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星の王子さまにみる、「大切なもの」とは・・・

こんにちは。

ピアノ講師、メンタルコーチとして活動しています。
「One Heart」です。


7月に箱根へ行った際に、知った衝撃的ニュース。

「星の王子さまミュージアム閉館」

ホテルへ向かう時、ちょうど星の王子さまミュージアムの前を通ったのです。

助手席から主人が建物の方を見て、「あれ?閉まってる?」って言うので、「もう今日は終わったんじゃないの?」とハンドルを握りながら私が答えると、すぐに主人がスマホで調べ始めました。
(本当に便利ですよね、今の時代・・・)

「星の王子さまミュージアム」閉園・・・だって・・・。

主人が力のない声で言ったその時、なんだか急にどよーんとした空気が漂いました。

「えっ?本当?」
まったく知らなかった私たちはしばらくボー然。

ホテルにチェックインし、部屋に入るとすぐさま主人がいろいろと閉館について調べ始め・・・、その時も私たちの周辺のどよーんとした空気感は変わらず・・・。

最後に行けなかった悔しさ・・・みたいなものがこみあげてきて・・・。

とても残念な思いを感じたのでした。

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今日の本題です。

わたしのもうひとつのブログ(アメブロ)に「星の王子さま」について書いた記事があります。

アメブロは現在、縮小に向けて整理をしているので、あらためてnoteに書いてみたいと思います。

わたしの思う、「星の王子さま」の世界。

今日は、このお話をわたしなりに掘り下げてみました。

ひとつの”視点”と思って、読んでいただけるとうれしいです。

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ウワバミの絵

プロローグ

飛行士である「僕」は、サハラ砂漠に不時着した時に、小さな星に住んでいある王子さまと出会った。

そして王子さまから「僕」に出会うまでの話をしてくれます。

物語はここからはじまります。

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ぼくは子供の頃に一枚の絵を書いた。
へびのボアが猛獣を丸呑みしている絵。

ぼくはこの絵を大人に見せて質問しました。

「この絵、こわくない?」と。

そしたら、大人たちは、
「帽子がどうしてこわいの?」と言いました。

ぼくは、帽子を書いたわけではない。

だれもこの絵を見て、
「こわい」とは言わないので、
誰が見てもわかるように、
絵を描き直しました。

しかし、大人たちはそれに興味も示さずに
「絵はやめにして、もっと勉強をしなさい」と言います。

外側を書いても内側を書いても、見ようとしないで、理屈でものごとを決めつけてくる。

この物語の前振りとして、
大人たちは、表面的なものしか見ていないこと、
「大切なものは目には見えない」
ということをメッセージとして伝えています。

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バラとの出会い


小さな星に住む王子さまは、
ある日どこから運ばれてきたかわからないけど、
ひとつの種が小さな芽を出し、
花が咲いたのを目にします。

イメージです

それがバラの花で、
王子さまはその美しいバラに一目惚れをします。

バラはわがままを言ったり、気まぐれな態度をしたりするので、
王子さまは翻弄させられていました。

ここでは、バラを「愛する女性」とたとえています。
そして、愛する女性のためにいろいろと尽くす男性の姿を表しています。

王子さまはそんなバラ(女性)に嫌気がさして、
バラを残して別の惑星へ行ってしまいました。

別れ際、本当は寂しいのに、
それを隠してバラ(女性)はわざといじらしく振る舞います。

王子さまはバラの本心はわからないけど、
バラは王子さまが好きだった故にわがままを通して、
王子さまにやさしくされたかったのかもしれません。
(察して・・・みたいな気持ちでしょうか)

6つの星の住人


そして、王子さまは6つの星に行き、
そこでそれぞれの住人に出会います。

王様がひとりで住む星
自分の権威を守ることしか考えていない、性格の持ち主。
地位や名誉にこだわる大人を象徴。

うぬぼれ屋の男が住む星
自分の星に来る客は、すべて自分のファンだと思い込んでいる
”器の小さい大人”を象徴。

酔っ払いが住む星
”恥ずかしさ”を忘れるために酒を飲み、
酒を飲んでいること自体を恥ずかしがる男。
現実から逃げる大人を象徴。

ビジネスマンが住む星
自分を「有能」だと信じ、
星を数えて、所有することだけを考えている男。
この「星」は「お金」を表しています。
「お金」を持つことへの象徴。

点灯夫が住む星
誰かのためにガス灯を守る点灯人。
王子さまは忠実な彼とこの星が好きになりました。
自分の考えではなく、
他人の言いなりで行動する人間の象徴。

地理学者の住む星
自分では探検せず、
報告をまとめるだけの男。
世間のことに興味がない大人の象徴。


この6つの星に住む住人たちのように、
自分の私利私欲のために生きている大人たちは、
ものごとの本質を忘れてしまった、
現代の大人たちのことを表しています。

王子さまはこの大人たちに対して、
「で、それがあったら何があるの?」と素直に聞きます。

大人たちは、子供の素直な質問に答えられないものです。
自分がほんとうに求めているものが、
わからなくなっているんですね。

その答えにがっかりした王子さま。
話をしていてふと、
素直になれなかった自分を思い出すように、
自分の星と残してきたバラのことを思い出します。

そして、王子さまは地理学者に、
地球に行くように言われます。

地球の砂漠
最後に訪れた地球の砂漠で、
王子さまは一匹の蛇に出会う。
蛇は、「どんな船よりも遠くに運んであげる。
自分の星がなつかしてたまらなくなったら、
ぼくが手伝ってあげるよ」と王子さまに言いました。

