「新米ライターにオススメしたい本」Vol.2 ──語彙力に悩む方の必需品
こんにちは、myProductライターの河合です。
先週は「新米ライターにオススメしたい本」と題したnoteを投稿させていただきましたが、今回はその第2弾!
語彙力に自信の無いライターの皆さまに打ってつけの本を、ご紹介させていただきます!!
『その感情、言葉にできますか?』(青春出版社) 豊かな日本語生活推進委員会編
私が一番初めに語彙力の無さを痛感させられたのは、腕時計雑誌の仕事をしていたころでした。
当時は腕時計雑誌の編集をしながら、各地で行われている「ウオッチフェア」のカタログ製作に関わることがしばしば。このカタログ製作における自分にとっての一番の難問は、100本近い時計にそれぞれ100文字程度の紹介文を入れるということ。
何が困るかというと、時計を形容する言葉のバリエーションです。例えば、「洗練された〇〇」などはよく目にします。自分が当時取り扱っていた腕時計というのは、価格帯でいうと数百万円から数千万円。この価格帯の時計というのは、そもそも大体「洗練」されています。なので、困ったときにはついつい使ってしまうのですが、何度も登場させるわけにはいきません。そこで、頭をひねらせ、それでも出てこないときは先輩たちの文章を参考にしながら、言葉を選んでいくということをしていました。
同じように語彙力が無くて困った例として挙げられるのが、結婚相談所でコンテンツ制作を行っていたころのインタビュー記事です。実際に結婚相談所のサービスを利用して結婚されたカップルにインタビューを行い、出会いから結婚までのエピソードを記事にしていたのですが、このときも壁にぶち当たりました。
「結婚されて、今の素直な気持ちはいかがですか?」というのは定番の質問になりますが、よくある答えが「幸せです」。本人の言葉を括弧書き(「」)で引用する場合は、そのまま書けばいいのですが、記事の構成上「地の文」で表現することが求められることも多々あります。
そうなった場合、シンプルに「幸せです」と書いてもいいのですが、いろいろなカップルの事例を紹介していく中で、どれも同じ言葉を使ってはストーリーごとの差が見えにくくなってしまいます。
そうしたときに活躍するのが、冒頭でご紹介した本になります。人が抱く感情ごとに、その表現方法が複数まとめられており、文章に細かいニュアンスの違いを与えるためのヒントを与えてくれます。
例えば、先ほどの「幸せ」であれば、本書で以下のような言葉を紹介しています(ごく一部です)。
この結婚相談所の例であれば、実際にインタビューを行った際の二人の様子を思い出しながら、上記の中から言葉を選ぶといいかもしれません。加えて、取材の際には、なぜ幸せに感じるのかということを当然深堀していきます。なのでエピソードを付け加えた上で、下記のような文章にするのも、ありではないでしょうか?
と表現をすれば、わざわざ「幸せ」という言葉を使わなくても、幸せな様子を十分に伝えることができます。
上記のように直接的に「幸せ」という言葉を使うと、読者の想像力を狭めてしまうため、「より強い幸せさ」を伝えるには適当でないかもしれませんね。
このように「何か違う言葉に言い換えたいんだけど、思いつかない……」と悩んだ際には、本書のような表現集や類語辞典などが大活躍してくれます。
ことば選びを助けてくれる本はたくさんあります。まずは本屋や図書館に行って、どのようなものがあるか探してみるといいかもしれません。あなたの語彙力を満たしてくれる、文章の実用書を手元に置いておけば、表現の幅が一気に広がりますよ!