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懐かしの駄菓子屋昆虫採集キット

僕の昭和スケッチ」247枚目

<「駄菓子屋の昆虫採集キット」©︎2024 画/もりおゆう 水彩(ガッシュ) サイズF5>

小学生の頃、夏休みになると、よく昆虫採集キットを買った。

大抵は駄菓子屋に置いてある安物だ。
防腐剤や注射器が入っている。

そして、昆虫をせっせと捕まえて、防腐剤を注射器で打っては採集箱にピンで刺して並べる・・・標本作りだ。
男子なら皆やった経験があり、美しい昆虫標本作りは男子の夢だ。

だが、この採集箱は夏休みの終わり頃になると必ず変な匂いを立て始める。

理由は簡単なことで、こういう駄菓子屋で売られていた採集キットに入っている防腐剤は殆どが「ただの色付きの水」だったからだ。

つまり、防腐効果は全くない(笑)

そういうインチキなものが駄菓子屋で長く売られていたことはあまり知られていない。僕が知ったのも大人になってからだ。

さて、とはいうものの・・・

標本作りが出来なかったのはあながち駄菓子屋のせいばかりとも言えない。

本格的な標本作り
「糞ぬき」や「内臓の処理」、「蝶類の羽の色止め」など、昆虫の種類によって標本の作り方が異なり、様々な薬品も使用する。中には毒薬に類するものもある。実はそう簡単にできるものでもない。

クラスの中には、夏休みが明けるとそういう風に一大努力をして完成した美しい昆虫標本を持ってくる、、、そんなクラスメイトもいて驚嘆したものだ。

だから、駄菓子屋で売っていたままごとセットのような昆虫採集キットというものは、僕のような何でも適当にやっつけてしまおうと思っている小学生に実にピッタリのものだったのだ。

今日は、昭和駄菓子屋で売られていたインチキな昆虫採集キットに一言もの申そうと書き始めた記事だったが、結果はこういう予期せぬ単純な事実に気付いた次第(笑)

いやはや、情け無し・・・!

<*僕の昭和スケッチは僕の昭和の思い出を絵と文でお送りしています>
<©2024もりおゆう この絵と文は著作権によって守られています>
(©2024 Yu Morio This picture and text are protected by copyright.)

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