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社会心理学者のつぶやき

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ふと考えたことを思いつくままにまとめていきたいと思います。 思考の萌芽です。これから発展させていくための基礎です。 少しは思考の参考になるかも?
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#哲学

反実在論のパターン

反実在論のパターン

(2020.06.04に書いたブログ記事を転記したものです)

先日,「反実在論は広義の実在論」という記事を書きました。そこでは科学哲学における科学的実在論,反実在論,観念論との関係を『科学哲学の冒険』(戸田山和久)から引用して説明しました。簡単なおさらいを以下でします。

科学哲学では大きく,科学的実在論,反実在論,観念論という区別が存在します。

科学的実在論:人間の認識活動とは独立に世界は存

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反実在論は広義の実在論

反実在論は広義の実在論

(2020.06.03に書いたブログ記事を転記したものです)

心理学を始めた頃は素朴でした。なぜという理由もとくになく「“心”は実在する」と考えていました。

ですが,ある日「性格(“心”の一種)なんて実在しない」という話を耳に(目に?)します。素朴だった私には衝撃でした。「え?性格は実在しない?でも,私に性格あるし,あの人も性格あるよ!」「というか,実在するとか,実在しないとか,どういうこと?

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間に入る

間に入る

喧嘩の仲裁とか第三者の紹介とか,色んなタイミングで誰かと誰かの間に入ることがある。人と人の間だけでなく,人とモノとの間もある。たとえば,料理の仕方に口出しするとかも,料理人と食材あるいは調理法との間に入っている。

この「間に入る」(仲裁する)というのは難しい。片方に肩入れをすれば,それは「間」ではなく,2対1の構図になってしまう。だからといって,どちらとも距離を取れば,間に「入れない」。また,仲

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