トラウマは運命学からは見えない。書籍「心の傷は遺伝する」解説-06
このnoteはアメリカで心理療法の臨床をしているマーク・ウォリンさんという方が書いた「心の傷は遺伝する」という書籍について、阿含宗会員信徒ならではの視点で解説をする連載の第6回目となります。
今回は四柱推命、紫微斗数、西洋ホロスコープ等々を用いて実際に占断をしている人に向けた内容を目指して書いています。
先に結論を言いますと、ここで取り上げているマーク・ウォリンさんの言う「トラウマの世代間連鎖」は阿含宗で言う「霊障」と同じものなのですが、これは運命学の外側に存在する運命の星です。
その影響範囲は、恋愛・友情・職業・病気・死に方にといった人生のほぼ全てが対象です。影響範囲に「死に方」とある通り、この運命の星は、人間の人生に致命的なダメージを与える力を持っています。それだけのエネルギーを持ちながらも、運命学では見えません。
場数を踏んでいる方ならば、占盤からは見えない何かがあることに思い当たることでしょう。
「トラウマの世代間連鎖」とは?
他者への恨み、病苦、失敗した人生への後悔をトラウマ、心の傷として抱えて死ぬと、その想いは阿含宗用語で言うと「怨念」、マーク・ウォリンさんの言葉で言うと「苦悩の衝撃波」となり、世代を超えて継承されます。このトラウマを継承する現象を阿含宗用語で言うと「霊障」、マーク・ウォリンさんの言葉で言うと「トラウマの世代間連鎖」と呼びます。
「霊障」「トラウマの世代間連鎖」を受けると「運命の反復現象」、マーク・ウォリンさんは「同化」と命名している現象が発生します。これは恋愛・友情・職業・病気・死に方にといった人生のほぼ全ての出来事について、「霊障」「トラウマの世代間連鎖」を発している人と同じような人生を歩む現象です。
ここまでを第3回までに説明しています。
運命学っぽい言い方でこの現象を説明しますと、先祖の悪い運命の星を、子孫が自分の運命の星として継承するという意味になります。占盤で見える通常の運命の星と同様に、星を継承する際に自分の意志は関係ありません。
そして、この星は占盤からは見えないのです。
この占盤からは見えない星を、阿含宗では「霊障」と呼び、マーク・ウォリンさんは「トラウマの世代間連鎖」と呼んでいます。
阿含宗開祖は、宗教家として活動を開始した最初期の頃は、四柱推命、紫微斗数、九星といった運命学を駆使する、すげーー当たる達人でした。運命学を用いる理由は、悩める人を救うための活路を見出すための手段とするためです。
そんな達人の占断でも、時々当たらない人が出る。
何度、占盤を見直してみても、占盤には無い不可思議な運命の星に翻弄される人が現れる。百人に1人くらいは当たらない人がいて、あなたはその1人なのだから我慢しなさい、と言えるわけがないのだから悩ましい。運命学が全く当たらないならば運命学に対して諦めも付くけれど、大半は当たるのだから、どこかに見落とし、見えない何かがあるはずです。
この見えない運命の星の正体は何なのか?
それはどこから来るのか?
どうすれば対処可能なのか?
阿含宗開祖は、ずっと、その道を探求してきました。
運命学で多くの人々の人生を見てきた人ならば、似たような悩みを持ったことがあるのではないでしょうか?
例えば、こういう事例に遭遇したことがありますよね?
運命学上では、自殺・他殺・事故死といった死に方をしないはずの人なのに痴情のもつれで刺されて死んでしまった
それなりに幸せな家庭を持つことができる運命の星を持っているのに、なぜか子供ガチャが外れて、不良化した子供がとんでもない事件を起こし、家庭が崩壊し、社会的な地位も評判も財産も全て失ってしまった
占盤上では問題が起こることは見えていたけれど、星の並びから想定していた数倍以上の悲惨なトラブルに発展している
これ以外のことは、ほぼ占盤の通りだったのに、今、目の前で起きている大惨事はいったいどこから来たのか?
経験、場数がある人ほど、遭遇しているはずです。
阿含宗開祖は、修行の結果に霊視能力を得て、その霊眼によって、今まで運命学で発見できなかった不幸の原因は、先祖の怨念が見えない力で人々を魂レベルで動かしていることであると突き止めました。
このnoteで書籍を紹介しているマーク・ウォリンさんを含む欧米の一部の心理療法をしている現場の人たちは、運命学を全く知らない人がほとんどでしょうが、人々の不幸の原因が先祖の人生における失敗によるトラウマが世代を超えて継承するという「トラウマの世代間連鎖」という現象があるのだと主張しています。
運命学で見えている星とは何なのか?
