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【短歌】枡野浩一さんの『一人で始める短歌入門』を読んだよ! +毎日短歌 10月8-17日分

 相変わらず短歌の勉強をしていて、今回は枡野浩一さんの『一人で始める短歌入門』という本を読んでみた。

 穂村弘さんの『短歌という爆弾: 今すぐ歌人になりたいあなたのために』を読んだとき、文庫本のあとがきを枡野浩一さんが担当していて、対抗するつもりで自分も入門書を記したとあったので気になっていたのだ。

 枡野浩一さん曰く、穂村弘さんの入門書は入門書と名ばかりで、めちゃくちゃ短歌の奥深いことが書かれているので、むしろ、打ちひしがれてしまうんじゃないか、と。もちろん、それはリップサービス込みの記述ではあるけど、たしかに、短歌ってこんな複雑なことができるのかという気付かされる内容の連続で、自分には無理かもと圧倒されてもおかしくはなかった。

 対して、枡野浩一さんの入門書は文字通りの入門書であると謳っておられたので、どんな感じなのだろうと興味が湧き、早速ゲットしてみた。

 結論、読んでよかった。タイトルにある通り、一人で短歌の詠み方を学ぶことができた。具体的には枡野浩一さんが審査委員長を務めたCHINTAI「いい部屋みつかっ短歌」コンテストに応募された作品について、講評が見開きごとに載っているという形式だ。

 それだけ聞くと、短歌の書き方を教えたくなるわけじゃないのね? と疑問に思うかもしれないが、枡野浩一さんが他人の短歌をどのように味わっているのかを見ることで、

「そうか、こういう言葉の組み合わせはこんな風に受け止められるんだなぁ」

 と、ひとつひとつ吸収していくうちに、短歌は自分が詠むだけではなく、誰かに読んでもらってはじめて完成するものなんだと、基本中の基本を知ることができる。その素朴な発見がめちゃくちゃよかった。

 短歌に限らず、あらゆる創作活動に共通していることかもしれないけど、作って終わりなわけではない。他の人に受け止めてもらわなくては。

 そもそも、自分が創作活動をするようになったきっかけだって、凄い人の作った凄い作品に感動したからではなかろうか? あえて言うなら、鑑賞する才能がある人だけが作り手になろうとするわけで、わたしたちはみんな、見ることが得意だったのだ。

 なのに、いざクリエイティブを始めてみると孤独な作業に疲れてしまって、つい、他の人の作品に目を向ける余裕がなくなってしまう。アウトプットに一生懸命で、かつてのようにはインプットを楽しめなくなっていく。

 日々、どうすれば自分の作品は評価してもらえるんだろう……と悩んでしまう。新しいことにチャレンジしなきゃいけないのかな? あるいは評価されたいと思うことが間違っているのか? 別に自分は作ることが好きなだけ。わかる人にわかればいい。そんな風に嘯いてみても、時間と体力を注ぎ込んだ作品が評価されない悲しみはゆっくりと心を蝕んでいく。

 そんな闇堕ちしてしまいそうな弱さに枡野浩一さんの講評は最高に沁みた。五七五七七で綴られた31音から無限の可能性を引き出して、この言葉をこう変えたら、印象がガラッと変わるみたいな新たな広がりまで提示してくれる。とにかく解釈の深さが半端なく、そうか、この世界にはこんな風に作品を受け止めてくれる人がいるんだと安心感に包まれる。

 誰も評価してくれないなら、まず、自分が評価する側に回らなくてはいけないのかも。いいと思ったものにいいと伝える。好きなものに好きと言う。面白かったら、どんな風に面白かったのか説明してみる。考えてみたら、創作をしようなんて特殊な欲求を抱いたわたしたちは優秀な鑑賞者だったんだもの。そうやって他の人の作品を愛するなんて、朝飯前のはずだよね。

 不思議なことに、自分の作品よりも、人の作品を見るときの方がこうしたらもっとよくなるとかわかったりする。ただ、作り手は苦労に苦労を重ねて、最終的にその形を選んだんだと言うことをクリエイティブをやってきたわたしたちは知っている。だから、決して、こうした方がいいよなんて安易には言えない。言えないけれど、自分の胸の中にはアイディアが蓄積していく。

 さて、それをどうしたらいいのだろう?

