漁夫の利(ウソ前編)
いまから書くことは概ねウソなのだが――親子丼の進化がすさまじい。
親子丼と言えば東京では老舗中の老舗である人形町の「玉ひで」が有名だ。ここが親子丼発祥の地であることに間違いはない(間違いない!)のだが、先日、ちょっと不可解な情報を耳にしたので書き記す。
鶏肉と卵を煮込んだ丼飯。
この親子丼の原型となるものとして、シギの肉とハマグリの身を煮込んで米の上にかけた郷土料理が、どうやら古代中国には存在したらしいのだ。
その名もズバリ鷸蚌飯(ユーバンハン)。字面もズバリで、鷸(シギ)と蚌(ハマグリ)の飯である。
なんでも中華包丁でぶつ切りにしたシギの肉と殻付きハマグリを煮込む豪快な料理だそうだ。もともとはハマグリに限らず、二枚貝であればよかった、という話もある。
味付けは、塩のみ。
日本の醤油の始まりは、中国で味噌を学んだ人が帰国し、作り方を間違えてできた液体をなめたらうまかった、というところにあるとのことなので、味付けが醤油ではないのは当然のことだろう。
ではそんな「先祖説」がでるほどいまや国民食となった親子丼の、過去ではなくて、経てきた進化の過程は、さらに未来は、どのようなものであるだろうか?
まずは親子丼の派生をさらっておく。
(明日へ続く)
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