ずっと、自分に期待することから逃げてきたけれど
自分に期待をするのって、どうしてこんなに苦しいんだろう。
最近、何をするにも気持ちが落ち込んでしまって、その原因をぐるぐると考えていた。
そうしたら、「わたしは自分に、期待をしすぎているのかもしれない」という答えに行き着いた。
自分の好きなことを仕事にしたい、という想いを持ちはじめて、それを人前で口にするようになってから、わくわくすることも増えたし、新しいことへの挑戦も、前よりできるようになった。
だけど一方で、「頑張り続けることが、しんどい」と感じることも、少しずつ増えていった。
誰かにわかってもらえないとき、評価されないとき。
自分に期待をしている分、誰かに受け入れられないという事実を受け入れるのは心が痛むし、もしかして自分は間違っているのかも…と、不安にもなる。
そのままの自分を、丸ごと否定したくなる日もある。
自分にたいして期待をしていなかったときのわたしは、大きな夢を見ることもなかったけれど、その分苦しいことも多くはなかった。
「仕事は仕事」と割り切っていたし、好きなことは好きなことで、それ以外の時間にできれば充分。そう思って過ごしてきた。
「仕事(誰かに求められていること)」と、「自分の好きなこと」が交わることなんて、一部の才能がある人、恵まれた人だけなのだろうなあと思っていたし、「自分は、彼らとは違う」と、諦めてもいた。
だけど、小さい頃からの夢をはじめて口にすることができた2年前のある日から、わたしはどうしても、「好きなことで仕事がしてみたい」という気持ちを止められなくて、自分に、未来に、期待するようになった。
企画メシ(今年の6月から参加しているオンライン講座) で、ほかの企画生や講師の方にアウトプットを褒められたりすると、自信になったし、もっと上を目指したいとも思った。
仕事も同じで、今までは向いていないと思っていたことを評価されたり、「あなたなら、もっとできるよ」と言われたりすることで、もっと自分を信じてみたいと希望を持つようにもなった。
だけど現実は、いいことばかりが続くわけじゃない。
企画メシでは、ある回で「うまくいった!」と思ったら、次の回では「全然ダメだった…」と落ち込んで、の繰り返し。
仕事では、今日はうまくいった!と喜んでいたのも束の間、翌日できない自分を突きつけられる、の繰り返し。
そもそも自分に期待していなかったら、理想も低かったら、悔しいと感じることもないし、落ち込むこともないんだろうなあ、と思うこともしばしば。
「まあ、これが自分の実力だよね。周りはみんなすごいから、仕方ないなあ」
なんて思えたら、どんなに楽だっただろう……と、いつも思う。
「自分には、他に好きなことがたくさんあるし。仕事でうまくいかなくても、幸せに生きられるから、いいや。」
なんて割り切ることができたら、こんなに悩んでいなかったのだろうな。
でも、今のわたしはもう、それができなくなってしまった。どうしても、自分に期待をしてしまうし、理想を追い求めてしまうから。
自分を諦めることが、できなくなってしまった。
本当はもっとできるんだ、いつか誰かにわかってもらえるはずだって、心の底では思っているから。
昔は、「みんなにわかってもらえなくても、深い理解者が数人いれば、それでいい」と思っていた。
だから、一部の人に理解してもらって、好きでいてもらえればそれで充分だと、本気で思っていた。
だけど、今は違う。
自分の好きなことを、自分のためにするのではなくて、誰かにとっての価値になったらいいなあ、と思うようになった。
もっと色んな人に、わかってもらいたい、好きになってほしい、と願うようになった。
自分でも驚いてしまうくらい、欲が生まれて大きくなってきていることを、ひしひしと感じる。
もうわたしは、「夢は、夢だ」と思っていたあの頃の自分には、たぶん戻れないのだろうなと思う。
自分に期待するようになってしまったから。
何かに期待し続ける日々は、苦しい。
「やめればいいのに」と、頭の隅で誰かの声が聞こえるけれど、もう後戻りはできないのだ。
いつも笑顔できらきら輝いているあの人も、「いつ寝ているんだろう…」と不思議なくらいタフなあの人も、もしかすると、理想と現実のギャップに苦しんでいるのかもしれない。
自分に期待しながら、周りから期待されながら、走り続ける日々に押しつぶされそうになっているかもしれない。
今のわたしがこれを書くことに、大きな意味があるかどうかはわからない。
だけど、いつか「今」を振り返ったとき、こういう時期もあったんだよと、誰かに笑って話せるような自分でありたいなとは思う。
そして今、わたしと同じように「自分に期待すること」に苦しんでいる誰かの、心の重りを少しでも軽くできたらいいなと願う。
自分に期待するのは、ほんとうに苦しい。
けれど、今よりも自信を持ってこの世界を歩いているときの自分を、わたしはやっぱり、見てみたいのだ。
いただいたサポートは、もっと色々な感情に出会うための、本や旅に使わせていただきます *