 無論、自分の創作に活かせばいいのだ。なるほど、一人で始める短歌入門とはそういうことだったのか。最終的に生み出す作業は孤独にならざるを得ないけれど、そのために必要なインプット作業は他者とのコミュニケーションが欠かせない。そして、コミュニケーションとは人と会って、あれこれ会話を交わすだけでなく、誰かの作った作品と対話することを通しても可能なのだ。というか、その対話があったからこそ、わたしたちはいま創作をしている。

 忘れていた大事なことを思い出せた。本当、『一人で始める短歌入門』を読んでよかった。もっともっと、他の人の作ったものをたくさん鑑賞しなくちゃね。


10/8 お題「主婦」

掃除して料理作って服洗う
それもできない生活なんて

 家事って面倒くさいよね。特に仕事をしていたら、時間がなくて、お金で解決できるなら出費も厭わなくなっていく。そうやって、暇だったら自分でやっていたことをアウトソーシングしていくうちに、ふと、妙な疑問が湧いてくる。

 いま、わたしがお金を稼いでいるのって、お金をかけずにやっていたことをやらないためなんだっけ? そのために家事よりも疲れる仕事をしているの?

 生活って、ある程度の面倒くささを孕んでいたのかもしれない。それを否定した先にもしかしたら生活はあり得ないのかも。そんなことを最近考えている。


10/8 一字題「歌」

先輩が熱唱している隙を見て
顔近づけて交わす密談

 カラオケで他の人が歌っているとき、本当は一緒に盛り上がるべきなんだけど、なにかの流れで隣の席の人とちょっとした会話が始まるとワクワクしてしまう。音が大きいから、自然、顔と顔を近づけなくちゃいけないから。

 ただ、歌っている側になったとき、他の人たちがコソコソ話していたら、すっごく不安になるよね笑 なんてことない雑談かもしれない。でも、悪口を言われていると思わずにはいられない。そんな非対称性がカラオケにはあるよね。


10/8 テーマ「後退」

誰よりも後ろを行こう恐れずに
潮目変わればそこが先頭

 上岡龍太郎と島田紳助とダウンタウンがこれからのお笑いについて議論している中で、誰かがあえて一番後ろを目指すべきと主張していた。普通は流行りについていこうとするけれど、ブームは必ず終わってしまう。追いかけても、絶対に追いつくことはできない。だったら、真逆の方向を目指した方が、潮目が変わったとき、トップで躍り出られるかもとのことだった。

 もちろん、世の中はそんな単純ではないだろう。ただ、考え方として面白いなぁと心に残った。無理して時代についていこうとしなくてもいいのかも。時代だって、別にわたしたちについてきてほしいわけじゃないだろうしね。


10/9 お題「デート」

「たまにはさデートしようよ」
「してるじゃん」
「嫌なの! いつも最後ホテルは」

 デートって、子どものときから憧れていた。好きな人とどこかにでかけて、楽しい時間をゆっくり過ごす。おしゃべりをして、ご飯を食べて、最後にはキスをするかも。そんなピュアなイメージを持っていた。

 ところが大人になるとデートは前戯と成り果てて、セックスに至るまでの準備時間のようになっていく。なんというか、それってデートじゃないじゃん! と思わずにはいられない。


10/9 一字題「休」

あとちょっと! 美味いんだけど遠いのよ
すぐそこだから…… あれ? やってない?

 友だちを美味しいご飯屋さんに連れて行ったはいいけれど、いつもは混雑しているはずの店内が真っ暗だったり、シャッターが閉まっていたりすると、めちゃくちゃ嫌な汗が身体中の穴という穴から湧いてくる。

 事前に定休日が何曜日なのかとか、SNSに投稿があるかとか、調べればいいだけなんだけど、何度か行っているお店だと油断しちゃうんだよね。過去、数回やらかしているけど、マジでトラウマ。


10/9 お題「直喩を使った短歌を詠んで」

「たとえば」と目を閉じ
「んんん…」うなる父
便秘で気張るわたしのようで

 便秘で苦しむ様子は深く思い悩む姿に似ている。ロダンの『考える人』を知らず、その彫刻を初めて見る人がいたとする。ひょっとしたら便秘で苦しむ人として、あの有名なポーズを受け止めるかも?

