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質疑応答。ファーストペンギンは誰だ
ついさっきまで、オンラインで大学のゼミをやっていた。
そこで感じたことをちょっぴり書こうと思う。
今日は1期上の先輩方が、私の代に向けて論文を発表する回。
昨年の10月から私の代のゼミ活動が始まり、まだ数か月。
コロナのせいで思うように活動できず、基本オンラインで教科書の輪読を毎週一回行っているだけ。
まだまだ知識も勉強も足りない私の代が、目指すゴールを意識してこれからゼミ活動に取り組めるようにしよう、というのが狙いだった。
今回も、さーっと先輩の発表を聞き流すだけで済みそうな授業。
しかし、ここはゼミだ。
普通の授業なら「すごいなぁ」で終わってしまう発表も終わらせないで、しっかり議論を深めたい。それが、倍率を勝ち抜いてこのゼミに入って私がやりたかったことだ。
自分にそう言い聞かせた。
そして先輩の発表が終わる。
「それじゃあ質問ある人」
と先生の声。
・・・
・・・
誰も手を挙げない。
私もどうしたことか、手を挙げることができない。
真剣に話を聞いていたし、メモもとっていた。
でも、必死に探しても、質問することが見つからない。
結局いつもこうなる。
私は質疑応答の時間が嫌いだ。
みんなで罪の擦り付け合いをしている気分になる。
沈黙が続くと、発表内容が悪かったみたいな雰囲気になってしまうのも私はもどかしかった。
また、今回もダメか。
そう思った時だった。
先生が口を開いた。
"... Who cares?"
(「誰が気にするんだ?」)
「質問することが恥ずかしいと思うかもしれない。
でも、君がどんなちっぽけな質問だって、誰も気にしないよ。
どんなに的外れな質問だって、誰も笑ったりしない。
深く考えずに、頭に浮かんだ疑問を口からこぼしてみればいいんだよ。」
それを聞いた瞬間、頭の中で何かがふっと緩んだ気がした。
そうじゃないか。何も不安に感じることはない。
頭に思い浮かんだ疑問を投げかければいいだけじゃないか。
いつの間にこんな簡単なことに抵抗を感じるようになっていたんだ。
もう私を止めるものは何もなかった。
「・・・おっ、じゃあSHOMA。」
「はい。聞こえていますでしょうか。
先輩方、発表ありがとうございました。・・・」
気づいたら、少しこわばった顔で、
しかし爽やかに、私は話し始めていた。
ファーストペンギンにしか見えない景色は、とても清々しいものだった、