見出し画像

【短歌】参加するお題を増やして1日3首詠んでます。いまのところ、意外になんとか詠めてます。できるだけ、続けていきたい! 9月13-22日分

 Xで短歌を詠み始めたので、同じことをしている方々をフォローさせてもらったり、フォローしてもらったり、関係性が広がっている。そうすると、わたしが参加していた以外にもお題アカウントが存在することがわかってきた。

 SNSで短歌が人気という記事を読んだことはあったが、いざ、こうして目にしてみると本当なんだと驚かされる。で、その記事を読み返してみると、いま、わたしが参加させてもらっている「単語で短歌」を運営されている野口み里さんのインタビューが掲載されていたので、テンションが上がった。

 そして、短歌とSNSの親和性について、野口さんが語っている内容がとてもよかった。

「歌人の岡本真帆さんが注目されるきっかけになった『ほんとうにあたしでいいの?ずぼらだし、傘もこんなにたくさんあるし』がSNSで話題になったとき、下の句をたとえば『メールの整理もできやしないし』など自分のずぼらさに大喜利的に置き換えるのが流行(はや)りました。それってSNSっぽい感覚だし、『私にもできそう』と感じさせやすかったと思います」

AERA「SNSの短歌ブーム、なぜ俳句ではないのか? 短歌にあって俳句にないものとは」より

 大喜利っぽいから参加しやすいというのはめちゃくちゃ頷ける。だからこそ、同じお題で他の人はどんなことを詠んでいるんだろうと確認すること楽しいんだよね。

 また、ある意味で、クスッと笑えたり、その視点があったのか! と驚くことができれば、短歌として成立しているとも言えて、芸術性がなかったとしてもとりあえず表に出せる。そのハードルの低さがよいと常々感じている。

 これらはやりながら、肌感覚としてなんとなく認識はしていた。でも、言語化まではできていなかったので、絶えずこれでいいのだろうか? という不安があった。

 ただ、こうして方向性が掴めるとこのまま進んでも大丈夫という自信がついてくる。で、せっかくなら、可能な限り短歌を詠みたくなってきて、「短歌マガジン(次世代短歌)」さんのお題にも参加するようになった。

 それが9月21日のこと。量が増えて大変かなぁと思っていたが、一週間ぐらい経った現在、意外になんとかやれている。できるだけ、このまま続けていきたい。


9/13 お題「髪」

あれだよね? 飛び起きすぐに来たんでしょ?
(なのに髪型キマり過ぎでは……)

 寝坊したと連絡があり、「すぐ行く」と言っていた友だちの髪型がばっちり決まっていたとき、なんかモヤモヤしてしまう。いや、もちろん、外出しているわけだから身だしなみを整えるのは当たり前かもしれない。当たり前かもしれないが、ちゃんとし過ぎでしょ!

 とはいえ、立場が変われば、自分だって「すぐ行く」って一報は入れるもんね。ひとまず向かう意志があるということは伝えなくちゃ、と。それで優しい返事がくるとホッと一息。普通に準備を始めちゃうというのもわかる。実際、ボサボサな髪の毛で来られてもって話だもんね。

9/14 お題「神」

信じない者もこれから救うので
セコいはやめてウルトラソウッ!

 B'zのベストアルバムをはじめて買ったとき、『愛のままにわがままに 僕は君だけを傷つけない』という曲名とは信じられないほど長い曲名に驚いた。聞いてみるとサビを丸々タイトルにしているんだとわかり、そんなことをしてもいいのかと感心してしまったものだ。

 その歌詞にあった「そう信じるものしか救わない せこい神様 拝むよりは」ってフレーズがずっと頭に残っている。たしかに神様なんだったら、信じないものでもまとめて救ってくれなきゃおかしいよなぁ、と。同じことを考え、実践したのが親鸞だったと知ったのはもっと後のことだった。

9/15 お題「猫」

公園の和式便所で水を飲む
三毛な首もと銀色キラリ

 たまたま通りかかった公園で、にゃーと鳴く猫の声が聞こえてきた。どこからだろうと探してみたら、公衆便所が見えてきた。中を覗くと綺麗な三毛猫が和式便所で水を飲んでいた。

 あー、汚いよ。そう呼びかけると猫は慌てて逃げていった。そのとき、首元についた銀色の鈴がきらりと光り、ちりんちりんと可憐な音を立てていた。たぶん、立派な家の子なのだろう。不良やってるなぁとしみじみ思った。

9/16 お題「泡」

泡沫の日々であってもかまわない
肺に睡蓮咲き誇るなら

 ボリス・ヴィアンの小説『うたかたの日々』がとても好きだ。フランス文学だけど、めちゃくちゃぶっ飛んだストーリーで面白い。まぶたの端をハサミで切ってしまったり、スカートをしながら周囲の人を平気で殺してしまったり、あり得ないことが当たり前のように起きてしまう奇妙な世界におけるベタなラブストーリーが描かれる。

 そのラストで、ヒロインは肺に睡蓮の花が咲き誇るという変わった病気にかかってしまう。悲惨なんだけど、美しくもあり、読んでいて不思議な気持ちになってしまう。なお、このエピソードを米津玄師が『感電』という曲で引用していた。

9/17 お題「ふわふわ」

冷蔵庫奥から出てきた高菜漬け
白くてふわふわ不安不安

 冷蔵庫の中に要らないものを置いておくのはやめよう。いつだって、そう思っている。だけど、たまに奥から賞味期限も消費期限も切れたものが出てくるのだから、悲しくなってしまう。

 それでも、食べられるなら食べようとしてしまうのが人間というもの。恐る恐る、封を開けてみる。この前、発掘したのは高菜漬けなんだけど、ふわふわな白いカビが生えていた。さすがに捨てた。どうしようもなかった。