地球で出会ったバラとキツネ


最後に行った地球で、
バラがいっぱい咲いている庭園を見つけ、
そのバラたちは、「私たちはバラです」と言うと、
王子さまはなぜか悲しくなりました。

ここには同じようなバラが何千と咲いているのに、
王子さまの星にいたバラは、わがままで手がかかるけれど、かけがえのない自分にとって唯一のバラだったのではないかということに気づき始めます。

そして、キツネに出会います。

キツネは、
「僕はきみとは遊べないよ。だって僕はまだ飼い慣らされていないから。」
と言います。

キツネにとって、”飼い慣らす”とは、
「絆をつくる」こと。

最初から仲のいい友だちなんてどこにもいなくて、
少しずつ時間をかけてお互いを受け入れていく関係づくりが
友だちなのだとキツネから学びます。

そして、「きみのバラがきみにとってかけがえのないものになったのは、
きみがバラのために費やした時間のためなんだ。
尽くしたものに対しては、いつまでも責任がある。
守らなきゃいけないんだ」と教えてもらいます。

王子さまはキツネに会うことによって、
星に残してきたバラはどこにでもいるありふれたバラではなく、
たったひとつの自分にとってかけがえのない存在である、
と気がつくのです。

キツネから教わったこと


「絆をつくる」ことの大切さをキツネに教えてもらった王子さまは、
さっきのバラの庭園に戻ってきた。

バラの庭に戻ると、王子さまは気がつきました。

ここにあるバラは、
絆をつくる前のキツネと自分と同じだということに。

世界で唯一の存在になれば、
お互いに思い出し、
思いやることができる。
そして、「絆を結ぶ」というのは、
人間関係そのものをあらわしているのと同時に、
自分自身との関係をもあらわしているといえる。

「自分」という存在は、
世界でたったひとつの存在だという気づき。

ここで、キツネは王子さまに
最後の秘密を明かします。

「心でしか、なにかをちゃんとみることはできない。
本当に大切なものは、目には見えないんだ」

星の王子さまより

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自分の心に素直になる


話は続きますが、あとは本を読んでいただくとして・・・。

人は言葉だけで相手を判断してしまったり、
聞いた言葉を素直に受け取れなかったりと、
お互いに意地を張ってしまったりして
心の距離ができてしまうことがあります。

自分の「心」に聞いて、行動する。

そうすれば本音と違う言葉だけに惑わされることも減ってくるような気がします。

生まれてから身につけた知識やキャリア、学歴・・・。

自分自身の本質を忘れてしまい、
さらに欲を出し、次から次へと欲しいものを手に入れようとする。

その先に、幸せがあると信じて・・・。

本当にその先に幸せはあるのでしょうか。

そんなことにも気づかせてくれるような
メッセージが込められているのではないかと思います。

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星の王子さまのもっと奥深くにあるもの


そして、究極的には、
他人との関係よりも大切なのが、「自分自身との関係」

星の王子さまの大切なバラ(女性)は、
「美しいもの」という対象であると同時に、
自分の内面にあるもの、
という解釈もできるのではないかと思います。

いろいろな登場人物がいますが、
すべて、「自分自身への写し鏡」だと捉える。

そこには王子さま自身が新たに発見したメッセージ的な言葉も含まれますが、人間関係は”知らない自分”を知ることができるとてもすばらしいものだと思います。

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さいごに


子供の頃には当たり前にできていた
「心の目でみること」

6つの星で出会った住人たちも、言ってみれば自分自身の内面にあるもの。

欲を持ったり、他人と競争したりすることが悪いことではないけれど、
そのことに一生懸命になりすぎると
人生で大切なことを忘れてしまうのではないかと思います。

大人になるにつれて、
いろいろと自分自身に
重たい”荷物”を背負ってしまう私たち。

気づいた「今」から少しずつその”荷物”を下ろしていくこと。

忘れてしまった、
大切な”何か”を思い出すために、
自分に少しずつスペースをつくってあげる。

そこに、忘れてしまった”何か”を
取り戻すメッセージがやってくる。

また、この物語は「人はひとりでは生きていけない」というメッセージも込められているように思います。

他人の存在あっての自分、というありがたいこの世の中のシステムが当たりまえになってしまっている現代。

人に支えられて生きている、
自分と他人、世界はつながっているんだ、ということもあらためて教えてくれる作品ではないかと思います。

子供向けに書かれていますが、サン=デグジュペリは実は大人に読んでほしかったのではないでしょうか。

この物語の冒頭には、「親友のレオン・ヴェルトへ」と題された献辞から始まっているのです。

レオン・ヴェルトに

この本を、こうしてひとりのおとなにささげたことを、子どものみなさんは許してほしい。なにしろ大事なわけがある。この人は、この世でいちばんの僕の親友なのだ。もうひとつ。おとなだけれど、なんでもわかる人なのだ。子どものために書かれた本でさえ。そして三つめ。この人は今フランスに住んでいて、おなかをすかせ、寒い思いをしているので、なんとかなぐさめてあげたいのだ。それでもみなさんが納得してくれないなら、この本は、昔子どもだったころのその人に、ささげるということにしたい。おとなだって、はじめはみんな子どもだったのだから。(でもそれを忘れずにいる人は、ほとんどいない。)そうして献辞は、こう変えることにしよう。

小さな男の子だったころの
レオン・ヴェルトに

サン=デグジュペリ「星の王子さま」より

子供の心を忘れてしまった大人に読んでほしい・・・。
そう思ってこの物語は書かれたのではないかと思います。

自分自身の中にいる、
「星の王子さま」を探してみるのもいいですね。

今日も”愛”あふれる一日をお過ごしくださいませ。




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