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感想文

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読了した本などの感想文集です。
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2020年7月の記事一覧

あなたの番です【感想文】

「あの…遺体って言葉聞くだけで怖いんでこれからは遺体のこと〝パッタイ〟って呼びません?」

あらすじ 年の差婚の新婚夫婦、手塚菜奈と手塚翔太はマンション「キウンクエ蔵前」の一室を購入し新婚生活に胸を膨らませる。
マンションの住民会に菜奈が参加することになるが、ひょんなことから、殺したい人の名前を紙に書き、クジのように引く「交換殺人ゲーム」が始まった。
(引用:Wikipedia『第1章第1

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愛がなんだ【感想文】

「愛がなんだってんだ、そんな誰かが定めた何かで私を縛らないで」

あらすじ 主人公のテルコ(テルちゃん)は、恋愛になるとそれだけにしか考えられなくなる。5ヶ月前に知り合った田中守(マモ)から呼び出されると、たとえ深夜でも会いに行く。
仕事中であろうが、友人から呆れられようが、とにかく恋愛が最優先。そんなテルコとは裏腹に、守はテルコに対して全く恋愛感情を抱いておらず、ただの都合の良い女でしかな

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夢を与える【感想文】

「私は、彼を愛していました」

「そんなに醜い顔をしていましたか?」

「それが醜いと言うのなら」

「人は人を愛してはいけないと思う」

あらすじ フランス人の父、元モデルの母から生まれた阿部夕子。幼少期からそのスター性を見出され、企業のCMオーディションに合格し、芸能界へ進む。 目まぐるしい日々を送る中で、周囲からのプレッシャーや自身の葛藤に苛まれる中、とある青年と恋に落ちる。しかし、その恋が

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HIBIKI【感想文】

「人が面白いと思った小説に作者の分際で何ケチつけてんの。
太宰も言ってるでしょう。小説家なら傑作1本書いて死ねって。
私は死なないわよ。まだ傑作を書いた覚えはない」

あらすじ 鮎喰響(あくいひびき)は、15歳の高校一年生。高校入学の前に書いた小説『お伽の庭』を出版社に投稿し、物語は始まります。彼女はとにかく常にストロングスタイルです。自らの価値観に反することであれば、売られたケンカは買い、友人を

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輪るピングドラム【感想文】

アニメが好きです。

物語の隠喩は常に無意識に語りかけ、気づきを与えてくれるからです。

その中でも1番と言ってもいいほど、ステキな作品。

キラキラと可愛らしい作画とは裏腹に、物語は非常にシリアス。

あらすじ 双子の高倉冠葉、高倉晶馬そして、妹の陽毬は3人で暮らしていた。しかし、陽毬は不治の病をわずらっており医者からは余命宣告をされていた。
「水族館に行きたい」陽毬の願いを叶えるために、兄たち

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『変身』カフカ・フランツ【読書感想文】

「あいつがわれわれのことをわかってくれたら」

あらすじ ある日、主人公のグレゴールが目を覚ますと毒虫になっていた。毒虫になったことで、寝台からも起き上がれず、家族からも家族も徐々に見放されてしまう。確かに人間だったグレゴールもだんだんと自分が「自分」であることを見失っていくーー。

感想 素晴らしい小説というのは、読者には想像もつかないような心理描写が数多くありますね。この小説もその例に漏れず、

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『夕映え天使(琥珀)』浅田次郎【読書感想文】

「おとうちゃんな、大手柄を立てた」(『琥珀』より)

あらすじ(※『琥珀』のみです)

 六篇からなる短編集。人間模様から滲み出す「喜怒哀楽」を巧みに描写した作品。 米田は定年間近の警官で、一人旅をしていた。汽車を降りた街で、寒さを凌ぐため喫茶店に立ち寄る。そこで、喫茶店「琥珀」のマスターと出会った瞬間に米田は頭に何かがよぎるーー。