運命学で見える運命と、阿含宗でいう霊障、マーク・ウォリンさんの言う「トラウマの世代間連鎖」は、運命の流れが違います。
運命学で見る運命の星というは、阿含宗用語で言えば「横の因縁」というもので、自分の前世から引き継いできた積徳と悪因悪業に基づく運命の星です。運命学が見えているのは、この流れだけです。
それとは別の運命の流れがあります。それは家系の運命の流れ。
善行による徳や悪因悪業は個人だけに積まれるものではなく、家系にも積まれます。家系が持つ大きな運命のエネルギーがあり、これを阿含宗用語で「縦の因縁」と呼んでいます。
Aさんは新たにこの世に生まれ変わってくる時に、Aさんの持つ積徳や悪因悪業の何かがB家という家系に紐づいて、Aさんという運命のエネルギーとB家の家系の運命のエネルギーが結合して、新しいCという魂に変化してB家のCさんという新しい人物としてこの世に生を受ける。そのCが「あなた」です。
Aさんという前世の魂が、そのまま今生に生まれ変わってくるわけではないのです。Aさんの魂がそのまま生まれ変わってくるという考え方は常住不変のアートマン思想、常見の思想といって、心情的になかなか納得できないとは思うけれども、これはお釈迦様自身が説いた阿含経に残されている本来の仏教の教えで否定している考え方です。
そして運命学では、Cさんの要素の一部である前世のAさんから引き継いだ運命の星だけが見えている。
例えば同時刻に生まれたCさんとDさんは、運命学的には同じ運命の星を持っているはずだけれども運命学の星を超えて異なる人生を歩む。その差異はどこから発生するかと言うとCさんとDさんの魂に含まれるそれぞれの家系の運命エネルギーです。
運命学は横の因縁、前世から引き継いだ運命の星だけを見ています。
マーク・ウォリンさんたち一部の心理療法の人たちは「トラウマの世代間連鎖」、家系の運命のエネルギーを中心に見ていて、自分自身が持っている前世から引き継いだ運命の星については、おそらく考えていません。
心理療法のひとつ、前世療法の人たちは、自分の前世の記憶と、霊障「トラウマの世代間連鎖」を引き起こしている他人の記憶を、全部まとめて自分自身の前世の記憶として扱っている可能性があります。
阿含宗は運命学を否定しているわけではなくて、横の因縁、前世から引き継いだ運命の星の流れがあり、それとは別に家系の運命の流れがあり、その両者の交点が自分であるという考えです。
両者は不可分なことが多いです。例えば運命学上で不倫をする運命の星を持っていた場合、大体において先祖に不倫で人生をダメにした人がいて、その人の霊障「トラウマの世代間連鎖」を受けており、運命学上の運命の星のエネルギーを増幅させるかたちで不幸が押し寄せるという認識です。それに追加して、運命学では出てこない家系由来の運命の星もあるということです。阿含宗の結論は、人間の不幸の6割以上は、先祖・家系由来の運命の星が原因である、としています。
運命学上では、自殺・他殺・事故死といった死に方をしないはずの人なのに痴情のもつれで刺されて死んでしまった
つまり、こういうパターンです。痴情のもつれは運命の星で見えていたけれど、想定以上にトラブって(霊障による増幅効果)、しかも運命学の星からは刺されないはずなのに刺されて死んでしまった(先祖からの霊障「トラウマの世代間連鎖」)。
運命学を職業としている方へ伝えたいこと
現時点の日本において、マーク・ウォリンさん系列の「トラウマの世代間連鎖」の存在を前提に心理療法をしている方たちが存在するのかどうか、ボクは知りません。
別のnoteで記載しますが、阿含宗会員信徒としては、マーク・ウォリンさんたちの問題解決方法は危険すぎるのでオススメしませんし、彼らは心理療法の面から「こころ」の問題解決を目的としているのであって、痴情のもつれで刺殺されてしまう運命を変えることを目的とはしていません。
ましてや、不良化した子供によって家庭内暴力が吹き荒れる家族に対して、子供をアメリカまで連れて行ってマーク・ウォリンさんたちの心理療法を受けましょうとアドバイスしたところで、不良化した子供を海外へ連れて行くことは極めて困難だし、そもそも我々日本人と英語を話す心理療法士で言語が異なるのだから、診療不可能でしょう。
noteには仏教の修行とはマインドフルネス瞑想をすることだと自信満々に語っている人が随分いるけれど、家庭内暴力で大暴れしている子供の問題解決をする為に、誰がマインドフルネス瞑想をすると誰が救われるのか?親がマインドフルネス瞑想をすると子供の家庭内暴力が治ると思っているのか?大暴れしている子供が自分を変えるためにマインドフルネス瞑想をするとでも思っているのか?仏教は自分が瞑想修行をすることで自分を救うのであり他人を変えることはできないと自信満々に言っている自称仏教者は頼るに値しない。
運命学の範囲で解決できる問題はたくさんあるはずで、多くの人にアドバイスをしてトラブルを未然に防ぐ、あるいは歩むべき道からズレている人に違う道を提示することは、とても重要な事だと思っています。
でも、この案件はヤバい、運命学の範囲を超えた何かが起きていて相談者の命に関わる問題かもしれん、自分の手に負えない、これが霊障「トラウマの世代間連鎖」というものなのだろうか?と思い至った時、運命学を生業とする人にとっては悔しいかもしれないけれど、その方を救うために、阿含宗に行くようアドバイスするという選択肢を心のなかに持っていていただけるとありがたいです。
なぜならば、阿含宗には霊障「トラウマの世代間連鎖」を消滅させ、運命を変える方法があり、我々はそれを実践しているからです。
苦境にある方を救うためにご協力いただけましたら幸いです。
このnoteの文章は、これを伝えるために書きました。