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香りにまつわるエトセトラ

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#香水

香りで読み解くクラシック【ドビュッシーの「牧神」と「海」編】2020年加筆改訂版

香りで読み解くクラシック【ドビュッシーの「牧神」と「海」編】2020年加筆改訂版

これは2018年7月、東京フィルハーモニー交響楽団の定期演奏会に出演させていただいた折の、音と香りの妄想記録を加筆修正したものです。

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標題音楽と香りのコーディネーションただいま弾かせていただいているのは、記録的暑さの東京にひとときの涼を音楽で与

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香りで読み解くクラシック【オペラ「ばらの騎士」編】 2020年加筆改訂版

香りで読み解くクラシック【オペラ「ばらの騎士」編】 2020年加筆改訂版

これは2017年12月、新国立劇場で上演されたリヒャルト・シュトラウス作曲のオペラ「ばらの騎士」に、東京フィルハーモニー交響楽団のエキストラとして出演させていただいた折に、個人的な投稿としてFacebookに書いたものを加筆修正したものです。
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昨日から今朝にかけて、香りという切り口から《ばらの騎士》への妄想を繰り広げていたら、田

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恋の香り、それは

恋の香り、それは

寒くなればなるほど凛として、暑くなればなるほど涼やかに甘い。
もっともっと欲しくなる香り、それはネロリ。

私はあらゆる物事に対して起こる「恋」という現象が大好きだ。

心の内側でポッと「なにか」が発生する感じ、その空気感、雰囲気。
恋は薔薇色と言ったりもするから、対象あってのシチュエーションにはローズの香り、というのは自然なこと。
でも私は、ネロリほど「恋」に似合う香りはないと思っている。

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Oriza L.Legrandと迎える

Oriza L.Legrandと迎える

先日、オリザ・ルイ・ルグランという香水メーカーの作品を取り寄せた。フランスから届いた小さな小包をドキドキしながら開封したとき、鮮やかでしあわせな記憶として、この先ずっと私の中に残るだろうなと思ったので、一度記録しておきたいと思う。

1720年フランスで創業した香水商オリザ、カタログを見ていても、その作品の生まれた年代を追いかけるのは本当にロマンがある。1720年、1862年、1884年、1886

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