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隠しポケット

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伝えたい本音を折って仕舞っとくそこそこ目立つ隠しポケット
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#短歌

『Green Slumbers』

『Green Slumbers』

草色のストール揺れて図書館の隅のテーブル君はまどろむ

(竹内亮)

頬杖でささえきれないまどろみの向こうであなたは数式を解く

(鈴木美紀子)

まどろみはほほえみに似て凍りつくどこへも行けぬ夢の魚たち

(倉阪鬼一郎)

目覚めたら喉が渇いていてだれも魚の頃の話をしない

(鈴木晴香)

一日の終をまどろむわたくしに今日を生き抜くわたくしが過ぐ

(中畑智江)

肉体を疲れに浸けて眠るまで壁に

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小比賀 品男の東京下段 #0(2017.4.16)

小比賀 品男の東京下段 #0(2017.4.16)

いまはただあなたひとりの真っ白なカーテンとして夕焼けを待つ

(穂崎 円)

 晴れた日の午後の慕情の部屋だろう。

窓の向こう側にいる恋人を待っている心が、いちまいのレース編みのカーテンのように繊細で麗しい。

やわらかな夕陽を透かす刻が訪れたら、いっそう神秘的にそれは煌めく。

キャンバスへと丁寧に配置された言葉が詩を超えて、耽美な絵画の世界を描き上げている。

 2017年4月16日 東京歌

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『詩歌の卵』(浮遊式鶏卵輸送法)

『詩歌の卵』(浮遊式鶏卵輸送法)

砂利道を全力で漕ぐ前カゴの卵パックを宙に浮かべて 自転車で行った買い物の帰り道で、パック入りの生卵が割れてしまうことがたまにある。

安売りの卵は必然的に容器も安物だから仕方がない。

仕方がないのだが、今は夏だ。

夏だから熱気に直に触れた生卵は、すぐに腐ってしまう。

腐ってしまうのはつらいから、割れた生卵をその場で飲む。

一個ならいいのだが三、四個割れるとさすがにきつい。

 卵が割れてし

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虫武一俊  第一歌集『羽虫群』

虫武一俊  第一歌集『羽虫群』

舞う虫が織り成す闇と光との秀逸な対比のレトリック

よれよれのシャツを着てきてその日じゅうよれよれのシャツのひとと言われる

鴨川に一番近い自販機のキリンレモンのきれいな背筋

この夏も一度しかなく空き瓶は発見次第まっすぐ立てる

立ち直る必要はない 蝋燭のろうへし折れていくのを見てる

虫武一俊 /『羽虫群』

実を申しますとこの第一歌集には過度の期待はしていませんでした。

何故なら私は著者の

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