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上手くいかなくても大丈夫だよ。それはあなたのほんの一部だから。〜「ドーン」を読みました。〜


平野啓一郎さんの「ドーン」を読みました。


平野さんの提唱されている「分人」という考え方が好きです。
人生を楽にする知恵だなと思います。


接する人や場面によって、違う自分がいる。
それぞれの自分を、別の人間だと考えてみる。


例えば大嫌いな仕事に行かなくてはならない。
その仕事に行く自分は、今ここにいる自分とは別の「分人」だとして考えてみればいい。


会社でどんなに怒られようが罵られようが嫌な思いをしようが、それらを体験するのは私ではなく、別の私なのだからダメージはない。


たくさんの分人を自分の中に持てるといいです。
それぞれの分人の中で、どれか一つでも上手くいっているのであれば、自分を肯定することができます。


反対に、どこか一つの分人が上手くいかなくても、気にすることはありません。
その一部が上手くいかなくても、あなたが全否定されるわけではないのだから。


たくさんの分人を自分の中に作って、それらを軽やかに移動しながら、色んなモードを楽しむ感覚で人生を生きられたら、楽になると思います。


多様性の時代です。
自分の中にたくさんの分人を作り、自分の中に多様性を生み出していきましょう。


以前から私は「パラレルワールド」という考え方で仕事を乗り越えてきました。
今いる世界とは別の世界で、大嫌いな仕事は行われている。
だからその別の世界で何が起ころうとも、こっちの世界の自分には関係ないのだと。


「パラレルワールド」に「分人」の考え方を掛け合わせたら、より一層楽になる気がします。
憂鬱なことでも、違う世界で、違う自分がやっていると思えたら、そこに「距離」が生まれて、私自身が受けるダメージは微々たるものになると思うのです。


本小説の中でも、様々な登場人物が様々な分人を見せてくれます。
一方がうまくいっていても、その一方では目も当てられない泥沼だったりする。


きっと全ての場面で順風満帆な人間なんていません。
うまくいかないときは、「だった一部の分人がうまくいってないだけだ」と、気楽に受け流していきましょう。


反対に何か一つでもうまくいったなら、その事実をしっかりと認めて、自分自身を肯定してあげましょう。


「分人」の考え方に触れることで、人生を楽にするテクニックを学べた気がします。
人生がしんどい人は是非読んでみてください。あなたがあなたとして生きなくてもいい。分人というテクニックを駆使して、うまく人生をやり過ごしていけたらいいですね。

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