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ECサイトの売上方程式|取り組むべき施策や見直しポイントを解説!

こんにちは!NA×NAです。

ECベンダーとしての視点から、業界のトレンドや課題を的確に把握し、最適な情報配信を行っています。ECサイト(オンラインショップ)の立ち上げから、売上UPや顧客満足度向上など、EC運営のサポートしています。

EC業界に限らず、幅広い分野・業界の知識を活かして正確な情報配信を心がけています!


ECサイトの運営において、商品が売れないことは死活問題です。EC担当者であれば、一度は売上について悩んだことがあるのではないでしょうか。

ECサイトの売上を向上させるためには、その売上を構成する「方程式」を理解することが重要です。方程式の各要素に対して、適切な施策や訴求を行うことで、効果的に売上を伸ばすことが可能です。

本記事では、ECサイト売上の方程式の解説から、売上を向上させる具体的な施策、さらに売上が上がらない時に見直したいポイントまで、詳しく解説していきます!


ECサイトの売上を上げる方程式とは

ECサイトの売上を上げるためには、まず売上を構成する「方程式」を理解することが重要です。

ECサイトの売上は基本的に、以下の式で導き出されます。

売上 = アクセス数 × 購入率 × 顧客単価

この式からわかるのは、売上を上げるためには「アクセス数」「購入率」「顧客単価」という3つの要素を向上させる必要があるということです。

例えば、3つのうちどれかが2倍になれば売上も2倍になり、どれかが10倍になれば売上も10倍になる、というシンプルな計算式として覚えておくと良いでしょう。

3つの要素をバランスよく向上させることで売上を伸ばすことができます。

一時的な施策や広告でどれか1つが大幅に向上したとしても、それが一過性の効果に終わってしまっては意味がありません。

理想的には、新規顧客獲得を目指して「アクセス数」を向上させ、その後、一定のアクセスが集まった段階で「購入率」を改善し、最終的には顧客をファン化させることで「顧客単価」を高める、という流れが最も効果的です。

それでは、ここから各要素の意味について詳しく説明していきます。

➀ アクセス数

アクセス数とは、「ユーザーがECサイトに訪れた回数」のことです。

ここで大切なのは「人数」ではなく「回数」をカウントする点です。例えば、1000人のユーザーが1回ずつ訪れた場合も、500人のユーザーが2回ずつ訪れた場合も、アクセス数はどちらも「1000回」としてカウントされます。

どれだけ優れた商品や使いやすいサイトを作っていても、ユーザーがサイトを訪れなければ売上は上がりません。そのため、アクセス数は売上を構成する要素の中でも最も基本的な数値です。

② 購入率(CVR)

購入率(CVR)は、サイトを訪れたユーザーのうち、実際に購入した人の割合を示します。以下、CVRは次の式で求められます。

CVR(%) = 購入数 ÷ 訪問数 

例えば、1000回の訪問があり、そのうち10回が購入だった場合は、次のようになります。

10 ÷ 1000 = 1(%)

国内の大手ECサイトでは、CVRが0.8%〜1.8%と言われています。自社サイトのCVRと比較することで、改善のヒントが得られるかもしれません。

③ 顧客単価

顧客単価とは、顧客が1回の購入で使った金額の平均を指します。以下、顧客単価は次の式で計算できます。

顧客単価(円) = 売上高 ÷ 購入した顧客数

例えば、売上高が100万円で、500人の顧客が購入した場合、次のように計算されます。

1,000,000 ÷ 500 = 2,000(円)

顧客単価は、他の2つの要素に比べて向上させるのが難しいため、しっかりとした分析と戦略が必要です。

そのため、優先度は低めですが、もしアクセス数や購入率の改善後に売上が伸び悩む場合は、顧客単価の向上施策も検討する価値があります。詳しい方法については後で解説します。

アクセス数を上げる施策

➀WEB広告

ECサイトへのアクセス数を増やすために効果的な施策の1つが「広告の出稿」です。広告には、TVCMや新聞広告など、マスメディアを活用するオフライン広告も存在しますが、ECサイト集客における広告は主に「インターネット/WEB広告」を指します。