 出したいのに出ない。ただ、そのモヤモヤは放置するわけにもいかず、うんうん、やるしかないっていうのはかなりしんどい。考えている人には優しくしてあげなくちゃね。便秘なんだとすれば、急かしても仕方ないから。


10/10 お題「魚」

大物が釣れたと喜ぶ少年も
血抜きのときは大人の顔に

 友だちに誘われて、釣りをしたときのこと。まわりの釣り人たちも含めて、なにかが釣れると子どもみたいにはしゃぐのが印象的だった。

 でも、その魚の神経をナイフで断ち切り、水の中でシェイクして血を抜く作業を始めると、打って変わって、みんな大人の顔になるんだよね。そうか、魚を釣って食べるって、命を頂く行為なんだと認識させられた。


10/10 一字題「反」

法律に反していると注意して
アンチと批判されるモヤモヤ

 アンチって言葉、いつから普及しているのだろう。何かを発信したとき、ネガティブな反応が寄せられることは避けられないので、そういう人たちをアンチとして処理するのは精神衛生上、とても助かるのは間違いない。

 でも、それによって、法律違反の指摘など妥当な批判すらアンチのコメントとしてスルーされる事態が増えている気もする。好きだからこそ苦言を呈さなければいけないときもある。そう信じてしたけど、いまは通用しないのかしら?

 うーん、通用しなくちゃダメだと思っちゃうなぁ。


10/10 テーマ「ほっこり」

区役所の前でゆるキャラすっころび
助け起こされ頭をぺこり

 区役所の前で目にした光景。転んでしまったゆるキャラは頭が大きく、自力では立ち上がれそうになかった。すると、スタッフの人たちが駆け寄ってきて、えっちらおっちら着ぐるみを助け起こした。

 もとの態勢に戻ったゆるキャラは大喜び。みんなに頭を下げたお礼を伝えていた。平和でかわいく、最高だなぁとほっこりを味わった。


10/11 お題「同窓会」

いつもより妻が元気で美しい
なんかあったな同窓会で

 自分が参加する分には同窓会って、ワクワクどきどき、楽しいけれど、パートナーが行くのはけっこう怖いよね。自分がなにかあるかもと期待するだけ、相手にもなにかあるかもと不安を覚えてしまうもの。

 でも、同窓会でなにかあった? とは聞けないよね笑


10/11 一字題「赤」

一代で財を成したるじいちゃんの
愛読本は赤く縦長

 学生時代は社会的な活動にハマり、共産主義や社会主義の考え方に共鳴していたはずの人たちが、大人になるにつれ、がっつり稼ぐようになるというのはよくある話。

 それって、矛盾しているように感じるけれど、かつてはその思想を好きだったという事実の尊さが消えるわけじゃない。それが人間の面白さだと思う。


10/11 テーマ「からっぽ」

からっぽな男の自慢聞くよりも
ChatGPTと呑みたい

 Chat GPTという言葉を句またぎ前提で使ってみたくて、そこから逆算して詠んでみた。英語がベースの言葉って何文字なのか、パッとわからないから面白い。

 かつ、AIの精度が上がって、本当に会話しているみたいで感動していたというのもある。マジで一方的に自慢しかしない人間よりも会話が成立している。


10/12 お題「秘密」

会場は隔離病棟午前二時
ドレスコードは秘密らしいよ

 ゴシックホラーが好き。夜な夜な、普通の人が入らない場所で行われているパーティーって憧れる。でも、自分が参加したいかっていうと怖いから躊躇。遠くから覗き見るだけでいい。しかも、一人じゃなくて、そばに誰かいてほしい。

 本当はドレスコードなんてないのかも。あるいは知っているのかも。見にいこう、見にいこうって盛り上げるのが目的なんだよね。


10/12 一字題「額」

額からイクラが湧いてくる病気
流行ったせいで学級閉鎖

 学級閉鎖になったと聞いたら、インフルエンザかなぁと思ってしまう。いまだとコロナもあるのかな。でも、たまに聞いたことのない病気が流行していることもあり、聞くと、へー、そういうもんなのかぁと驚かされる。

