私の「好き」と、あなたの「好き」に、はじめて橋がかかった日
「伝わった!」
阿部広太郎さん主催のオンライン連続講座「企画でメシを食っていく」の第2回目の講義が終了した、今日。
zoomを閉じてから、心にいちばん最初に浮かんだのは、「伝わった」という4文字と、溢れるほどの喜びだった。
初回課題で「自分の広告」を作成して、誰の心にも届くことがなかった、選ばれることがなかった、あのときの悲しさや寂しさ。今でも鮮明に覚えているし、たぶんこの先も忘れないと思う。
本当に苦しくて、心細くて、深夜の2時に、ひとり涙をこらえながら画面を見つめていた。
だけど、その後の阿部さんの講評や講義を経て、「伝わらない理由」が分かった。今の自分に足りないものを、たくさん見つけることができた。
だから今回は、そこで吸収したことを、ちゃんと、企画に落とし込む。そう決めていた。学んだことは、その後の行動でしか、証明できないから。
そう意気込んでつくった「伝統の企画」は、たくさんの人に「推し」として選んでもらうことができた。
(選んでくださった22名の方、ありがとうございました…!全部うれしくて、お気に入りメモに保存して、何度も何度も、読み返しています。)
そして、講義では、講師の九龍ジョーさんにも、「これは面白かった!」と言っていただけて、心が震えた。
今度はうれしくて、涙が出そうになった。
わたしの「好き」が一人ひとりの心に届いて、能という遠い存在だった伝統芸能に、少しでも興味を持つきっかけをつくることができた。
もしかすると、これが、阿部さんが言っていた「橋渡しをする」ということなのかもしれないな、と思った。
その一歩を踏み出せて、今はただひたすら、これからの未来にわくわくしている。
今回、ようやく踏み出すことができたこの一歩を、次の二歩、三歩につなげていくために。
前置きが長くなってしまったけれど、今回も、課題や講義を通して考えたこと、学んだことを、次回に向けて、書き留めておこうと思う。
0. 予想外の事態が発生。締め切りまで、あと2日
まずはじめに、今回はまったく予想外の事態が発生していたことを、書かずにはいられない。(そして、その中でもやり切った自分をちゃんと褒めてあげたい。)
前回の講義が終わった後すぐに立てた計画では、毎日少しずつ伝統芸能について調べて、視野を広げて、複数の選択肢の中から「伝えたい魅力」を選んで、企画内容を考えて…と、地道にコツコツ取り組んでいく予定だった。
けれど翌日、急に身体に異変が生じる。
仕事にも集中できないくらい体調的にしんどい日々が続き、7月1日、病院に行ったら「ストレスと疲労による」病気の名前を告げられた。
今はだいぶ良くなってきたので、笑い飛ばせる話になったのだけど、当時は仕事もいっぱいいっぱいで、精神的にもすっかり参ってしまっていた。
そして気づいたら、課題の締め切りの2日前になっていた。
「計画通りにいかなかった…」なんていう後悔に浸っている余裕もなく、「とにかく今は、伝統芸能のことだけ考えよう」と、その日は1日、ひたすら頭の中を九龍さんと伝統芸能のことで埋め尽くして、思考をフル回転させ、手を動かし続けた。
頭や手を動かしている最中も、身体は悲鳴を上げていたのだけれど、わたしが選んだのが「能」だったのが幸いして、少しずつ、心や身体の苦しみは、和らいでいった。
(今考えてみると、そういう能の効能に、そのときは本能的に惹かれていたのかもしれない。)
そしてふと気づくと、すっかり目の前の能の魅力に没頭している自分がいて、企画を形にする段階では、「焦り」より「楽しさ」が遥かに上回っていた。
1. 「伝統の企画」ができるまで
ここからは、わたしの企画ができるまで、どういうステップを踏んで、どういうことを考えてきたのかを、次回以降のために、できる限り詳細に書いていく。
1-2. 「伝統の企画」という課題の解釈
心身ともに100%の状態ではなかったものの、言い訳はしたくない。やると決めたことは、しっかりやろう。
これだけは守らなきゃと思って、まずは前回と同様に、「課題の解釈」をすることにした。
○今回の課題の解釈
「伝統芸能」と、「それを普段あまり身近に感じることのない人」との距離を、ぐっと近づけること。橋をかけること。
そのうえで、今回の企画で、「これだけは満たしている必要があるな」と考えた、3つの基準はこちら。
○今回の課題に必要な要素
①自分自身が、本当にその対象の魅力を感じていること
②自分ならではの切り口や言葉で、その対象の魅力が説明できていること
③相手に魅力が伝わるだけではなくて、「行ってみよう」「見てみよう」と行動につながること
あとは、調査を始める前に、この辺も言語化してみた。
○なぜ、いま伝統芸能なのか?
