EDIBLE GARDEN:庭を食す ②ナスタチウム編
このシリーズでは、今ある「ただの庭」の植物を食べて「後付けで」エディブルガーデンと定義する試みを紹介します。早速目についた、ナスタチウムから行きましょう。
花も葉も実も食べられて、見た目も美しいハーブ
今回トライしたのは、ナスタチウム。和名では金蓮花と呼ばれる、ポピュラーなハーブです。生命力が強いので、気づくとあちこちに群生し、ビタミンカラーの花々が庭にアクセントを加えてくれます。
ナスタチウムは花も葉も実も食べられる、ということなので、それら全部食べてみることにしました。
【花】 まさに料理に「花を添える」ビジュアル効果
ナスタチウムの花は、赤、オレンジ、黄、サーモンオレンジ、クリームなど、赤から黄色にかけて色彩豊かな、薄くて繊細な花弁が特徴です。この可愛らしい外見を生かすなら、そのまま ”食べられる” 飾りとして活用するのが一番でしょう。ということで、サラダに。
サラダが格段にお洒落に!味はあまり特徴がなく、口に入ると他のサラダの具材に負けて、存在感はなくなってしまいました。食べても安心・安全な装飾材として、様々な場面で大活躍しそうです。
【葉】 ワサビのようなツンとした辛さで香辛料として
丸く可愛らしい形と、ベルベットのようなマットな素材感が、花に負けず、お料理の添え物として大活躍!蓮の葉に似た外見が、お刺身や焼き魚などの和食にもマッチします。そして、こんな可愛らしい見た目とは裏腹に、かじるとピリリと辛い!
海外では、サンドイッチにマスタードがわりに挟んだりするとのことですが、風味や辛さの特徴は、鼻に抜ける感じがワサビに近いです。バジルソース的にも食べられるという記事を参考に、ペーストを作ってみたのですが、クセがない一方で強い個性もなく。料理に緑色のアクセントをつけるのに使いましたが、何に使うと良いか、もう少し研究を深めたいところです。
天ぷらも美味しいということで、やってみました。これは普通に美味しかった!のですが、葉の表面のベルベットが水を弾くので、衣が全然つかなくて苦労しました。先に粉をまぶしてから、衣を潜らせるとか、工夫が必要かもしれません。(絵的にはあまり可愛くなかったので写真なし。)
【実】 ケッパー風に加工したら、めちゃくちゃ美味い!
花が終わると、特徴のある筋が入った実がつきます。これも食べられるということなので、あるかな〜と見て回ったところ、結構、実っていました。
実(み)は、ニンニクのように、2〜3片が1つにまとまった形になっていて、お尻にぴよっと毛が1本。若いうちは明るい緑色で、熟してくると筋の部分から色づいてきます。摘んで回ったら小さいボールいっぱいに収穫できました。これで、ケッパー風の酢漬けを作ることにします。
きれいに洗って、片を外して毛をとって、塩水に3日間(※)つけたあと、水分を拭き取り、広口ビンに入れ、酢をひたひたに入れて1週間ほど漬け込むと食べられます。お味の方は・・・これは美味い!葉と同様に、ピリリと辛く、独特の風味があり、個人的には本家のケッパーよりも好きです。これは即定番となりました。(※ 夏場は必ず冷蔵庫内で!塩水は毎日取り換えるようにしましょう。)
まとめ
ナスタチウムは、華やかな見た目なのに、全部、美味しく食べられて、しかも生命力も強く育てやすいハーブ。エディブルガーデン作りで、手始めに植えるのに最適な植物の1つと言えそうです。