蟷螂の斧(ゆるい解説 & 雑記)
蟷螂之斧(とうろうの おの)。
武将の車に立ち向かってくるカマキリの話。
一般的には「無謀」だとか「身の程知らず」というニュアンスで使われることも多いのですが、「不利をものともせず勇敢に立ち向かう」場合にも最近では使われているようです。
もっとも試験で後者の使い方を、おそらく採点者の多くは「誤用」扱いにすることでしょうが。
しかしながら、個人的には誤用と言い切れない気もしています。
というのこの故事のラストで、車に乗っていた斉の荘公は、車を迂回させてカマキリを避けるように御者(ぎょしゃ)に命じるんですから。ということは、カマキリの身の程をわきまえない威嚇は、成功したとも考えられる。
さらにはこのカマキリは荘公から「この虫、人間だったらひとかどの者だぜ?」なんて認めてもらってもいるわけで。
「犬も歩けば棒に当たる」「情けは人の為ならず」など、使っていくうちに誤用が勢力を拡大していく表現もありますもんね。
余談ですが、カマキリは英語でmantisですが、これは古代ギリシャ語の「預言者」という意味の単語に由来します。なんでも両手の鎌が、祈っているように見えたんだとか。
同じようなことを考えた人がいたのかは知りませんが、日本でも「拝み虫」という愛称があるのがおもしろい。
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