令和という新しい時代に入り、「伝統芸能の魅力を理解して、次の世代に残していけるような、伝播していけるような若者」を増やしたいから。
◯企画の目的
伝統芸能の魅力を、次の世代(わたしたちのような、若者世代)に伝えること
◯企画のゴール
この1枚を見た人が、伝統芸能に興味を持って、実際に観に行こうと思って行動したくなる状態
1-2. 「伝統芸能」を知る
課題の解釈を終えたら、次は調査。
他の企画生のFacebookの投稿やツイートを見ながら、
「ああ、わたしも実際に観にいきたかった…」
と悔しい気持ちでいっぱいになったのだけれど、締め切りはもう、2日後に迫っている。
「課題とは関係なく、今度ちゃんと、足を運ぼう」と自分を納得させて、今の自分にできる範囲で、「知る」に取り組んでみた。
○伝統芸能を「知る」ために行ったこと
・九龍ジョーさんの『伝統芸能の革命児』を読む
・九龍ジョーさんのYouTubeの動画を観る
・九龍ジョーさんのラジオを聴く
・「伝統芸能」と検索して、出てきたサイト10記事くらいを読む
1-3. 伝統芸能の中で、「伝えたいこと」を見つける
書籍や音源、動画、記事などを自分に吸収していく中で、徐々に
「わたしが一番伝えたいのは、能の魅力かもしれない…!」
という想いが、ふつふつと湧いてきた。
能は、中学生の頃に学校行事で一度観に行った記憶しかなかった。けれど、調べていくうちに「そういえば、高校生の頃に読んだ三島由紀夫の『近代能楽集』が、大好きだったなあ」ということを、ふと思い出したのだ。
そこで、「よし、今回は、能の魅力を伝えよう!」と決めた。
ただ、それを決めてからが、難航した。
能の魅力は、調べれば調べるほど、たくさん出てくる。その中で、「どの切り口を選ぶのか?」という点が、いちばん難しかった。
○能の魅力
・幽玄という日本らしい概念
・たった一度しか上演されないという刹那性、希少性
・国宝級の衣装
・演技や表情(切なさ、物悲しさの繊細な表現)
・観ているうちに自分の過去や記憶が浄化される感覚
・リラックスできる、心地よい眠りに落ちることができる
などなど…
たくさん伝えられることがある中で、「自分だったら」何を選ぶのか。他の誰でもなく、自分が伝えたいこと、自分だからこそ伝えられつことって、なんだろう……?
考えはじめたら、止まらなくなった。
1-4. 能の中で、「自分にとっての魅力」を見つける
本当は、九龍さんのラジオを聴いてすぐに、「能でととのう。」という強いコピーが頭の中に強く残っていて、「サウナの画像に、入浴剤のパッケージが並んでいたら、面白いかも?」と、イメージがパッと頭の中に浮かんでいた。
だけど、「いかにも大衆受けを狙っていそうな、誰でも思いつきそうな企画」にするのはだめだ、と思い直す。
「このくらいかな」というイメージに手を伸ばすのは簡単だけれど、この切り口は、自分らしくは、ない。
何より、前回の振り返りで約束したことに反してしまう……!と思い、誘惑を、全力で押し切った。
そして今回たどり着いたのが、令和を生きるわたしたちでも共感ができる「能の演目(ストーリー)」と、「能の効能」を掛け合わせる、という発想だった。
「そういえば、高校生の頃に読んだ三島由紀夫の『近代能楽集』が大好きだったなあ」
と気づいたことは先にも書いたけれど、これが好きだったのは、わたしが当時、報われない恋に苦しんでいて「葵上」という演目のなかに出てくる六条御息所に深く共感したからだったと思い出したのだ。
もしかすると、他にもこういう演目があるんじゃないか……?
