見出し画像

自堕落を楽しむ

私はダラダラゴロゴロするのが好きだ。
身体に良くないとは知っていてもインスタントラーメンをすすったり、缶チューハイを飲みながら夜中までおつまみをしがんだり、朝っぱらからバター醤油ご飯を食べてしまったりする。
だがそれは自律した生活習慣の上で成り立つ私の趣味だ。

数年前、上長に「頼むから休め」と怒られるぐらいには毎月残業しまくっていたころは
家に帰っても人間らしい生活はあまりできなかった。
メイクを落とす気力もなくそのまま寝落ちてしまい
起きても疲労が抜けておらず身体がつらくて
まさにゾンビのようにベットから這い出てシャワーを浴び、なんとかやる気スイッチをオンにする毎日。
基本的に1日オフを作らないので(作っても半日オフ)、唯一意識的に公休日にする毎月1日はプライベートでも絶対に予定を入れず寝て過ごすことがほとんどだった。
究極に必要な時しか片付けはしないので部屋は荒れ放題。

お客様の疲れを癒し美の応援をする仕事なのに
自分のことは疎か中の疎かで、セラピストながら医者の不養生とかいう言葉がピッタリな生活。

それでも職場でスタッフやお客様に会うと元気が出てきてなんだかんだでそんな生活でもぶっ倒れることなく過ごせていた。
仕事自体はめちゃくちゃに楽しかったのだ。

が、その勤めていた会社が倒産し新しいサロンにお世話になり始めた頃に、今までのツケかと思うほど全てがガタガタになりわずか半年ほどで退職を決めた。
厳密に言うとその時既に万全でない心身に「新しい環境」というストレスがとてつもない負担となって心が折れてしまった。

場所を替えてもずっとお世話になっているお客様からは「新しいお店に入ってから無理してるように見えた」「ちょっと様子が違った」「なんか雰囲気変わった気がした」とあの頃を振り返ってそう仰られることがあったし
せっかく私の新天地へ施術を受けにきてくれた元上司にもその場で「永槻もうやばいでしょ」と看破される始末。

そんなこともあって
息も絶え絶えのミジンコみたいな気力だけで今まで生きながらえていたことを素直に認め反省し、緊急事態宣言で強制的に休まざるを得なくなった期間をきっかけに生活習慣をとことん見直した。

・朝起きる
・夜更かししない

ベースはたったこれだけ。

そこに、
・起きたらちゃんとカーテンを開ける
・朝日を浴びながらストレッチかメディテーションをする
・在宅ワークは8~17時と決める
・その日のうちにメイクを落とす
・少しずつ部屋を片付ける

などのタスクを追加しつつわざわざToDoリストにして生活の健全化を目指した。

夏からは基盤となった新しい生活習慣にプラスして
・食べるものを自分の気分ではなく身体の状態に合わせて決める
・ストレッチの後に軽いエクササイズをする
・お風呂にゆっくり入る日はセルフケアもしっかり行う

を追加してダイエットも開始した。

お陰で部屋も過ごしやすくなったし、大嫌いだったストレッチも好きになったし、減量にも(最終目標達成までは道半ばだけれど)概ね成功したと思っているので
今は身体に気を付けながらゆるゆる生活を楽しんでいる。

自堕落という言葉を辞書でひいてみると、

 (1)行儀や態度にしまりがなく、だらしない生活を送る。
 (2)ふしだら、きちんとしていない。

だそうだ。

健全な生活習慣を築けたからこそ、たまの自堕落が楽しく罪悪感なく過ごせる。
全てはメリハリだ。

辞書の意味を借りるなら、ゾンビのような生活ももちろん自堕落だが
その原因となった残業ばかりで仕事モードが抜けない状態もまた自堕落といえるのではないか。

中学時代の校長が「自律をしましょう」と口酸っぱく朝会で言っていたのを思い出した。

ジリツ、ダイジ。ゾンビ ニ ナラナイ ヨウニ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?