 もし、その病気が嘘みたいな病気であっても、たぶん、子どもたちのことだからあり得なくもないだろうと納得してしまう気がする。そんな発想から考えてみた。


10/12 テーマ「音楽を感じる短歌」

スーパーで伯方の塩を見るたびに
いかつい声が自動再生

 テーマは「音楽を感じる短歌」だったので、読むと自然に頭の中で音楽が流れてしまう言葉を探した。そうなるとサウンドロゴがめちゃくちゃ有効。その浸透力ってめちゃくちゃ凄い。

 伯方の塩という文字列をサラッと読める人なんているのかな? 無理だよね。は、か、た、の、塩! ってなっちゃうよね笑


10/13 お題「日曜日」

毎日が日曜だったらいいのにと
願った罪で禁錮百年

 学校行きたくないとか、仕事行きたくないとか、思うのは簡単だけど、その根底にあるのはメリットを享受したまま楽をしたいって思い。だから、単に暇になればいいってわけじゃない。

 自由とセットなんだよね。日曜日の魅力って。やることがないんじゃなくて、やらなきゃいけないことをやらなくてもいいというところにお休みの価値がある。


10/13 一字題「欲」

最近の若者は欲しがりません
ナチュラルボーン戦争仕様

 車は要らない。ブランド物は要らない。食事はチェーン店やコンビニが好き。でかい家に住まなくてもいいし、海外旅行しなくても別に。そんな風に若者たちの欲がなくなっていると言われたりする。

 でも、それって、戦時中の欲しがりません勝つまではと一緒なんじゃなかろうかと思っている。ナチュラルボーンでそうなっているなんて、世の中、異様なことになっている。


10/13 テーマ「ストップ」

いくら丼ストップ言わずに三日経ち
肩の位置まで赤い粒々

 北海道に行ったとき、イクラをストップと言うまでかけ続けてくれるお店に行った。これ、ストップと言わなかったらどうなるのか、みんなが気になるやつをやってみた。結果、こぼれるスレスレで終わらされてしまった。残念。

 ルール通りに運用するなら、かけ続けなきゃダメだよね。こぼれても、こぼれても。ストップと言わないこちらが罪悪感を覚えるぐらいやってほしい。ただ、そうなるとこちらも意地になって、ストップと言わないかも。それで部屋がイクラで埋まってしまうとかね笑


10/14 お題「黄」

米どころ訪ねし秋の空腹を
満たすカレーはなまら黄色い

 先日、新潟へ行ってきた。そこで食べた万代バスセンターの黄色いカレーが美味しかった。有名なので、前々から気になっていた。ようやくどんな味なのか確かめられてよかった。

 そのときの感動を素朴に詠んでみた。


10/14 テーマ「1分間のできごと短歌」

早漏の父がみこすり半で逝き
気まずい夜にわたし爆誕

 保坂和志さんの小説に、自分が受精したときのセックスを想起して、両親はそれで満足していてほしいと記しているものがあった。いい文章だなぁと思った。

 それで言えば、わたしはろくでもないセックスで受精したんだろうなぁ、なんてことを思う。そうじゃなかったら、もう少しマシな人生になっていたはず。でも、まあ、爆誕できてよかったよ。


10/14 一字題「噛」

歯磨きをしながら首の傷見つけ
あなたが昨夜来たことを知る

 ドラキュラと付き合ったら、昼夜逆転が避けられないから、きっと生活がすれ違いまくるんだろうなぁ。深夜、こっそり入り込んできて、わたしの血を吸って帰るのかも。

 そのことに朝、鏡を見ながら身支度をしていたら、首に咬み傷が見つけて気がつくみたいなことがあったら、けっこう素敵じゃないですか? そんなことないかな?笑


10/15 お題「ラーメン」

背伸びしてフレンチなんてバカみたい
ラーメンでいいラーメンがいい

 好きな人とご飯を食べるとなったら、いいものを食べたいと背伸びしてしまうのは当然。でも、それを繰り返していたら、財政破綻が待っている。好きな人と一緒にいられなくなるかもしれない。

