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女子達は明日を知らない


「これのことなんて言う?」
「リモコン」
「だよねぇ」
「なんで?」
「いやさ、職場で、これのことを変な風に呼んでる人がいてさ」
「へぇ、なんて?」
「えっとね…あれ、何だったかな」
「え、そこが論点なのにそこ忘れたの?」
「いやー、そう、あまりにも不思議すぎて」
「なんだろう」
「えっとーカタカナだった」
「リモートコントローラー」
「それは正式名称だよね。そうじゃなくて」
「モーコン」
「変なとこ略したパターンね、そうでもなくて」
「コントローラー」
「最後だけ取っちゃったのね、いや、そういうことじゃなくて全く別物だった」
「ピッ」
「それも確かに変。でも効果音とかでもない」
「ピッコロ」
「ピッとコントローラーみたいな?まさかの大魔王になっちゃったね。あー、でも近いかも」
「シャープコン」
「まさかのメーカー入っちゃったやつ。うーん、なんか離れた」
「ピッコロとシャープコンの違いがわからないんだけど。リズム?」
「そんな感じ。あるじゃん、なんかこう、ニュアンスで違うなってわかるやつ」
「ピッコロピッコロ…コロッケ」
「確かに別物だね。あー、そんなんだったかなぁラ行が入ってた気がするのよね」
「ラ行…やっぱりリモコンじゃん」
「そう、そうだよね。そうなのよ。あー、もやもやする」
「私の職場の上司は関西出身で、リモコンのことチャンネルって言ってたけどね」
「ん?」
「いや、だから、チャンネル」
「それだわ」
「え?チャンネルなの!?」
「そう。チャンネルって言ってた。リモコンで変えるものがチャンネルじゃないですかー!って言ったもん」
「全然似てないんだけど、ピッコロとチャンネルって」
「ピッコロチャンネル…みたいな」
「どこのYouTuberよ、それ」
「ダメだおかしい。ピッコロって、おい」
「いやいや似てるって言ったじゃん」
「その時は似てると思ったのよ」
「あんたのニュアンスの感じ、当てにならなさすぎ」
「何この無駄な時間」
「本当それ。笑わせないで」
「そっちこそ、笑わせないでよ」
「お腹痛い、、」
「私も、、」

「何これ、楽しい。幸せかよ」
「ほんと、私たち、幸せだよ」

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