ECサイトの特性を考えると、オンラインでの集客がメインとなるため、WEB広告の活用が非常に重要です。

インターネット広告と言っても、種類はさまざまで、それぞれに特徴や適性があるため、目的やターゲットに応じて使い分けることが求められます。主に以下のような広告手法がECサイト集客に活用されています。

リスティング広告(検索連動型広告):ユーザーが検索エンジンで特定のキーワードを検索した際に、そのキーワードに関連する広告を検索結果画面に表示させる広告。
ディスプレイ広告:ディスプレイ広告は、WEBサイトやアプリ内の広告枠に表示されるバナー広告。
動画広告:視覚と聴覚の両方を活用してメッセージを伝える広告。

インターネット広告の大きなメリットは、「細かなターゲット設定ができること」です。

例えば、年齢や性別、地域、興味・関心などを基にしたターゲティングが可能です。予算に応じた柔軟な運用ができるため、広告主は効率的に集客を行うことができます。また、広告の効果を即座に測定できるため、実施後のデータを元に即座に改善策を講じることができる点も大きな利点です。

広告出稿には一定の費用がかかりますが、その分、即効性を期待できるため、立ち上げ初期で認知を広めたいECサイトや、新商品のプロモーションに特に効果的です。ECサイトが認知度を広げ、初期段階でのアクセス数を増加させるために、広告出稿は欠かせない施策となります。

②SEO対策

集客数アップのために有効な施策の1つとして、SEO(検索エンジン最適化)があります。

SEOとは、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで検索結果の上位に自社サイトを表示させるための手法です。商品に関連するキーワードで検索結果の上位に表示されると、自然検索からの流入が増加し、集客効果が期待できます。

さらに、商品に関連するお役立ち情報を提供するコンテンツを充実させることで、自社ブランドや商品をまだ認知していない潜在顧客にもアプローチするチャンスが広がります。

ただし、SEO対策は効果が出るまでに数ヶ月以上かかることが一般的で、専門的な知識とノウハウが必要です。そのため、社内にSEOの知識がない場合は、外部の専門パートナーに委託することも有効な手段と言えるでしょう。

③SNS

ECサイト集客において、SNSの活用は非常に効果的です。SNSが普及した現代では、商品を探す際に検索エンジンの代わりにSNSが利用されることが増え、さらに購入した顧客の口コミやレビューをSNSで見て、購入を決める顧客も多くなっています。

つまり、SNSは単に顧客と商品・ECサイトの接点を作るだけでなく、購入の決め手となる情報を発信する役割も果たしているのです。

現在主流のSNSは以下の5つです。これらを押さえておきましょう。

  • Facebook

  • Twitter(X)

  • Instagram

  • LINE

  • TikTok

自社のアカウントを作成して運用し、情報発信やマーケティングを行うことが重要です。また、ユーザーが商品を検索したときに表示されるよう、#(ハッシュタグ)の工夫も忘れずに行いましょう。

さらに、各SNSにはターゲット層や特徴が異なるため、自社の商品やターゲットに合わせて適切なSNSを選んで活用することが求められます。

購入率(CVR)を上げる施策

➀サイトデザインを見直し

購入率を大きく改善するための施策の1つが「サイトデザインの見直し」です。ここで言うデザインは、単に美しさやトレンド感だけでなく、「使いやすさ(UI/UXデザイン)」も含まれます。

例えば、商品ページが見つけにくかったり、購入ボタンが小さすぎて見逃されやすかったり、ページ遷移がスムーズでなかったりすると、せっかくサイトに訪れたユーザーが購入を諦めて離脱してしまう可能性が高くなります。

そのため、ユーザーが快適に買い物できるよう、サイト内の導線をわかりやすく設計することが非常に重要です。

購入ボタンは、目立つ色や形、大きさにして、商品説明の近くなど目に入りやすい位置に配置しましょう。また、お問い合わせフォームも目立つ場所に配置すると、ユーザーが気軽に相談でき、満足度の向上にも繋がります。

