川のほとりに立つ者は(読書感想文)
2022年10月に出た本。娘が図書館で予約していたのを拝借。
予想はしていたけれど、やっぱりいつも私の想像をはるかにはるかに超えて深い。通常、こういう内容は自分の心がえぐられる様な気持ちになるのだけれど、そこは寺地さん。「それもまたあり」というふんわりと受け止められる感じが優しい。
===== ここからはちょっとネタバレ =====
この本の中には、識字障害や大人のADHD、辛い環境で育ってきた方などが描写されている。でもそれがテーマなのではなく、目の前の人にどんな風に向き合っていくかについて苦しいくらいに考えさせられた。
「もう自分はこんな年だから、変わらない」と言う人も多いけれど。むしろ大人になっていろいろな人生と交わるからこそ、変わっていく価値観とか感情ってあると思う。
ある時それと真正面から向き合った時、それまでの自分が心底嫌になるかも知れない。それが苦しいから、敢えてそこに向き合わない人もいる。それでも、この本はそれを優しく受け止める。私はやっぱりダメだった自分も、恥ずかしくなる様な自分も、悲しい思い出も情けない姿も、抱えて生きようと思う。そうやって死ぬまで私は変わっていくんだ。
それでいい。それがいい。
そう思えた。
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