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なぜ泣けないと言われて後悔した夜

ここ数日もう、この子猫ちゃんみたいな顔。
些細なことで大ケンカして、仲良くしていた人と行き詰った。

「私、ここ3日ずっと泣いてるの知ってる?」って言われて、なんとなく分かってたけど、これで3日も泣けるなんて感受性豊かだなーと感心した。(ケンカ中なのに)

電話越しで「涙もでないわけ?」って言われて何も言い返せなかった。

思えば、最後に泣いたのはいつだろうか。おそらく数十年前かな。
小さい頃は泣き虫だった。その時に泣きすぎて涙が枯れたのか、それとも感情が死んだのか、自分でもよく分からない。でも「男なら泣くな!」って平気でぶたれる。そういう時代でもあった。

大人になった。
突然やってくる別れ、無情な災害や戦争。ショックがあまりに大きすぎて、涙も出ないことが増えた。いつしか好きなものもできた。僕は情熱の炎を燃やすことに没頭し、その火を守るためならと余計な感情を捨ててきたように思う。大人になったから、何事も割り切って自分が涙しなくていいよう都合よく解釈してきたのかな。感情的になることを避けてきた。

涙できる人を羨ましく思う。自分の感情に素直なままで、一生懸命に生きている。

人生100年時代でみんなが長生きしたがる世の中。でも、自分は情熱が尽きたら死んだも同然だと思っている。そんな覚悟で、研究したり好きなことに命を燃やしている。でも、その火種を守りたいがために、火を温かい色に変える感情をどこかに置いてきた気がした。ケンカしてから気づいては遅いのか、ケンカしたから気づけてよかったのか。。結局、自分は人に生かされていると知って不思議な気持ちになった。


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