②Web接客ツールの導入

Web接客ツールは、操作方法がわからなかったり、購入を迷っていたりするユーザーに対して、チャットやポップアップ表示を使ってサポートすることができるツールです。

対面での接客ができないECサイトだからこそ、Web接客ツールを活用して、スムーズに商品購入を後押しすることが重要です。

③カゴ落ち対策

カゴ落ちとは、ユーザーが商品をカートに入れたままサイトを離脱してしまう現象を指します。購入の意思があったユーザーが離脱することは、販売機会の損失となるため、カゴ落ち対策は購入率の改善に繋がります。

購入時のフォーム記入が煩わしい、別のページに何度も遷移するなど、明確な原因がある場合は改善が必要です。また、商品をカートに入れたまま離脱したユーザーに対して、メールを送信したり、ポップアップで商品を再表示させたりするツールを活用するのも効果的です。

④充実した決済方法

購入率を上げるためには、顧客がサイトから離脱するのを防ぐ必要があります。先に挙げた「サイトの利便性が悪かった時」に加え、ユーザーが離脱しやすい場面のひとつが、「使いたい決済手段が使えなかった時」です。

現代ではさまざまな決済手段が登場しており、ECサイトでもQRコード決済やID決済などが、従来のクレジットカードや銀行振込に取って代わって人気を集めています。

特に近年、Amazon Payや楽天ペイといったID決済が人気です。ID決済の最大の利点は、ユーザーが新たにECサイトで会員登録をしなくても、既存のアカウント情報を使って購入できる点です。

これにより、面倒な情報入力が減り、利便性が向上します。こうした理由から、ID決済は非常に人気があり、利用者も増えています。

さらに、最新の決済手段を導入するだけではなく、自社のターゲットに合わせた決済方法を選ぶことが重要です。

例えば、学生や高齢者向けの商品であれば、クレジットカードやID決済よりも、代金引換や銀行振込の方が安心感を与えられるでしょう。

若年層をターゲットにする場合は、後払い決済を導入するのが効果的です。

顧客単価を上げる施策

➀クロスセル・アップセル

顧客単価を上げるための効果的な手法には「クロスセル」と「アップセル」があります。

クロスセルは、関連商品を一緒に提案して売る手法です。その一方、アップセルは、より高額な商品や上位互換の商品を提案して売る手法です。

購入画面やカートに商品を追加する際に、クロスセルやアップセルを促すレコメンド表示を加えることが挙げられます。これにより、顧客に追加購入を促し、購入単価を上げることができます。

具体例として、化粧水Aを購入した場合、以下のように提案することができます。

クロスセルの場合
化粧水Aをカートに入れた顧客に対して、「美容液Bを一緒に使用するとより効果的です」といったレコメンドを表示し、同時購入を促します。

アップセルの場合
化粧水Aをカートに入れた顧客に、「化粧水Aの限定パッケージや内容量が多い上位互換商品をご提案します」といったレコメンドを表示し、より高額な商品への変更を促します。

クロスセルやアップセルを実施する方法としては、レコメンドツールを活用する方法があります。また、ECカートシステムにこれらの機能が標準で搭載されている場合もあるため、自社のシステムを確認してみてください。

しかし、クロスセルやアップセルは非常に効果的な手法ですが、強引なレコメンドや過度にしつこい提案は、ユーザーに不快感を与え、最終的に離脱を引き起こす可能性があります。

使用する場面やタイミングには十分注意しましょう。

②セット販売

商品をセットで販売することは、顧客単価を上げるための効果的な手法の一つです。関連商品をまとめてセットとして販売する方法に加え、福袋のように複数の商品をセットにし、内容を公開せずに販売する手法も、最近多くのECサイトで見られます。

