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仲嶺真
2024年8月28日 12:02
(2020.07.09に書いたブログ記事を転記したものです) 「マイクロ・マクロ社会心理学の一つの方向」という論文を読みました。山岸俊男先生が1992年に書いた論文です。この論文が書かれたということは当時そのような視点がマイナーであった,あるいは「勢いのある若手」的な視点であったということかなと思いました。 同視点は面白く,この視点を発展させていけば現在の日本の社会心理学界は現状と違ったの
2024年8月25日 07:12
(2020.07.07に書いたブログ記事を転記したものです) 院生の頃,いろいろな人に「心はどこにあるの?」と尋ねていた記憶があります。「脳だよ」「その人に備わっているもの」「人と人との間」など多種多様な答えがありました。が,当時はどれも納得できませんでした。 当時,納得できないなかでも,最もしっくりきたのが「人と人との間」でした。しかし,心は人と人との間にあるはずなのに,個人を対象として
2024年8月21日 21:44
(2020.06.07に書いたブログ記事を転記したものです)先日,久しぶりに『科学哲学の冒険』を読みました。哲学の面白さを教えてくれた,思い出深い本で,実在論,反実在論の関係について学び直したくて改めて読みました。この本を読みながらふと「そういえば相対主義って具体的にはどういう主義なんだろう」と疑問がわきました。ですので,早速,調べてみました。「相対主義に関するよくある質問」サイト人間
2024年8月20日 10:06
(2020.06.05に書いたブログ記事を転記したものです)先日,「反実在論のパターン」という記事を書きました。『科学哲学の冒険』(戸田山和久)によると,反実在論とは世界は認識活動と独立に存在しているけれども,観察不可能なものについて科学によって知ることはできないと考える立場です。反実在論は「反」と付いていますが,世界は認識活動と独立に存在していることをみとめる点で科学的実在論と同じであり
2024年8月9日 10:43
(2020.06.04に書いたブログ記事を転記したものです)先日,「反実在論は広義の実在論」という記事を書きました。そこでは科学哲学における科学的実在論,反実在論,観念論との関係を『科学哲学の冒険』(戸田山和久)から引用して説明しました。簡単なおさらいを以下でします。科学哲学では大きく,科学的実在論,反実在論,観念論という区別が存在します。科学的実在論:人間の認識活動とは独立に世界は存
2024年8月8日 11:45
(2020.06.03に書いたブログ記事を転記したものです)心理学を始めた頃は素朴でした。なぜという理由もとくになく「“心”は実在する」と考えていました。ですが,ある日「性格(“心”の一種)なんて実在しない」という話を耳に(目に?)します。素朴だった私には衝撃でした。「え?性格は実在しない?でも,私に性格あるし,あの人も性格あるよ!」「というか,実在するとか,実在しないとか,どういうこと?