思いつき短編:セントエルモ号の話し

この漁村を行き来している船、セントエルモ号は唯一の遊覧船でもあり、定期客船でもあり、一般貨物船でもある。

中学生の私はその船で向こうの街にある学校へ通っている。

すごいのは大きさだけでなく、泊まれるのはもちろん、食堂も完備されている。

意外にその食堂は船を利用する人以外にも人気で特にカレーライスが一押しメニューだ。

毎週、土曜学校の帰りに昼ご飯をそこの食堂でカレーライスを食べるーーーーーーーーー


村から街までは片道1時間半、往復だと3時間かかる

今日は土曜学校の日だったので現在、船に乗って下校中。

食堂で幼なじみとランチタイムをしている。

いつも同じくカレーライスを頼んだ。



ランチタイムを終えて直ぐに私は睡魔に襲われた。

どうして食事の後はものすごく眠くなるのだろうか。

私達は待合室に移動した。

私はベンチを見つけるとそそくさと横になり幼なじみに着いたら起こしてと告げ、眠りにつく。

次に意識が戻ったのは私がベンチから落ちて全身に衝撃を受けたときだ。

何が起きたのか把握できずに周りをキョロキョロ見るが、幼なじみはいなかった。

どこへ行ったのか探しに行こうとした瞬間、遊園地の絶叫マシンのような浮遊感を感じたかと思えば息つく暇もなく床に叩きつけられる。

待合室の窓を見るとドス黒い雲が空を覆い、雷鳴を轟かせ、滝のような雨を降らせていた。

余りの雨足の激しさに窓の景色は歪んでいた。

幼なじみも含め皆はどこにいるのだろう。

激しく揺れる船内に、なんとか体制を保ちながら自分以外の人を探す。

船は地下1階、1階、2階あり、まずは今いる1階を見回わった。 

しかし、誰1人とも人影を見つけることはできなかった。  

それでは2階はどうだろうか。

やはり誰もいない。

じゃあ、じゃあ、地下にいるのだ。

きっと打出するための準備をしているのであろう。

なんで起こしてくれないのだ!と不満をもらしながらカンッカンッと鉄の階段を降りて行った。

誰かいませんか、と大声で叫んだ。

思いもよらず返ってきたのは激しい波の音だけだった。

もう一度呼んでみたが、やはり人の声はしなかった。 

私はその場でへたりこんむ。

不可解な状況で混乱しているのと体のかくれな不安が私を包み込んだ。

隅からす隅まで探したが、やはりいない。

私以外の人間が消えているなんてありえないと少しの間、身動きがとれずにいたが船体が大きく揺れて、危険と断した私は1階へ戻った。

階段を登り終える辺りで何かの視線を感じる。

ゆっくりと窓の方へ顔を向けると、霞がかった空に想像絶するくらいの顔のようなものが浮かんでいた。

私の頭の中はパニックで何も考えられない。

なんだ、あれはなんだ!!

なんで、なんでみんな居ないの!

船の中で発狂している私をよそに巨大な顔はずっと見ていた…。






懐かしいなー、このオイルドーム。

丸いガラスドームの中に、青い海のようなオイルとその上に浮かぶ一隻の船の置き物を見ていた。

時折、激しく揺らしてみる。

青色の液体は分裂して小さい粒を作り、船はひっくり返りはしないが激しく揺れている。

何回ここへ来ても忘れられないなぁ。

漁村へ帰省した幼なじみが海の果てを眺めている。

あの事故にあって、一人だけ行方不明。

沈んだ船からも遺体すら見つからなかった。

ねぇ…君はどこにいるんだい?

どこへ行ってしまったの…。


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