そう思い立って、能の演目を、一つひとつ読んでみた。
読んでいるうちに、「これをどうやって実際に表現しているのだろう?」と気になり、動画を視聴。
すると、次第に心がやすらぐような、許されるような感覚に陥って、不思議と心が落ち着いてくるのがわかった。
能は、派手な動きや大きな音、華やかな演出はない。けれど、静かで控えめな音や演技、表情の中に、どうしようもない、人間の強い感情が込められている気がしてならなかった。
それがなんだか切なくて、だけど同時に心強くて、癒されもした。
「ああ、能って、ヒーリングなんだな」
という言葉が、自分の中に、ぽつりと落ちてきた。
1-5. 見つけた魅力の「伝え方」を考える
自分なりの魅力を見つけてようやく、「どうやって伝えよう?」を考えはじめた。
その時点で、締め切り前日、18時。
当然焦りもあったけれど、「自分なりの魅力」が見つかったことで、少しだけ心は上向いていた。
企画の見せ方を考えるときに今回特に意識したのは、前回の講義で、阿部さんから学んだこと。
○企画をつくる際に、意識したポイント
・一方的にならないように、双方向で。相手を巻き込む。
・自分の「好き」と、相手の「好き」の橋渡しをする
・ほかの人が、やらないことをやる
・徹底してこだわり抜く、妥協しない
「橋渡しをする」や「相手を巻き込む」というところから、「今の時代を生きている同年代の企画生がにとって、身近なものってなんだろう?」と考えて、アロマオイルに行き着いた。
夜、寝る前に使うもの。心や身体を、癒してくれるもの。そして、気分に合わせて選べるもの。
そのとき、自分自身が病気で心身ともに不調だったことが、不幸中の幸いだったのかもしれない。
(当時は死にそうだったけれど、今となってはそれも、笑い話にできるからよかった。)
そして、最後の「徹底してこだわる、妥協しない」という点は、今回絶対にやり切りたくて、能の初番目物から五番目物までを一つずつ選ぶこと、動画がある演目のみを選ぶこと、自分が本当に紹介したい演目を選ぶこと…
などなど、知らない人にとっては気づかれないかもしれないけれど、自分がこだわりたいことは、徹底してこだわってみた。
その結果、九龍さんには「演目のバランスがいいよね」と言っていただけたから、気づいてもらえた……!手を抜かなくてよかった……!と、ひそかに安堵した。
2. 感動メモと、九龍さんの講義を経て
2-1. 感動メモと、心の変化
今回の一番の変化は、ほかの企画生のアウトプットが公開されたとき、ざらざらした感情が一切なく、わくわくする感情が最初に浮かんできたこと、だった。
一つひとつの企画を開きながら、「あ〜こういう発想もあったんだ…!」とか、「やっぱりこの人のアイディアはすごいなあ」とか、純粋に吸収できている感覚が、心地よかった。
特に、第1回でも「推し」に選ばせていただいた森裕貴さんの企画は、今回もとても好きで、ついつい何度も開いては、楽しい気持ちに浸っていました。いつもありがとうございます……!(突然の告白)
そして、「推し」や「好き」の言語化、基準についても、改めて考えてみた。
○今回の企画における、「推し」の基準
①ありきたりじゃない、「その人だからこそ伝えられる魅力」が伝わってくること
②一方的ではなくて、「見ている人を巻き込んでくれている」「橋をかけてくれている」気遣いや優しさが感じられること
○自分の「好き」の言語化
①"誰か"ではなく、"その人自身"の個性が溢れていること
②目線を合わせて、語りかけてくれているという誠実さが感じられること
誰にも媚びずに、妥協せずに、ただひたすら自分の「好き」を思う存分のびのびと表現されている方の企画は、ほんとうにかっこいいなあと思うし、まだ顔を合わせて話したことがなくても、企画を見ているうちに、すっかり好きになってしまうからすごい。
今回の企画では、前回よりも好きな人が増えて、そのことが、何よりもうれしい。
(早く、みなさんに直接お会いしたいなあ。)
2-2. 九龍さんの講義を経て
講義を経て、いちばんの大きな学びは、「自分を演算装置にする」だった。
今回、個人的な反省点が「実際に足を運んで能を観ることができなかった」という点であることも相まって、この言葉は心にずしんと響いた。
