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【マシュマロ】私は嬉しい。「綾野つづみ」の由来を書いていい時機が来たから……

 マシュマロに質問とご感想を頂きました。

私は嬉しい。「綾野つづみ」の由来を書いていい時機が来たから……

と言うのは冗談ですが笑

夢野久作は好きで、『あやかしの鼓』も好きです! ただ、ペンネームの由来はそれではなく、能の演目にある『綾鼓(あやのつづみ)』からとりました。

とはいえ、恐らく夢野久作は『あやかしの鼓』を考える上で能を参考にしているはずで、『綾鼓』と「怪士(あやかし)」と呼ばれる面がタイトルの元ネタになっていると思います。

ちなみに『綾鼓』のストーリーは、庭掃きの老人が片想いした女御から、木の枝にかかった鼓の音が聞こえたら姿を見せてあげると言われ、一生懸命にその鼓を叩くというものです。でも、実はその鼓には綾がかかっていて、音が鳴らない仕様になっていたのです。それでも、老人は次こそは音が出るかもと信じ、叩き続けた挙句に死んでしまうのです。

この無駄かもしれないけど、やるしかないという感覚に心惹かれ、綾野つづみというペンネームを作りました。結局のところ、この世界の大きな動きに自分の文章が果たす役割なんて一ミリもありはしないかもしれない。それでも、意味があるのではないかと信じ、鳴らない鼓を叩き続けていきたいのです。

能に漂う救いのなさが堪らなく好きです。SNSなどで華やかに活躍している人たちを見ていると、つい、自分が真面目な生活を送っているような絶望に襲われるのですが、能を見ると、人生なんて本当は惨めなんだよなぁと思い出せるんです。そうやって、虚構の成功に心を乱す必要はないんだと思い出し、なんとか毎日をやり過ごしています。すみません、暗いですね。

ただ、無理に明るく振る舞うことが推奨される現代社会に生きづらさを覚える自分にとって、等身大の人間を描く能は見ていて妙に救われるんです。

三島由紀夫が『現代能楽集』の中で「綾の鼓」という翻案を行なっているのですが、そこでは希望が足されていて、個人的には不満があります。なんというか、ドリカムみたいになっているんです。「10000回だめでかっこ悪くても10001回目は何か変わるかもしれない」みたいな。

10000回だめなら10001回目もだめなんです。それでも10001回目を叩かざるを得ないところに人間のリアリティがある。そんなことを考え、日々、noteの記事を更新しています。


こちらの記事についてのご感想ですね

ありがとうございます!
嬉し過ぎる😂




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