顔 「Kisikaの日記」6
h16/03/13
私には顔が無い
顔と言えるようなものは
冬の空へ溶けて行ってしまった
それなら手鏡に映っている
この白い肌は何でしょう
この白い頬は何でしょう
顔が無くて 目も無いのだから
何も見えない筈なのに
目眩がたびたび襲って来て
そのとき世界は
狂おしいほどステキに見える
私の顔が溶けて行った
冬の空に雪が降りそそぐ
山肌は蒼く
夏の雷雲のような
大きな黒い雲の
輪郭だけが光っている
遠くで空が光っている
何も見えない筈なのに
私には顔が無いのに
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