰ると聞かないので、十日恵比寿神社のある「千代県庁口」から「天神」まで3駅分、明治通りを天神に向かって歩くことになった。
その途中で気がついた。「あ、前の職場がある。」
以前勤めていた職場は、明治通り沿いにある。そしてちょうど午後この時間帯は遅めの休憩に出ている社員がいるかもしれない。
そう思うと次第にドキドキしてきた。特に迂回する必要はないけれど、できればだれかに会いたくはない。会いたくないというよりは、思い出したいような思い出はない。
そんなことを考えているうちに、ついに会社の目の前の交差点まできてしまった。
悪いことをしているわけではないのに、目だけでチラっと会社がある方向に目をやる。すると、見慣れた人物が目に入った。
そこにいたのは、なんと同じ課で一緒に働いていた男性だった。
思わず、エコバッグを持つ手に力が入る。
でも、そこで気がついた。
「今、私はエコバッグに入れたこづちを持って、信号待ちをしている。」
なんだか、ちょっとおもしろくないだろうか。
まず、こづちを持って歩いている人なんて、ロープレの世界以外にどのくらいいるんだろう。そして、そんなこと、人生で何度あるんだろう。
そして、ゲーム上でモンスターを遭遇したかのような私の様子といったら…!
そんなことを考えたら、なんだか楽しくなって笑ってしまった。
自分の置かれている場所の見方を変えるだけで、ちょっとしたストレスなんて吹き飛んでしまう。
おそらくもう「こづち」を持ち歩くことはないとは思うけれど、心の中でこづちを持ち歩いていたいと思った。もしかして、私は今日、心の中に「こづち」を手に入れたといえるかもしれない。
そんなことを打っている今もつい笑ってしまう。おもしろいことって、1つ見つかると思いだすたびにおもしろい。ちょっと気持ちを楽にできる方法だと実感している。
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余談だけれど、天神ついて宝くじ売り場が目に入った。右手にはこづち…!
(これは、当たりそう!)
なんて、思った私が甘かった。明日600円を換金しに行こう。
今年も堅実に。おもしろく生きていこう。