感想 唸りました。率直に、素晴らしい作品でした。短編でこの衝撃

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『背高泡立草』古川真人【読書感想文】

「納屋の草は刈らねばならない」

あらすじ 大村奈美の実家であり、敬子が暮らす長崎にある納屋。その納屋の草刈りに、親族らで向かうこととなる。奈美は敬子や伯父の話を聞き、吉川家と納屋が過ごした時間と人の話を知る。草木で堆くなった納屋を軸に過去と未来に想いを馳せるーー。

感想 今年の芥川賞作品。一気に読みました。 正直な感想は「うーん、なるほど」です。福岡と長崎の方言が、各時代の方言の書き分けはなか

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『陰翳礼讃』谷崎潤一郎【読書感想文】

あらすじ 西洋と日本との美意識について語られた随筆。
西洋は、暗い場所を消し、明るさに美を見出すことに執心した。一方で日本は暗さ(陰翳)にむしろ美を見出し、その暗さに調和するように芸術を昇華させていった。

感想 参りました。色褪せません。
冒頭からずっと、分かるなぁ、と思って読み耽りました。確かに障子は鏡張りより、紙。厠(トイレ)が離れにあって冬寒いなぁ、遠いなと思ってもその寒さと遠さがなんだか

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『キチガイ地獄』夢野久作【読書感想文】

「これは怪しからん。どこがトンチンカンですか。私は立派に順序を立ててお話ししているつもりですが……」

あらすじとある重罪人を追って調査を続けていた新聞記者Aが、入院している病院の医院長へ語りかける形式で進む短編小説。 終盤までは件の重罪人と呼ばれる男についての経歴が語られる。 しかし、終盤に向かうにつれて話の辻褄が狂い始め、気がついたときには……。

感想 今回も、敬愛する夢野久作先生の小説です

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『堕落論』坂口安吾【読書感想文】

「人はあらゆる自由を許されたとき、自らの不可解な限定とその不自由さに気づくであろう」

あらすじ 戦後社会について書かれた小説。戦時中、日本を覆った支配的な権力によって、国民を戦勝という大きな目標へ突き動かした。 しかし、戦後となりその目標を失ってしまう。坂口安吾氏はその「堕落」した姿こそが生来の人間のあるべき姿であると説いた。戦後文壇の代表的作品。

感想 今でも時折、読み返す一冊です。
「戦争

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『肉体の学校』三島由紀夫【読書感想文】

「こんなに二人が、何も心なんか要らないほど、純粋に身体だけで愛し合ったことはなかったような気がした」

あらすじ 浅野妙子は、離婚後に洋裁店を立ち上げ、成功していた。ある日、友人から素敵なバーテンダーがいる、と誘われて訪れたゲイ・バアで佐藤千吉に一目惚れする。そこから、2人の関係が始まりだした。感情を揺り動かされならも、妙子の千吉への気持ちは強まる一方であるが……?

感想 対比的な表現が美しく構

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『ダンス・ダンス・ダンス』村上春樹【読書感想文】

「あまり人には好かれないけど、人の嫌がることはしない」p.82

あらすじ 魅入られたように再び訪れた「いるかホテル」突如、不思議な空間に迷い込み「羊男」との再会を果たす。

「踊り続けること」

と告げられた主人公は、その後とある事件に巻き込まれてゆく。失ったものを取り戻すために、事件へと立ち向かう。『羊をめぐる冒険』から四年後の世界を描く物語ーー。

感想 村上春樹さんの小説は、歯応えバツグン

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『桜の森の満開の下』坂口安吾【読書感想文】

「桜の森の満開の下の秘密は誰にも今も分りません」

あらすじある山に住んでいた男は、とても美しい女に心を奪われる。男は悪事の限りを尽し、女の望むものを与えます。女の要求は、残酷なものであり次第に男は山での暮らしを懐古し始める。そして、満開の桜の下へーー。

感想 坂口安吾氏の戦後代表作品です。戦争が終わり「それまで」と「これから」をどう日本国民は、生きるのだろうか。そんな問いがあるような、読後感で

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