対象が何であれ、実際に経験し、「自分の身体を通す」こと。自分の五感を使って実際に経験して、そこから生まれた感情や、発見を言葉にすること。形にすること。
そうしてみてはじめて、自分にしか見つけられなかった「面白さ」が生まれてくる。
この言葉が心に響いたのは、「今回自分ができなかったことだから」ということだけじゃなくて、単純に、うれしかったからだと思う。
「"末廣亭に行ったら、古い建物でびっくりした。" そういう感想だけでも、充分。自分の身体がそれを経験して、どう反応するか?が大事。」
九龍さんがそんな風におっしゃっていて、
「あ、それなら、わたしもできるかも……!」
素直にそう思って、安心したし、希望が湧いた。
今は自分にとって距離の遠いものだとしても、実際に足を運んで、観て、聴いて、嗅いで、触って、味わって。
そうやって、自分の身体を使って解釈したものは、「自分にしかない形」でアウトプットされる。
そう考えたら、これからはどんなに興味がなかったものでも、はじめて知ったことでも、「好き」や魅力を見つけて、伝えることができる。
なんだか世界がぐっとこちらに近づいてきて、愛おしく思えてくるから不思議だった。
これも、阿部さんの言うところの「解釈」なのかなあ、なんて、思ったりした。
3. これからの企画に向けて
3-1. チームの企画
こうして第2回目の講義が終了し、次の課題に突入した。
次はとうとう、「チームの企画」。
グループワークがあまり得意ではないわたしだけれど、企画メシでのチームの企画は、実はずっと、楽しみにしていた。
企画メシへの参加目的の一つである「仲間を見つける」の、第一歩。
そして、お題が何も決まっていないからこそ、期限がいつもより長いからこそ、わたしたち一人ひとりの意識や行動、熱量にかかっている。
試されている、そんな感じがする。
真っ白なキャンバスに、ゼロから、はじめましてのメンバーで、これからどんな景色を描けるのだろう。
今はそれが、ただ純粋にとても楽しみです。
3-2. 企画生のみなさんへ
今回の課題で、松本すみれさんが「全員に向けた感動メモ」をつくられていて、「これは真似したい!」と思った。
自分へのコメントはとても嬉しかったし、約80名の企画一つひとつと向き合って得られる学びは、相当大きいだろうなあ……と。
内心ずっと「やった方がいいだろうな」と思いながら、自分はできていなかったことだから、大変だけれど大事なことを、当たり前のようにされている姿に、奮い立たされた。
だからわたしも、ほんとうに少しずつなのですが、全員への感動メモを、つくってみました。
(まだ、2人くらいしか書けていないのですが……次回までに、必ず全員分書きます。宣言。)
早く一人ひとりと直接お話ししたいし、どんな人柄なのか、もっと知りたい。
わたしももっと知ってもらえるように、阿部さんや運営の方々から「与えられたこと」だけにとどまらず、やりたいこと、やった方がいいと思うことは、積極的に取り組んでいきたいな。
あと、今回グループは違ったけれど、個人的に
「この人と一緒に何か企画したい…!」
「一緒にお仕事してみたい…!」
という方もたくさんいるので、それが実現できるように、わたしも相手に同じように思ってもらえるように、もっともっと、「技術」を身につけていきます。
4. 何度も読み返したい、感動メモ。
今回も、最後まで読んでくださりありがとうございます……!
最後に、これは完全に自分のための記録なのですが、今回いただいて特にうれしかった感動メモの言葉をピックアップして、ここでお返事させていただきます。
感動メモへの、感動メモ。
(幸せの循環……!)
自信がなくなったときに、元気を出すための、お守りのような言葉たち。
これは衝撃を受けました! 現代人に馴染みのない能楽を令和時代のヒーリングと捉えて、Francfrancに置いてあるようなアロマオイルのテスターを能楽で作るというアイデアが素晴らしい。自分では絶対に思いつかない作品度。Twitterで流れてきたら絶対にリツイートします。
特に最後の一行が、うれしかったです。これを読んで、はじめて自分がつくったものを、思い切ってTwitterに投稿してみました……!
