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ダウン症児の筋力と姿勢バランスに対する等速性トレーニングの効果


今回参考にした論文はこちら↓


雑誌名:International Journal of Rehabilitation Research
Impact Factor:1.7


※内容には個人の解釈や見解が含まれます。ご理解の上、ご覧ください。



ダウン症は、21番目の染色体の全部または一部が余分に存在することによって引き起こされる染色体疾患である。


ダウン症児は、筋緊張低下や靭帯の弛緩、筋バランスの不均衡、バランス障害などの姿勢運動障害を呈する。


これらは、ダウン症児の運動発達や精神発達の遅れの一因となる可能性があり、反重力状態を維持することが困難であるため、子供の動きが制限される。


筋力の低下は、特に下肢筋力において、身体全体の健康面や日常活動の遂行にとって重要である。


これまでの研究で、姿勢制御系に障害があり、それが機能的なバランス障害を引き起こす可能性があることを発見した。


姿勢制御系の障害には、固有感覚の障害や運動協調性の障害、感覚運動統合の問題、及び予期的な姿勢調節の反応時間の低下と関連している。



今回の研究では、等速性トレーニングが、筋力や姿勢バランスとどのような関係があるかを評価した。



研究の結果



今回の研究では、主に膝関節の屈伸に関連した等速性トレーニングのプログラムを実施した。


その結果、ダウン症児の筋力と姿勢バランスを改善するに至った。



筋力に関して、知的障害者がトレーニングに参加した後に筋力が有意に向上したとされる先行研究と同様の結果を得た。


トレーニング効果として、筋力の向上は運動神経の活性化が図られることが最もよく知られた神経学的反応である。


抵抗運動に対する通常の生理学的反応としては、神経の活性化と筋肥大が増加するためと考えられている。


神経活動の活性化は、トレーニングの初期段階で優位となり、筋肥大においては、トレーニング後半で起こってくる。


等速性運動においては、骨格筋の作用を改善し、疲労を予防するための神経機構と酵素活性を刺激することから、安全かつ効果的な方法である。


等速性運動は、他の運動と比較していくつかの利点がある。


これらの利点の1つは、関節の可動域全体にわたって筋群を最大限のポテンシャルで運動させることが出来る。



姿勢バランスに関しては、ダウン症児は、大脳の成熟の遅れと小脳と脳幹の大きさが比較的小さいことが、バランス障害の原因であると考えられる。


今回の姿勢バランスの改善は、膝関節の屈伸筋が増加したことが起因すると考えられる。


先行研究においても、抗重力筋活動と姿勢制御の関係性を報告している。


抗重力筋活動は、動的バランスよりも静的バランスと関係性が深いと結論づけている。


静的に姿勢保持が苦手な場合、等速性による抗重力筋を働かせる運動を行うことは有用であると思われる。


用いられたトレーニング内容


週3回、12週間の介入(全36セッション)

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