深き闇と向き合い、心の解放、そして再生。小説「闇の守り人」★4
女用心棒バルサは、25年ぶりに生まれ故郷・カンバルへ。異世界ファンタジー冒険物語。シリーズ第2弾。
1999年(文庫2007年)上橋菜穂子
2巻目~。バルサが心の刺抜きに、故郷カンバルへ。闇と向き合うということで、メインは洞窟か。そのせいか、ちょっと地味か。(そんなことない?)闇からの開放という面では深みを感じるものだと思うけど。
今回は、バルサの解放とジグロの鎮魂みたいな。それに、カンバル王国・ユグロの計画が交わる。その他ジグロ関係者も真実を知り、少年カッサの成長、また、精霊?の類もちょこちょこと。
カッサ&ジナは、今後の素晴らしい成長が期待できる有望株だなー。またでてくるかな。となると牧童たちもいいなー。ユーカ叔母も。カームも良さげだし、また出てきてほしーなー。
最初と最後が洞窟、心の闇に入って行って、きちんと向き合い解決させ、出てくる感じ。洞窟=闇の恐ろしさが強調され、やはり、自分の闇と向き合うことの難しさが伝わってくる。
そして、闇が深ければ深いほど、ルイシャ(青光石)の美しさ、輝きが増すようだ。(きっと) 闇と光。危険なところに宝はある。逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ…。
ということで、自分の心の底にある闇を見つめてみよう。そんな感じだから、この作品は子供より大人が好きなんだろう。(1作目は子供が好き)と、上橋菜穂子さんのあとがきに書いてあったと思う。
最後には、バルサの心は解放され、そして再生していく。まだまだ「守り人」シリーズは続いていくけど(あと10巻くらいあるのかな?)、今後どんな展開になっていくのか、Rebornバルサの活躍が楽しみ!
P.S. 前作でチャグムを守ってる時、幸せだったと語るバルサ。そうかー、幸せだったのかー、とても大きな経験だったんだなー、と。まあそれで、今回の故郷(古傷)への旅につながる訳だけど。にしても、前回の用心棒代の話があったが、「つましく暮らせば十年は食うに困らぬほどの報酬だった」と。一国の王子を救って!?ちょっと安いんじゃないかと思うわー笑。金じゃないし、どーでもいいかもしれないけど、気になった。
「闇の守り人」漫画版!