具体的な感動の言葉って、こんなにも背中を押されるんだなあと、改めて気づかされました。
私が「能」という言葉に対して抱いていた堅苦しさや難しさを跳ね除けられた気がしました。好きな匂いのアロマや、好きなアーティストのプレイリストを選ぶ感覚で、能に飛び込むことができました。
能を含む伝統芸能を、気軽に楽しめたら良いなと思っていたことを、岡崎さんがまさに実現させてくれました。
まさに、「もっと身近に感じてほしい」「気軽に選んでほしい」と思って今回のような見せ方にしたので、それが伝わったのが、とってもうれしかったです。
日々の疲れを癒す方法が能楽にもあったのか!と思いました。
グレーの背景に、落ち着きを感じさせる青い文字。アロマを想像させる画像。そして能楽に関する要素がゼロ!このpdfを見ただけで、すでに癒されてしまいました。
今回、ちょっとやりすぎたかな…?こんなに現代っぽくして大丈夫かな…?と少しだけ不安もあったので、こんな風にポジティブに受け入れてもらえたことは、安心したし、うれしかったです……!
能楽を令和時代のヒーリングと訳されていて、身近に感じつつも今を切り取っている表現だと思いました。伝統芸能の中でも敷居が高そうな能楽をご自愛術として提案されていて、何だか香りまで伝わってきそうです。実際に企画として形にできそうなところにも魅力を感じました。
今回、個人的には「アロマ」をイメージしたのですが、少しわかりづらかったかなあと反省もしていたので、意図通り伝わっただけじゃなくて、「香りまで伝わってきそう」と、そこまで想像してもらえたことに感動。
ぜひ、ぜひ実際に企画を形にしたいです……!
能楽を「令和のヒーリング」と伝わりやすい例えに、かつ、見てみたくなるワードにしているのがいいなあと思っていました。それにアロマに見立てた瓶が並んでいて、癒されたいジャンルが書いてある。こちらに「選択肢」を提案してくれている。この発想と気遣いがキュンとしました。
このコメントに、わたしの方がきゅんとしてしまいました。。
ほんとうにそう感じてくださったのだろうな、という温度の感じられる言葉がうれしかったので、わたしも早速、真似します。
「巻き込む」を意識して選択肢をつくったことも、ちゃんと伝わってうれしいです。
シンプルに企画として面白く、脳に汗かいて思考されたんだなという想いも伝わってきました。どこか遠い世界に感じてしまう伝統芸能を誰よりもじぶんゴト化して身近なものとして伝えていて、伝統芸能の新しい関わり方を身をもって体験できたと感じています。
仕事だったら、お客さんにとってこちらが「頑張ったかどうか」なんて過程は関係ないのだろうけど、今回はほんとうに必死で考え抜いた企画だったので、そこに着目してくださったこのコメントに、涙が出そうになりました。優しさが沁みます……。
わたしもこういう、細やかな気遣いができる人になりたい。
『とりあえず伝統芸能は見ないとわからない。見て欲しい』は僕も伝えたかったところなのですが、『じゃあどうしたら見てもらえるのか』と考えた時に『どれを見たらいいのかわからない』という心があると思います。
そこからさらに『その時の気持ちで見たいものって変わる』というところまで踏み込んで、多くを語らない代わりにきっかけを与える。だからあとは見てくれ、という紹介の姿勢がとてもスマートで紳士的だと思いました。徹底的な顧客志向。
まず、これはかなり個人的な感情が含まれているのですが、1回目から推し続けていた方に「推し」として選んでもらえたことが、うれしくて、三度見くらいしました。
そして何より、今回企画をつくっている中で「情報量のバランス」は特に悩んだ点だったので、見せ方をこんな風に捉えていただけて、「伝わった……!」と、感動しました。
***
言葉って、こんなにも誰かの心をあたためたり、元気を与えたりしてくれるものなんだなあと、改めて感じます。
わたしももっと、「言葉」で誰かの心をほんの少しでも明るくしたい。和らげたい。
まずはみなさんへの感動メモを、これから少しずつ書いていくので、待っていてくださいね。
***
自己紹介も兼ねて。
よかったら、こちらもどうぞ。
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