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目標達成に必要なのは「本音の感情」

前回は「行動変容しない内省文の4つのワナ」と題して
新たな行動を導くための内省文の書き方のノウハウをお送りしました。

今回は、その内省によって行動を変えて、目標達成したり、ありたい姿
を実現するためには、いったい何が必要なのか。
できたことノートが生まれた理由も含めてお伝えしたいと思います。

さて
企業で行われる「研修」の問題点は、学んだ後に行動しないこと。
要はやりっぱなしになることです。
日米で特許を取得した「行動改善システム」は、
(当時はActionT.C.という名称、今はPDCFAシステムと呼ばれる)
このやりっぱなしの研修を解決するために、職場に戻った後の
行動変容を以下のプロセスで支援します。

1.研修でのグループをチームとしてメンバー登録する
2.研修で決めたアクションプランを登録する
3.週1回、システムからリマインダーメールが届く
4.行動のセルフチェックと振り返り(内省文)を行う
5.チームメンバーにフィードバック依頼がメールされる
6.メンバーとフィードバック(FB)し合う
7.内省とFBによって行動変容する

これを繰り返すことで最適な行動を見出し目標達成していきます。

このシステムを使ってお互いにフィードバックし合うのはいい
のですが、実は大きな問題にぶつかりました。それが

「目標達成する人としない人に大きく分かれる」

という事実です。
確かにアクションプランは実践されているのですが、
目標達成にとって効果的な行動かどうかは疑問でした。
人によって大きく差があったのです。

「いったいなぜなんだろう」とデータ分析を進めました。

行動科学、認知科学、情動科学の過去の研究とも付き合わせながら
10000人以上の行動変容データと格闘しました。

その結果分かったことは

目標達成する人は、内省文に「本音の感情」を書いている人が多い
という事実です。
逆に達成しない人は取り繕ったような薄い文を書く傾向があるのです。

さらに研究を進めると本音の感情を書く人が目標達成しやすい
明確な理由が見つかりました。それは

「周りからの力強いフィードバックが長続きするから」

という事実です。
フィードバックによって気づき、目標達成にとって
最適な行動変容が導き出される確率が格段に増すのです。

PDCFAサイクルが続けられるのは、熱のあるフィードバックが鍵。
私はこの事実を受けて

「目標達成の最大の敵は”孤独”である」と結論づけました。

次の問題はこの「本音の感情」をどうやって書けるようなるか、
ということです。
心を閉じている人に、自己開示せよというのは酷な話であり、
もっと心が閉じてしまう危険性さえあります。

そうならないためには、どうしたらいいのか。

さまざまな研究から導き出されたテーマは「自己肯定感」でした。
自己肯定感が高い状態だから人は本音の感情を周りに開示するのです。

調べていくと、自己肯定感が下がる理由が「他との比較」であるとわかり、
「できたこと」にたどり着いたのです。

「できたこと」であれば、事実ですから誰かと比べる必要がありません。
「できたこと」なら結果主義に陥らずプロセス重視となり、努力した点に
着目させることができます。
さらに、「できたこと」を目的思考することで、足りない点も前向きに
捉えることができるということも発見しました。

もともと、クリティカル・シンキング(目的から考え、健全に疑う思考)
をいかにさせるかが目標達成のための行動変容にはポイントだったので、
それが繋がったことも大きいことでした。

以上が「できたことノート」は生まれた経緯となります。

今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。

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今回のコラムに関連するコンテンツが以下に上がっていますので
継続的に学習する方はご利用ください。

noteならテキスト、YouTubeなら動画、PodCastなら音声と
自分の好きなメディアを選ぶことができます。

・テキストで学ぶ(noteの記事)
【目標達成する人の内省文には「本音の感情」が書いてある】

・動画で学ぶ(YouTube動画)
【目標達成に必要なのはあなたの「本音の感情」】


・音声で学ぶ(FMラジオ:ポッドキャスト)
【#10 心のフタがあくと見えてくるもの。そして行動が変わる】

これら音声、動画、テキストの全て、毎週コンテンツを追加・更新していますので、
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では次の号をお楽しみに。

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永谷研一の「できてる」通信 
Vol.011               (2024/10/30)