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【短歌】31文字に世界をまとめるのではなく、31文字で世界を切り取る行為なのかもなんて考えた 9月3-12日分

 短歌について、未だ、ちゃんと勉強ができていない。友だちに教えてもらって、穂村弘さんの本を買ってはみたけど、積読になったまま。基礎みたいなものを押さえた方がいいのはわかっているけど、なんだか、とんでもない扉を開いてしまいそうで躊躇している。

 ダニング=クルーガー効果というものがある。新しいことを始めたとき、人はこれまでの価値観に存在しない知識を身につけるため、自分は凄い成長していると錯覚しがちという認知バイアスの仮説である。転じて、経験不足な初心者ほど自信過剰になり、その世界の奥深さを認識しているベテランほど謙虚になると言われている。

まさかのフリー画像! マニアック過ぎる笑

 いま、わたしはなんとなくで短歌をネット上にアップしているけれど、ちゃんと勉強した途端、こんなものを表に出すなんてあり得ない! と恥ずかしくなってしまうかもしれない。だったら、このぬるま湯状態を維持していたいと願ってしまう程度には弱い人間なのである。

 でも、そんな気持ちで続けていても意味がないとはわかってはいる。高校生の頃、現代文の授業で読んだ夏目漱石『こころ』に出てくる「精神的に向上心のないものはばかだ」のセリフが頭をもたげる。近々、しっかり勉強しなくては!


9/3 お題「大人」

エビサラダ 青豆 チキン エスカルゴ
ワインデカンタ ドリア ティラミス

 サイゼ呑みのことです笑 子どもの頃はサイゼリヤって家族で行ったり、友だちと行ったり、ほのぼの使うイメージだった。ドリンクバーとミラノ風ドリアで500円とか600円とか。お小遣いで楽しむ感じ。

 ところが大人になってみると、サイゼリヤの見え方が変わってきた。ワイン安過ぎ! おつまみあり過ぎ! というか、外で呑むのにこんな野菜が食べられるってありがたいって! そんなわけでわたしにとって、サイゼリヤでお酒を呑んでいると大人になったなぁとしみじみ感じてしまうのです。

9/4 お題「ノート」

東大に受かった人のノートって
やたら綺麗かやたら汚い

 むかし、東大生のノートは美しいという本が流行った。それを読むと綺麗な文字でカラフルに内容がまとめられていて、頭がいい人は整理がうまいんだなぁと感心したものである。

 ただ、その後、「今でしょ!」の林修先生がテレビで東大に受かるやつのノートは大抵汚いと言っているのを目にした。ネットにも林先生に共感している東大生がたくさんいて、それぞれ、真っ黒に書き殴って自分のノートを写真でアップしていた。曰く、東大生は授業を一回聞けばすべて覚えてしまうから、綺麗にまとめて見返す必要がないんだとか。なんというか、どっちにしろ極端ですよね笑

9/5 お題「香り」

いつもより遅く目覚めた通学路
知らない香り知らない活気

 学生だったとき、朝早く起きて、夕方まで学校にいるのが当たり前だった。そのため、平日の昼間、街がどんな顔をしているかを知らなかった。そのことに気がついたのは寝坊してしまったときだった。

 慌てて、学校へ急ぎながらも、いつもの登校時にはすれ違わない幼稚園児だったり、お年寄りだったりが平和に暮らしている風景を目にして驚いた。当たり前だけど、ここにはたくさんの人が暮らしているのだと改めて思い知らされた。

9/6 お題「歌」

平成は自分を楽に表せた
着うた変えたりメアド変えたり

 テレビで平成に流行った曲の特集をやっていた。どれも懐かしいんだけど、ストレートにノスタルジーを感じるわけではなくて、頭の中で音質が低下したものが流れた。どういうことかと言うと、わたしはその曲をCDで聴いていたわけではなくて、ぜんぶ、着うたフルで聴いていたのだ。

 バンプとか、レンジとか、EXILEとか、JUJUとか、ヒルクライムとか。そのときの気分に合わせて変えまくっていた。メアドもそうだった。付き合っている相手が変われば当たり前のように変えていた。部活の大会を頑張るとか、期末試験を頑張るとか、そういう決意表明を〇〇@docomo.ne.jpでやっていた。

 ある先輩がhayaku_au_ni_kaetai@docomo.ne.jpにメアドを変えた連絡を送ってきたことがある。その狭い空間に無限の可能性を感じたものだ。たぶん、あの頃は全国に詩人な中高生がたくさんいたに違いない。