 ちょっとバカみたいだよね。だったら、お手軽だけど、美味しいラーメンを一緒に食べる方がいいかも。あと、ラーメン屋に一人で入るのってハードルが高いから、二人で行くことに意味のあるお店でもあるからさ。


10/15 テーマ「気配を感じる短歌」

赤ちゃんの死体転がる台所
認めたくない百匹いると

 この前、台所で小さいやつを見つけちゃったんだよね。すぐに仕留めたけど、1匹いたら100匹いると思えという格言が頭をもたげる。はぁ。やだなぁ。

 以前、『いつかみんなGを殺す』という小説を読んだ。みんな、Gに悩まされているよなぁ。


10/15 一字題「虹」

多種多様並べば綺麗な虹色も
混ざれば真っ黒もう戻れない

 小学生の頃、図工の時間でパレットに絵の具を一通り出して、虹みたいで綺麗だなぁと思っていた。しかも、その内のいくつかを混ぜることで新しい色ができるのも嬉しかった。

 ふと、すべてを混ぜたら、とんでもなく綺麗な色ができるんじゃないかと閃いた。早速、試してみた。予想に反し、真っ黒ができてしまった。しかも元には戻せない。途方に暮れてしまった。


10/16 お題「煙」

焼鳥は大好き予約ありがとう
でも当日言うなこの服じゃ無理

 焼鳥とか焼肉とか、みんな、好きなんだよね。好きなんだけど、いきなり誘われても困ってしまう。準備ができていないから。

 その辺、マナーとして義務教育で扱っておかなきゃいけないよ。事前に言っておいてもらえたら、食べたいに決まってるいるもの!


10/16 テーマ「ペンギン」

五十二の冬に振られたレジーさん
ユニットバスでペンギンを飼う

 タイトルは忘れちゃったけど、たぶん、ロシアの小説でフラれた中年男性の家にペンギンがやってきて、風呂場で飼うしかなくなるみたい話があった。それでどうなったのかまでは覚えてないけど、興味惹かれる設定だったので、未だに覚えている。

 その後、調べたら、ペンギンは南半球にしか生息していないとわかり、驚いた。ってことはロシアより南アフリカの方が場所として適切なのだろうか。ちなみにレジーという名前は南アフリカに多いらしいよ。


10/16 一字題「去」

去る者は追わずと嘯く老人も
知っているのだ去られる理由

 去るものは追わずって、懐が広いようで自分に落ち度がないと言っているようなものなので、いかがなものかと思ってきた。で、あるとき、そう言っているおじさんにアホなフリして疑問をぶつけてみた。

「いや、わかっているよ。なんで、あの子が辞めたのか。でも、どうすることもできないんだから、こう言わせてくれよ。別に相手を責めているわけじゃないんだしさ……」

 ああ。なるほど。そういうことだったのかと腑に落ちた。


10/17 お題「コンビニ」

四畳半風呂なしの部屋暮らす彼
最寄りファミマがマイ冷蔵庫

 ミニマリストってわけでもなく、ただ貧乏だから四畳半一間に住んでいる人間はいまもいる。都内は未だに銭湯がけっこうな数残っているのでお風呂がなくてもなんとかなるのだ。そういう逞しい人たちは発想も豊かで、コインランドリーを洗濯機、最寄りのコンビニを冷蔵庫と呼んだりしている。

 でも、なんか、それでいいような気もしてくる。24時間使い続けなきゃいけない理由なんてないもんね。そうやって必要なときだけシェアするのって、環境対策にもいいのかもしれない。


10/17 一字題「満」

ソクラテスみたいと言われ喜ぶも
欲求不満ということらしい


10/17 テーマ「金木犀(きんもくせい)」

いい匂い! トキメク友の傍らで
トイレの臭い思い出してる

 金木犀って素敵な香りの代名詞になっているけど、わたしはどうしてもトイレを想像してしまう。無論、順番は逆なんだけどね。トイレの臭いを誤魔化すための芳香剤であって、本来は最もトイレとかけ離れた匂いだったのだろう。ただ、物心ついたときから、トイレと金木犀はセットだったので、いまさらその密接な関係を断ち切るのとはできないのだ。

 最近の芳香剤は石鹸の香りが主流になっているらしい。だから、子どもたちは金木犀にトイレを感じないという。素直に羨ましい。




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