
知的パズル・ルービックキューブ大流行
「僕の昭和スケッチ」イラストエッセイ263枚目

6色からなる54個のマスによる不思議な立方体が売り出されたのは昭和55年(1980年)のこと。
このかつて無い独り遊びパズルゲームは発売されるや世界中で大流行。
もちろん我が日本でも!
皆さんは、やった事がおありでしょうか?
これは、ハンガリーの建築学者ルビク・エルネーの考案によるもので、人類の歴史開闢以来誰も遊んだことのないゲームでした。この不思議な立方体に取り憑かれた人々はこぞって難題に挑み、世界ルービックキュービスト大会が開かれた程(日本でも帝国ホテルで「第1回全日本キュービスト大会」が開催*)。
だが、ルービックキューブは急激な人気低迷により衰退の一途を辿ります。
その理由は何だったのでしょう?
確かな理由は分りませんが、あまりにも難しすぎて解けないことが人の自尊心を傷つけたのかも知れませんね。何しろ、お金を払って買ったものに自分の無力さを証明される訳です(笑)
一方で日本での衰退の理由は、はっきりとしています。
それは、翌年登場する「機動戦士ガンダム(ガンプラ)」の大ブーム。
ガンプラよってわずか1年でルービックキューブブームはあえなく終焉を迎えたのでした。
知的要素のあるこのパズルが、ガンプラというアニメ玩具に敗退する格好となったこの日本の様子は、まさにその後のポピュリズムが席巻する世界のあり方を既に暗示していたのかも知れませんね(笑)
*このイラストはあくまでイメージです。文字も任意のもので、実際のものを再現している訳ではありません。
*「ルービックキューブ」はメガハウスの登録商標。公式ライセンスを受けていないメーカーの商品も、一般的にはルービックキューブと呼称する事が多い。
*日本では発売から僅か8ヶ月で400万個という驚異的な売り上げを記録。当初の発売価格は1980円。発売元=ツクダオリジナル.
*この記事の数値データはWikipediaを参照しています。
<©2025もりおゆう この絵と文は著作権によって守られています>
(©2025Yu Morio This picture and text are protected by copyright.)