この場合、単品で購入するよりもお得感を出すために、セット商品を割安で提供することがポイントです。

しかし、価格を安くしすぎて赤字を出してしまうのは本末転倒です。

セット販売に伴う配送コストやその他のコストも考慮した価格設定を行うことが重要です。

③キャンペーンの開催

顧客単価を上げるためのきっかけとして、キャンペーンを開催することもおすすめです。

ECサイトでよく実施されるキャンペーンには、一定金額以上購入した顧客に送料を無料にするキャンペーンや、会員をランク別に分類し、高ランクの顧客に特別セールを提供するキャンペーン、誕生日の顧客向けにクーポンを配布したり特別割引を行うキャンペーンなどがあります。

これらのキャンペーンは、顧客単価の向上だけでなく、顧客との関係を深め、LTV(顧客生涯価値)の向上やファン化にも効果的です。

売上が上がらない時の見直しリスト

ここまでは売上を構成する各要素について、数値を上げるための施策を具体的に紹介してきました。ECサイトの運営は多岐にわたるため、今回紹介した施策以外にも売上を向上させる方法はたくさんあります。

ここからは、売上が伸び悩んだときに見直してほしい5つのポイントを紹介します。売上が上がらないと感じたときは、以下の点をチェックしてみてください。

これらのチェック項目を確認し、今までの施策と併せて見直すことで、売上が上がらない原因を特定し、効果的な改善に繋げることができます。

➀商品に「欲しい」と思える付加情報はあるか

どれだけ集客できても、ECサイトに商品情報を載せるだけでは売上は伸びません。ユーザーが「欲しい」と感じるためには、商品に関する適切な説明や画像、情報が必須です。

商品の説明文は詳細に記載し、サイズ、重さ、色、形などの基本情報は漏れなく書きましょう。また、Q&Aや口コミを掲載することで、ユーザーの疑問を解消し、安心感を与えることができます。

②商品の写真は豊富で工夫されているか

ECサイトにおいて、商品画像は非常に重要です。魅力的な商品名やタイトルで訪問しても、商品画像が不明瞭だったり、暗かったり、角度が悪いと、ユーザーの購買意欲が下がります。

画像は商品の特徴がわかりやすいように、さまざまな角度やシーンで撮影し、使用感が伝わる写真を豊富に掲載するよう心掛けましょう。

例えば、服であれば着用シーンの画像を載せると効果的です。

③追客の施策はできているか

一度ECサイトで購入した顧客に再度訪問してもらい、購入してもらうことは、売上を上げるために非常に重要です。

新規顧客を獲得するよりも、既存顧客に再度アプローチする方がコスト面や難易度が低いとも言われています。

具体的には、メールやSNSで次回使えるクーポンを配布したり、キャンペーンの案内を送ったりする方法があります。

既存顧客へのアプローチは断続的ではなく、定期的に行うことが重要です。計画的に実施できているか、見直してみましょう。

④競合他社と価格比較はできているか

競合他社が自社と同じような商品を安価で販売している場合、顧客は価格を重視して安い方に流れる可能性が高いです。

品質に自信がある場合でも、事前に市場調査を行い、競合他社との価格差が大きすぎないか確認することが重要です。競合と比較した価格設定を見直すことで、より魅力的な価格帯に調整できます。

⑤運営は後手に回っていないか

ECサイトの運営はスピードが求められます。

例えば、ホームページの作成が遅れていたり、新商品の導入に時間がかかると、せっかく訪れたユーザーに不信感や不安を与えてしまい、離脱される可能性があります。

属人化を防ぎ、誰が担当してもスムーズに運営できるように、社内で人員調整を行ったり、ツールを活用して自動化できる部分は自動化しましょう。

まとめ

ECサイトの売上を上げるためには、アクセス数、購入率、顧客単価の3つの要素を改善することが重要です。

アクセス数を増やすためには、WEB広告やSEO対策、SNS活用が効果的です。購入率を向上させるためには、サイトデザインの見直しやWeb接客ツールの導入、カゴ落ち対策が有効です。顧客単価を上げるためには、クロスセル・アップセル、セット販売、キャンペーンが効果的です。

さらに、売上が伸び悩んでいる場合は、商品情報や写真の改善、競合価格のチェック、運営の効率化を見直しましょう。

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