9/7 お題「嘘」

本当はあなたのことが好きだった
なんなら今も……なんてね嘘よ

 年齢を重ねてからの同窓会で、久々に、片想いしていて相手と会ったとき、浮かれた気分でこんなことを言ってしまうのかなぁ、なんてことを考えた。お酒のCMなんかでありそうなシチュエーションだよね。ベタだけど、やっぱりいいなぁと感じる。

 最近は同窓会ってあるのかなぁ。わたしは呼ばれていないだけかもしれないけど、これまで一度も同窓会に参加したことはない。でも、同級生と疎遠なわけではなく、LINEグループでしょっちゅうトークを交わしてはいる。そのつながりから気になる人の近況はだいたい把握しているので、案外、むかしみたいな同窓会はもはや存在しないのかも、なんて思っている。

9/8 お題「青」

赤っ恥頭真っ白青二才
茶化し茶化され桃色吐息

 嫌に関する言葉を並べてみたくなった。できれば意味が通るようにしまくって、でも、最後は綺麗な色で締めたくて、桃色吐息を置いてみた。どういう意味かはわからないまま。

 てっきり、もともとある表現かと思っていたが、調べたら桃色吐息の初出は髙橋真梨子さんの歌だった。作詞家は康珍化。タッチもそうみたい。ヤマトナデシコ七変化も、ギザギザパートの子守唄も。謎だけど、記憶に残るフレーズを作るのが上手なんだなぁ。凄過ぎる!

9/9 お題「朝」

朝は完璧 寝坊してもおはよう
雨が降っても Good Morning

 物心ついたときから朝に関する言葉って、矛盾しているなぁと気になっていた。遅く起きた朝も「おはよう」と挨拶する。英語では天気が悪くてどう考えても微妙な朝でもGood Morning! え? どこがいいわけって一人で突っ込んでいた。

 でも、まあ、この年齢になると朝ぐらい明るくしておかなきゃ一日を乗り切るのは大変なんだとわかってきた。なるほど、これは人類が毎日を楽しく過ごすための発明だったのだと腑に落ちた。ただ、そんなこと、知らないままでいたかったけどね。

9/10 お題「バイク」

「あの子ってバイク事故で亡くなった……」
「そうなの! いまもバイトに来るの!」

 短歌でストーリーを想起できるものができないかなぁって視点で作ってみました。31字で状況を説明するのは難しいから、ちょっとした会話のやり取りでなにが起きているのか連想できると面白いかなぁって。

 つい、自分の癖が出て、ホラーな感じになってしまいました。でも、怖いだけだと風流じゃないから、コミカルな要素も出してみたつもり。たぶん、この子はとっても真面目なんだろうなぁって。一緒に働いている同僚も嫌がっていないはず。

9/11 お題「命」

「なによりも命が大事」そう語る
我らの方がマイノリティかも

 世界中で続く戦争のニュースを見ながら、自分が信じてきた「なによりも命が大事」という真理の確かさが揺らぎ始めている。これはとても恐ろしい。だって、命が安いということになったら、平和なんて成り立つはずがなくなってしまうから。

 でも、というか、本当のところ、人類の大多数は命を大事と思っていない。平和を愛するなんて、偶然この時代の日本に生まれることができた運のいいわたしたちの戯言に過ぎないのだろう。

 じゃあ、戦争を仕方ないものとして受け止めることができるかって聞かれたら、絶対にできない。そう。マイノリティであったとしても、「なによりも命が大事」と信じ続けたい。理屈じゃない。そうじゃないと嫌だから。純粋な感情論でわたしたちは平和のために理想を語らなくてはいけない。そんなことを考えている。

9/12 お題「化粧」

白だしとホタテエキスで丁寧に
化粧するよに白菜を煮る

 わたしに料理を教えてくれた元祖日の丸店という中級ユーラシア料理店のマスター、ペペ・アンドレさん。過去にも記事で何度か紹介しているけれど、そんなアンドレさんがいつだったか白菜の美味しい食べ方を教えてくれた。

 それが白だしとホタテエキスで丁寧に煮るというもの。醤油を使うのはNG。鰹や昆布の出汁も色がつくのでよくない。白菜の肌は白くて綺麗だから、お化粧をするように仕上げてあげなきゃいけないとのことだった。料理って、素敵だなぁと思った。


以上、9/3〜12の短歌でした!




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