そのポケットは、「胸ポケット」か、「尻ポケット」か
趣味の物書きのつぶやき
これは、自作品の執筆中のことではなくて、読書中のお話。
もう十年くらい前のことなので、うろ覚えなのですが、仲良しの作者さんの小説を読んでいて、あれ? と思ったことがありました。
「主人公が、ポケットからメモを出す」
たったそれだけの動作なのですが、読んでいて、「彼にはその動きはできないよ!?」と思ったのでした。
状況的には、うーん(忘れている……)。
確か、主人公は左利きで、利き手の左手でメモを出した、だったかな?
けど、制服(だったかな?)のYシャツのポケットは、普通は左側にあるから、不自然な動きになるはず? だったかなぁ……? うろ覚えですみません。
仲良しの作者さんだったので、「不自然じゃない?」と尋ねたら……。
「あー! そのポケット、胸ポケットじゃなくて、尻ポケットなの~!」
ということでした。
確かに、尻ポケットなら、その動きはできる!
小説本文は、まったくもって正しかったのです。
ただ、「ポケット」という表記を、作者は「尻ポケット」のつもりで書いていて、読者は「胸ポケット」と勝手に思い込んだだけ。
けど、その作者さん、『尻』の一文字を書き足してくれました。……なんか、ごめん。
ストーリー上、重要なのは、「メモの内容」であって、そのメモがどのポケットから出てきたか、ではありません。
だから、どうでもいいといえば、どうでもいいこと。
仲良しの作者さんじゃなかったら、私もわざわざ訊いたりしなかったし、そもそも、そんなことを気にする読者は、あまりいないと思います。
(私はクレーマー? ああうう……、そんなつもりじゃ……)
私が書き手じゃなかったら、気にならなかったのかなぁ?
(「その動きは現実に可能か?」を気にしながら書くタイプ……)
けど。
せっかくなら、どうでもいいところで、読者がつっかえてしまうような部分は、なくしておいたほうがいいかな、と思います……。
※ポケットの作者さんも、同意見でよかった。