子どもが「ネット・ゲーム依存かな」と思ったときに
こんにちは、心理士のなべたです。
子どもたちがネットやゲームに夢中で、大事なものを見失いそうになっていることに気づいたら、私たち大人にできることは何でしょうか。
子どものネット・ゲームへの依存に対して、サポートするための方法をお伝えします。
参考にした書籍はこちらです。
ネットやゲームの使い方を知る
子どものネットやゲームに対する接し方を理解するためには、まず彼らの日常生活を見渡すことが大切です。
どんなゲームをどのように使っているのか、お金の使い方に問題はないか、人間関係にトラブルは起きていないかなど、全体的な状況を把握しましょう。
ゲーム依存かどうかをチェックするための簡単なアンケートもあります。
以下のリンクからアンケートに回答することができます。
大事なのは、子どもがゲームに依存しているかどうかではなく、今、子どもが助けを必要としているかどうかです。
子ども自身や周りの人が困っている場合は、迷わずに専門機関にサポートを求めるべきです。
ネットやゲームの使い過ぎは脇役かも
ネットやゲームに問題があるように見える子どもの場合でも、本当の問題の原因はゲームそのものではないことが多いです。
例えば「この子はゲームのし過ぎで、不登校になっています。だからゲームの問題を治してくれれば学校に行くはずです」と親御さんが相談に来ることがあります。
しかし、これは本質的な問題を見落とすことになってしまうかもしれません。
実際には、ゲームの時間を減らすことよりも、学校に行きたいという気持ちを育てることが先に来るべきです。そうすることでゲームをする時間も自然と減っていくでしょう。
子どもがネットやゲームを使い過ぎる背後には何があるのかを考えることが重要です。
勉強をしないのは本当にゲームのせいなのでしょうか?
また、大人の言うことを聞かないのはゲーム依存だからでしょうか?
指示に従うこと自体が嫌になっている可能性もあります。
学校を休むのはゲームがしたいからか、それとも学校に行く理由が見つからない、または行きたくない理由があるからかもしれません。
子どもがネットやゲームに没頭しているのは、その世界に魅力を感じているからなのか、それとも現実から逃れたいからか、その理由をしっかり見極めることが必要です。
つながりを取り戻す
子どもがネットやゲームに依存している場合、大切なのは「つながりを取り戻す」ことです。
デジタル機器を単に取り上げるのは、ほとんど効果がないばかりか、関係を悪化させることもあります。
健全なつながりを築くことが本当の解決策です。
ゲームを取り上げたら勉強するとか、ネットを止めたら学校に行くというほどこの問題は単純ではありません。
デジタル機器との距離を置くには、子どもの同意を得て、一緒に話し合うことが重要です。
そして、そういった対話が可能な親子の関係をまずは築くことが、目指すべき目標となるのです。
外部へ援助を求める
子どものネットやゲームの問題に気付くのは大抵親ですが、家族だけで解決するのは難しいものです。
早めに家族の外に相談できる人を見つけることが大事です。
不登校の問題がある場合は、スクールカウンセラーへの相談や小児科、児童精神科の専門家への受診が候補になります。
暴力の問題がある場合は警、察への相談も必要です。
最初は子どもが参加しなくても、家族が相談し始めることが問題解決への第一歩になります。
専門機関での治療
専門機関での子どもへのネットやゲーム依存治療には、認知行動療法がよく使われます。
この方法では、まず子どもに依存についての基礎知識を教えます。
自分がゲームをやめようとした時にどんな思考や行動が現れるかを理解し、それを改善する具体的なステップを踏んでいきます。
また、ゲームに何を求めているかを探ることも大事です。
モチベーションが高まれば、アカウントを削除する、ゲーム機を売るなどの大きな決断をすることもありますが、大抵はゲームのプレイ時間を記録することからスタートします。
効率的にプレイする方法を考えることで、ゲームとの健全な関係を築くきっかけにしていきます。
就労と自立を目的にしない
ネットやゲームの問題を深く探れば、最終的には働くことや自立に関する価値観にたどり着きます。ですが、働くことや自立はあくまで手段であって、目的ではないことを忘れてはいけません。
本当の目標は、幸せな生活を送ることです。
仕事をして得た収入で趣味を楽しむことや生活の質を高めることは素晴らしい目標です。
成長と共に選択肢が増え、自由に決められる楽しさを知ることも大切です。
自立には、周囲に頼ることを知り、助けが得られるという信頼感を持ち、助けを求めることにためらわない姿勢が最終的に自立へと繋がるのです。
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