音楽を作りたかった女
大好きな音楽を作るあの人に憧れて
私も音楽を作ることにしましたが
いかんせん初めてなもので
何も勝手が分かりません
周りでやっている人もいないので
誰かには聞くことも叶いません
インターネットに聞いてみました
それでもよく分からなかったので
とりあえず書いてあったものを全部
買ってみることにしました
説明書がついていたので読んでみました
少しいじることが出来たので
1歩前進した気がしました
自分の思い通りに音をいじれるこの機械を
ミキサーというそうですが
これは音を作る上で現段階ではあまり必要なさそうです
だから私は捨てました
また必要になったら買うからいいのです
私はまたよく分からなくなりました
前進したのに後退しているようです
そこで私は気付きました
一番いい方法があるじゃないかと
憧れの大好きなあの人に聞けばいいのです
そうと決まれば善は急げ
私はあの人にメールを送りました
あなたに憧れて音楽を作ろうと思ったこと
機械を全て買ったこと
必要なかった機械を捨てたこと
全部書きました
いつまで経っても返信はきませんでした
何でだろう送れてなかったかなと思ってもう一度送りました
けれど1ヶ月後も返信はきません
だから会いに行きました
そうしたら警察を呼ばれてしまいました
無視した向こうが悪いのに
私はとても悔しかったので
その時の思いを歌にしました
何も編集はできません
いいマイクで録音してアカペラです
動画配信サイトで声だけでアップしました
とても反響がありました
びっくりするくらいありました
メールがいっぱい来ました
あの人のメールが来ても
きっと埋もれて分からないくらいに
今では私の方が売れっ子です
有名なあの人よ
あの時返信をくれなくてありがとう
私は今とても幸せよ
今頃返信がきたけど
もう返してあげないんだから
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?