9/18 お題「眼鏡」

眼鏡なき世ならわたしも障がい者
この健常は作られたもの

 視力が悪い。ずっと悪い。小学三年生ぐらいからだろうか。当時は眼鏡をかけると賢く見えるんじゃないかと憧れて、わざと暗い場所で漫画を読んだり、テレビの画面に近づいてみたりした。

 結果、眼鏡をかけることになったのだけど、冷静になってみると目が悪いっていうのは不便でしかないと思い知らされた。たまに眼鏡が壊れて、裸眼で外を歩くことがあるけれど、本当に不安で仕方ない。もし、この世に眼鏡がなかったら、普通の生活なんてできなかったんだろうなぁと気付かされる。

9/19 お題「終電」

終電車必死に駆け込む
行き先は?
ここ以外ならどこでもいいよ

 この場所にいるのが嫌になるときがある。そんなときは終電に乗って、知らないところへ行ってみたくなる。そして、帰る手段をなくしたまま、知らない町をぶらぶらと彷徨うのだ。

 始発が走る時間になれば、帰ってくることはできる。だから、そんなに怖くはないけれど、気楽な家出という意味でいくばくかの喜びがある。ちょっとした息抜き。それがとても大事。

9/20 お題「パフェ」

納得のいかぬ怒られいとわろし
次の週末パフェを作ろう

 仕事をしていて、どう考えても自分が悪いわけじゃないのに、怒られてしまうことがある。反論しても、口答えするなと言われてしまって、なんともやり切れない。自然災害に襲われるような理不尽がある。

 そんな怒られに苦しめられているとき、次の休み、ストレスを発散しなくちゃと考える。例えば、フルーツとか生クリームとか買ってきて、家で豪華なパフェを食べるのだ。そうすれば、元気が出るに違いない。

9/20 お題「月や星」

新鮮な肉と魚と乙女たち
神々集うビストロ星座

 ここから「短歌マガジン(次世代短歌)」さんのお題も始めました。最初のお題は「月や星」で、ロマンチックなものを作りたいなぁと取り組み始めた。でも、考え始めるとコミカルな方向に進んでしまうからどうしようもない。

 政治って、美味しいものがけっこうあるなぁなんて思ってしまった。牛とか、羊とか、蟹とか、魚とか。そこから神様たちが集まる飲食店のイメージが広がってきて、そんな内容でまとめてみました。

9/21 お題「叫び」

バカヤロー! 暴れるババア見下ろして
靴履き生きてみようと笑う

 飛び降り自殺をするためにビルの高層階までのぼった女。靴を脱ぎ、さあ、いくぞと覚悟を決めた瞬間、下の方から騒がしい音が聞こえてくる。見れば、ババアがまわりの男たちに「バカヤロー!」と叫び暴れまくっている。

 必死に生きてるなぁ。絶対、わたしよりもしんどそうな人生を送っているのに。そう思った瞬間、冷静になってしまって、自殺する気がどこかへ飛んで行ってしまった。

9/21 お題「エンドロール」

人生のエンドロールに載せられぬ
あなたの香り忘れられない

 自分の人生が終わりを迎えたとき、重要な存在だったとまわりに言える人たちはエンドロールに載せられる。でも、そうじゃないけど、忘れられない人たちもいる。そんな関係があったなんて、身近な人には知られちゃいけないような。

 たぶん、墓場まで持っていくと表現されるような思い出って、そういう類のものなのだろう。わたしだけが知っていれば十分。こんなタバコを吸ってたなぁとか、こんな香水をつけていたなぁとか。

9/22 お題「好き」

好きだった頃があるのは覚えてる
まるで他人の思い出みたい

 誰かを好きになると、自分が自分じゃなくなるほど夢中になってしまう。その相手だけが世界のすべてになってしまう。ところが、目が覚めてしまうと、なにもかもどうでもよくなってしまうから不思議だ。

 一応、好きだったことは覚えている。だけど、どうしてあんなに好きだったのかはわからない。まるで他人の思い出みたい。

9/22 テーマ「別れを意識した瞬間」

バリボリとケンタッキーの骨を噛み
食べ尽くす音不快に聞こゆ

 食べ方の癖って人それぞれ。好きなときはそれが面白さに感じられるけれど、急に、生理的に受け付けられなくなるときがある。たぶん、潜在的に別れようと思い始めているからなのだろう。

 ケンタッキーを綺麗に食べるのって難しい。手で持ち、顔を近づけ、むしゃむしゃやるしかないもんね。骨ごとバラボリ食べちゃう人を見て、ワイルドと感じるか、雑と感じるか。一緒にいられるかはそんなことで決まってしまうのかも。

9/22 お題「鍵」

キーチェーンじゃらじゃら重くなるたびに
すべてを捨ててしまいたくなる

 はじめて持った自分の鍵は自転車のものだった。その後、家の鍵をもらった。大学生になると一人暮らしの部屋の鍵。恋人の家の鍵。仕事を始めると事務所だったり、倉庫だったりの鍵を渡された。

 そうやって、気づけばキーチェーンは重くなっていた。ひとつひとつに責任という重みがずっしり込められていた。誇らしいと同時に怖くもあって、思わず、すべてを捨ててしまいたくなる。


以上、9/13〜22の短歌でした!




マシュマロやっています。
匿名のメッセージを大募集!
質問、感想、お悩み、
読んでほしい本、
見てほしい映画、
社会に対する憤り、エトセトラ。
ぜひぜひ気楽にお寄せください!! 


ブルースカイ始めました。
いまはひたすら孤独で退屈なので、やっている方いたら、ぜひぜひこちらでもつながりましょう! 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?